【違和感その5】ウクライナ危機
鳩山元総理がやってくれたので、これまで個人的に調べていたロシアとウクライナの紛争を整理してみた。眠いが書き出したら止まらんわ!w
この話題については、とにかく情報が得にくかった。世界中が反露派なので、客観的に見るのが難しい。歴史も経済も素人に毛が生えた程度の実力だが、非力ながら歴史からアプローチしてみる。
1917年
まずウクライナ国民共和国が独立宣言をして建国。しかしソビエトがウクライナの独立を絶対に認めなかった。
1920年
独立を認めなかったソビエト連邦が、ウクライナ国民共和国へ侵攻。ソビエト支配下のウクライナ・ソビエト社会主義共和国として、ソビエト連邦に編入される。
ここで目を逸らしてはいけないのが、1917年のウクライナの国章には『三叉の鉾』を掲げられた事。三叉の鉾は、古のキエフ・ルーシ大公国の家紋であり、東スラブの源流たるルーシ民族の後継者である事を宣言する事になる。またウクライナの首都はキエフである事から、ルーシの正当な後継者は自分達であるという自負がある。ちなみにロシアというのはルーシの国という意味であり、ウクライナから見ればルーシの名を奪った許されざる国という事になる。イスラエル・パレスチナ問題と同じヤバイ香りがぷんぷんしてくる。
1922年
ウクライナは黒土地帯という肥沃な穀倉地帯を持つが、ソビエト連邦による計画経済により、重工業化・集団農場(コルホーズ・ソフホーズ)が進む。
1932年
スターリンによる穀物の強制調達により、ウクライナで大飢饉が発生し餓死者は350万人に達する。
1941年
ドイツがポーランドに侵攻して、1939年に第二次世界大戦が勃発。ドイツ軍がソビエトに奇襲攻撃を仕掛けて、ウクライナが独ソ戦の主戦場となり、空前の人的、物理的被害を受ける。
1954年
スターリンの死後、後を継いだフルシチョフがウクライナに友好的であった事もあり、ペレヤスラフ協定締結300周年を記念して、クリミア半島をウクライナに移管。しかしこの後、ソビエト連邦が解体される事など誰も考えてはいない。ちなみにクリミア半島のセヴァストポリには、ソ連の黒海艦隊の基地がある。更に忘れてはいけないのは、近代国家が始まってから、ソ連にとって不凍港の確保は永遠の課題であるという事だ。
1969年
ソ連、西ドイツ、イタリア、オーストリアがパイプラインの建設に着手。
1978年
ウクライナ・チェルノブイリ1号機が運転開始。
1986年
チェルノブイリ原発事故発生。
1991年
ソビエト連邦解体。
2004年
ウクライナ・オレンジ革命が勃発。反露派がNATO加盟を掲げ、ロシアに2017年までに黒海艦隊を撤退させるように要請。
2010年
ウクライナ総選挙でヤヌコビッチ政権が成立。セヴァストポリ軍港の黒海艦隊の駐留期限を2042年まで延長。
2014年
ウクライナがガス代金の債務について、返済期限を守らなかったとロシアが発表。今の戦争状態に突入。
歴史を辿ってみて印象的なのは、ロシアは1991年までウクライナの独立を認めていない事である。更に、ウクライナの国家成立時から続く民族紛争が未だに尾を引いている。しかしこれだけでは、ここまでの戦争にはならないだろう。

注目すべきはパイプラインのルート。建設当時のソ連がポーランドを信頼していなかった事、ウクライナにガスの地下貯蔵庫があったことから、ほとんどのルートがウクライナを経由しているのである。
しかもスターリンによる重工業化で、ソビエト連邦解体後のウクライナはエネルギー不足に陥る。チェルノブイリ原発事故以降も原発は稼働しているが、それでもエネルギー自給率は低く、ロシアからのガスの輸入に依存している。しかも国力の衰えと共に産業が衰退していたこともあり、ロシアにガス代金の未納状態が続いている。ましてウクライナは、ヨーロッパに行くはずのガスを盗んだり、通過するだけのガスに料金を上乗せしてヨーロッパに送ったりしているなどの指摘もある。そこで、ガス代金の未納が続くウクライナに対してロシアはガスの供給を停止。こうしてガス戦争が勃発する。
ガス代金を踏み倒すためのウクライナの最強の交渉材料は、ロシア軍が利用しているセヴァストポリ軍港があるクリミアであった。そもそもロシアはクリミア半島を本気で移管したなんて思っていないので、親露派を利用して強制的にクリミアを編入。これでロシアがエネルギー保障の面で優位に立つことになったが、このまま徹底的にウクライナを編入するつもりなのではなかろうか?このやり方は非常にロシアらしいやり方で、北清事変後のロシアも撤退せずにそのまま朝鮮半島の侵略を企んでいた。
クリミア編入はブダペスト覚書に明らかに反しているからロシアのやり方に問題はある。でもウクライナにも外交面における問題がある。しかし一方的にロシアが悪とされる報道には違和感を感じざるを得ない。まぁ東西冷戦を考えれば、アメリカがロシアの肩を持つことなんてあり得ない。ヨーロッパ諸国も、社会主義に好感を持っていない。プーチンの感情を表面に出さない表情がマスコミの誤解を招いていると言う経済学者もいる。個人的には、ぶっちゃけどっちもどっちだ。
ちなみに日本には関係ないと思っていてはいけないと思う。本気で脱原発を目指すなら、原発に変わる火力発電の燃料で、今考えられる候補はLNGしかない。そして今、ロシアは日本へのパイプラインの建設を検討している。幸いにもアメリカのシェールガスが追い風にはなっているが、2017年が目処のためもう少し時間がかかる。それまでは東南アジアからの輸入に依存するしかない。エネルギー自給率が5%の国がエネルギー安全保障の度合いを高めるというのは、とっても大変な事なんだと思う。
水素エネルギーも話題になっているが、原発に変わる技術として見込みが立っているかといえば、全く立っていない。実用化までにどれだけのコストと時間がかかるのかわかってすらいない状態だ。オーストラリアから水素を輸入する案も報道されたが、それに対するツイートが印象的だった。
『アメリカが許しますかね?』
これは自分も同じ意見。国際石油資本からの依存脱却、いわゆる和製オイルメジャーを作ろうとした田中角栄が、ロッキード事件を通じてアメリカに潰されたという解釈に自分が同意しているからである。
少なくとも、どちらの国が善で、どちらが悪といった幼稚な考え方はやめるべきなんだと思う。そこに本質は無い。今起こっているウクライナ危機は、各国が自国の利益のために、やることはなんでもやっている結果なんじゃないだろうか?