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 私は、何かを打ち消すために文を書いた。そうしなければ心が落ち着かなかったから。その日のモヤモヤとかイライラとか、不安で渦巻いた毎日に彩りを与えるのは妄想だったから。
 今はあるお姫様の話を書いている。そのお姫様とはもちろん私のこと。
「王よ、どうしてそのような考え方しかできないのです。もっと民衆のことを考えて誰からも愛されることは出来るはずなのに…」
 これは今付き合っている彼のこと。彼はいつも角が立つ言い方をする。
「俺はおまえと違って暇だからさ、余計なこと沢山考えられるわけ。それがおまえには迷惑なんでしょ?」
 別にそういう訳じゃない、私は私のこと忙しいけど…忙しいからと言って彼からの連絡が面倒という風には思ってない。でも、決めつけたように私だそういう考えだという考えを彼は譲らない。
 私は彼のいいところを知っている。優しいし、お喋りだけど私の話も沢山聞いてくれる、たまにお弁当を作ってくれるし、なんでもない日のプレゼントをもらった時なんかはドキッとする。だから、不安になんかならないでよ。
 私はあなたがちゃんと好きだから。
 姫はいつだって不満だらけ、そんな姫を許してほしい、優しい王様にしかそれは出来ないの。
 そこからあとは真実じゃない、彩るためのフィクションを私は描く。だから、次の日がより絶望的になるのかもしれない。
 でも、私は信じるだけ。

 不安を打ち消すために今日も私は文を書く。