ひさしぶりに銀ネタを一つ
今回のは特に思い入れあります
シルバーブランドというと海外でも国内でもそうですが、現在は「ブランド」ってのがしっかり設定されていて
メーカーさんやショップさん(代理店)を経由して僕らの元に届くといった感じですが、こちらはチョット違います。
コチラのブランドを知っている方がいましたらそれはかなりの銀マニアです。
名古屋のブランドです。
シルバーブランド全盛期、海外ブランドはクロムハーツやガボール、ナグァールやアーティ、A&Gくらいしかよく知られてなかった頃、国内ブランドとしてそれ系の雑誌にたまに登場したりもしてました。
その店におじゃましたのは6,7年前だと思います。
店舗はまさにアトリエって感じです。いや、アトリエなんてシャレたもんじゃなくて工房・・工場ですね。
職人仕事を知ってる方ならお分かりかと思いますが、製作に使うツールやら、途中段階の作品(銀だったらワックスとかも)がグワァーーー・・って並べられていて・・(でも、仕事をしている方達はあれで何がどこにあるかしっかり把握してるんですよね
)
そんなクリエイティブな場所でした。
ごちゃごちゃ言ってもしょうがないので、さっそくお品を・・
某ブランド ブルドッグキークリップ
ご覧のブルドッグがドカンと乗ったキークリップです。
この造形が素晴らしすぎです。
ブルドッグは正に生きているかのような躍動感。更には怪しくもあり可愛らしさももった表情です。
最近はいろんなブランドからブルドッグモチーフが出ていますがどれも何故かガボールに似てるような気がします。
ブルドッグのデザインやアプローチの仕方ってのはこんな風に他にいくらでもあるんですよね
首輪も鋲一つ一つが実に丁寧につけられています(画像の私物は既に6,7年使用していますのでそれでもかなり減っています)
首輪のにはバックルも造られています。
そのまま「これ外せるんじゃないの?」ってくらいのリアルな造りです。
スプリットリングをかますカンもガッシリ。
後ろにはブランド名が浮き彫りでしっかり彫られています。
クリップも噛み合わせが最高でした(こちらも使いに使った為、多少ずれてきてますが・)
以前の記事 でクロムハーツの現行のクリップを見て、少し残念に思ってしまったと書きましたがホントこれくらいの物を造って欲しいです。
指を当てる所も実に滑らかなデザインにデザインされています。
(みにくいですがちょうど、リードMFGのスターダストピアスみたいな感じです。当然ですが、その当時はReid MFGなんてブランドはありません)
横顔です。
物凄い厚みなんですが、クリップとモチーフの厚みのバランスも完璧ですし、その厚みに違和感は全く感じません。
ブルそのもの表情も最高ですね。とくにほっぺたの垂れ具合とか
とにかく造形とかデザインも良いんですが、なにより楽しんでどこまでもこだわって造ってる感とその銀の質感が最高なんです!
昔の雑誌記事を見て気になってこのショップに行った当時の自分。
良くあるシルバーショップとは全く違う雰囲気にビビりながら店舗に入りました。
すぐにそのオーナーさんが出てきてくれて、対応してくれました。
ひげをたくわえた、4,50代の方でした。
商品はというと・・いろんな書類がどっさりのったショーケースの下に隠れていて
数はそんなに多くはないのですがその一つ一つが本当に独創的でした。
このクリップも他にスカルモチーフがありました。
(値段とか書いてないので・・)僕が値段を尋ねると
「ん~と・・いくらだっけ(笑)」と、オーナーの方。
一応、価格表らしきモンを見て値段を教えて教えてくれたのですが、明らかに「値段なんてどうでも良いや」ってノリでした。
それよりも、すごく楽しそうに製作の事や、作品の事を話してくれました。
また、奥から製作途中のファイヤーパターンのバングルをもって来てくれたのですが、これは忘れる事が出来ません。
クロムハーツのVバンドバングルみたいに、真ん中で割れるギミックなんですがそのデカさが異常で・・。
でも、造形は美しくやっぱりスゴく体に馴染むデザイン。実際付けたらこれはアリでした重すぎですけど・・
「こんなの付ける人いるのかな?」なんてオーナーさんは笑ってました。
このクリップを購入した際にも「鋲が削れたり、クリップに不具合がでてきたらいつでも持っておいで。直すからね」ってしきりに笑顔で言ってくれました。
とにかく、このおっさん・・失礼、、オーナーさんは造るのを物凄く楽しんでいるし、アイテムに対する愛に溢れている方でした
現在は海外、国内問わずいろんなブランドが溢れていますが、正直「本当に欲しい」って思う所はありません。
これは僕だけじゃなくて、昔から銀を好きな人ならそういう人って結構いるのではないでしょうか?
好きだったブランドも段々客を見たり、ショップの言いなりになって、本来出さなくても良いようなアイテムを次々に量産していったりとか・・
ブランド維持とラインナップ拡大の為にそういう商品を出すのは当然だと思いますが、はやり柱の所だけはしっかりして欲しい気がします。
(もちろんこれを時代について来れない考え、懐古主義者と言われればそれを否定する気はありませんけど )
また、「職人の仕事」「一つ一つ魂を込めて手造りで・・」なんて、広告にのせて販売してるブランドでも実際見てみるとあんまりそれらを感じる事ができません。その文章とのギャップが空しく感じます。
でもやっぱり好きですがら、今もいろいろ期待しながらいろんな物を見に行ってる自分
本当に好きな物が登場するまではもう少しこのコに現役で頑張ってもらおうと思います。
あと、鋲もだいぶ減ってしまったので、この機会に直してもらいにいこうかな・・
まだ、アソコに店あるのでしょうか・・