Belpasso 捧 恭子氏の講演 | macaroni Drop〈マカロニ ドロップ〉~バターナイフをはずさないで~

macaroni Drop〈マカロニ ドロップ〉~バターナイフをはずさないで~

いろんな“好き”と“好き”が出逢う場所でありたい。

belpasso

みなさん、こんな素敵な靴を観たことがありますでしょうか?

こちらは神楽坂にアトリエを構えオーダー靴製作をされている捧 恭子(sasage kyoko)氏のブランド
Belpasso(ベルパッソ)の作品です。



belpasso
先日、とあるお誘いを頂き名古屋某所で行われた捧 恭子氏講演に行って参りました。


belpasso
こちらの女性が捧氏。

有名アパレルメーカーでテキスタイルデザインに携わった後
作品の全てを自分で手がけてみたいと国内の靴工房
(コムデギャルソン等のシューズを製作していたらしいです)に入り
その後、奨学金制度でエスペダンサ靴学院を卒業。
更にその後、ミラノの靴学校 ARS STURIA in Italia で学んだ後に帰国。

現在はギャラリーでの販売や個展をする傍ら靴デザインの講師もされているらしいです。
(また、雅子妃殿下が皇太子妃になられた時の靴製作にも関わられたとの事)

こちらは展示されていたBelpassoの作品です。


belpasso
作品名 朝露

靴を対にした時に丸い球が一周しそれが朝露を表しています。
1998年の作品らしいのですが、現在でも同じ型で製作しているという普遍的な作品です。


belpasso
アップルミュール

正面から観ると一見普通のミュールなのですが裏からみるとこのように
リンゴのデザインになっています。
履く本人にのみ分かるデザインっていう視点が本当に面白いです。



belpasso
ラムズイヤー

ラムズイヤー(羊の耳)と呼ばれる植物の葉がモチーフになっています。
アシンメトリーで柔らかく流れるようなラインが美しいです。
この口のベロのような部分は動かして変形させる事も出来ます。


belpasso belpasso             

ヒールも独自で製作しているとの事でした。
ヒールはデザイン的な事はもちろん
機能的な物(重心がまっすぐを通って真下に行っているか、強度は十分に保てるかなど)も
重要になってくる最も繊細なパーツの一つです。

こちらは非常に完成度の高いヒールで
ギャラリーに訪れた彫刻家の方もそのディテールに驚いていたとか・・。

Belpassoの靴は目の肥えた方に観て欲しいとの事で
通常のshop等にはおかず、ご自分のアトリエとその他ギャラリーで展示販売をしているそうです。
そこでお客様が気に入った物は足の寸法を細かく計測し、
木型を合わして(場合によっては製作して)作製しています。

デザインはアバンギャルドなんですが、そこには尖がった要素は殆どなく
自然をモチーフにした本当にナチュラルで温かみのあるデザインばかりでした。

また、計算されつくしたデザインは繊細であるだけでなく、重厚感をも感じられました。

履いた時にいかに足が、そしてその方全体が美しくみえるかを最も考えているとの事で


belpasso
こちらの靴などは植物の葉脈をモチーフにした飾りの中にが入っていて
その日のスタイルや気分によって形を変えることができてしまいます。




公演では捧氏が靴製作に携わるまでの経緯や、デザイン事などをお話頂きました。

中でも僕がもっとも印象に残ったのは
捧氏のご自分の作品と、そしてお客様に対する気持ちでした。

ご自分の作品を観る時のと扱う時の仕草
そしてお客様の要望にお答えする気持ち、本当に勉強になりました。

デザインする人 製作する人 オーダーする人

この三者が近い関係にある物って本当に素晴らしい、またそうあるべきだと改めて実感しました。






さてさて!公演が終わった後は、ビュッフェ形式でのお食事懇談会です肉
捧氏も残って下さってここでもお話をたくさん聞かせて頂きました。ニコニコ


公演  公演


公演

見てのとおり結構豪華です。ラブラブ!グフフ

こういう場では制作活動をされている方やその関係者がいるので
積極的に話しかけたりする事も需要なんです。ひらめき電球食ってばかりじゃだめって事ですブタ

公演  belpasso

クリエイト活動っていうのは一人では何もできませんからね。
そういう意味でもこのような場は本当に大切にしていかなといけないと思います。ハロウィン

実は今の僕(なんて言うほど大したもんでは無いのですが)があるのも
このような場で、その業界の社長さんに無理やりお願いをし続けたからだったりします
                                         (かなりガッツキました。笑)

この日もクリエイターの方、学生の方業界の方新聞社の方等4~50名程がみえてました。
いろんなチャンスが眠ってる空間でもあるんですね。

ま、それはそれとして生ハムのサンドウィッチが異常に美味しかったです。サンドイッチ


そんな中、突然 り込みデモンストレーションが行われました。とんかち

こちらは東海地区で初めて革靴製造技能試験・底付1級を取得されたS氏
僕の師匠にあたる方です。

公演 公演

つり込みというのは平面の革を木型に打ちつけ立体にする作業です。
ワニという工具で革を引っ張ってはで木型に打ち付けていきます。
つり込みの技術というのは靴のクリエイト作業とはまた別の技術で
多くの方はその職人さんに委託する事が多いのですが
(ちょうど、アクセサリー/ジュエリーのワックス製作×鋳造の関係に似てると思います)
S氏はこちらも含め全工程をご自分で製作しています。

お見事でした。ニコニコ

ただ、S氏、途中でを飲んでしまったらしく・・(次の日出てくるからいいやって笑ってましたが)

そんな訳で楽しい食事談笑の中、夜も更けていきました・・。星空


belpasso

勉強になる言葉刺激をたくさん頂いた公演でした。

本当にありがとうございました。



と・・・僕も遅れてるご依頼のお品を仕上げねば・・。あせる
もう少しだけ待ってて下さいね~走る人