ギター改造シーズン2023 その7
前回、一度組んだギターの回路を全部バラして、各パーツの単体チェックをやりなおした。
せっかく「これで完成」って思ってしっかり組み上げたギターをまたバラす。何度目だよ・・・とほほ
最初にバラしたときの単体チェエクではどれも問題がなかったんだけど、その後3-4回はハンダを付けたり溶かして外したりをくりかえしていたので、特にコンデンサーとか熱で劣化・損傷してないか気になって・・・
そしたら予想外のとこで以上発見。
ピックアップが、フロントもリアの内部ショートしているみたい。
ハンバッカーなので、普通なら抵抗値が10-15kΩくらいあると思うんだが、抵抗値がゼロ!しかも2つとも。
PUはケーブルが出ているので、ハンダゴテを直接当てることもないし、落としたりとか衝撃を与えたこともない。そもそも、落とした衝撃が理由など、2つとも落としてその両方とも内部ショートするなんてことはかなり考えにくい。
理由はわからず仕舞いだし、わかったところでこのPUでは使えないことがわかった。
それからPOT。トーンPOTはつまみを回して0kΩ~∞までリニアになってて正常。ところがボリュームPOTは範囲内が直線的でなくなっていた。これはハンダゴテ当てすぎたとかあるかも・・・
というわけで、仕方なくテレキャスシンライン用のハンバッカー(フロントとリア)、POT2つ、コンデンサ、トグルスイッチは中華製の安いのを探して発注。ジャック以外の電気系パーツは全交換することにした。
中華発送なので少し時間がかかるので、その間にサボってた音楽制作やら、ギターの回路図の見直しとかやっておく。
3週間ほどかかってパーツ到着。
全パーツをプレートに付け替えて、改めて配線。今回、なんども理解不能なトラブルで音がでなかったので、ビビって結線しやすいようにカプラー使ってみた。
これで全パーツつないで、ただしボディには仮止めで、1弦(だけ張ってある)のみでシールド挿して音が出るかチェック・・・
が~~~~ん
まだ出ない。ハムノイズは出てるけど~
まさかを想定してカプラーにしておいたのがさっそく役に立った。あちこち外しつつ、通電チェックをやって、どうやらPUからのアース線がうまくつながってないことを発見。そこをしっかり対策してもう一度、音が出るか確認・・・
・・・・・ 出た ・・・・・
今回、始めてギター作ったとき以上に苦戦した。
もともと出ていた音がでなくなった理由。最後まで不明。最終的に元のPUがなぜかショートしていたのはわかったが、バラした当初は音が出ていたギターだからその時点でショートはしていなかった。それを元の状態に配線もどした時点から音が出なくなった。バラして最初に単体テストしたときは正常値だったのに。
それから、すでにポリウレタンでコーティングしてある塗装を削り取る作業。PUコートってすごく強い。今回は、もともとの青1色から外周青+内側グリーンの2トーングラデーションにする計画だったので、全削りのやり直しならともかく、きれいに都合よく色落とせるか確信もなかった。
しかも・・・この青って、塗装じゃんくてステインなんですよね。塗ったのでなく染料を浸透させた着色。どれくらい深く染料が入ってるのかもわからなかった。実際・・・電動工具なし、紙やすりで手作業するのはかなり重労働で汗だく。
それからネックを削ること。
ローポジションからハイポジションまで、同じ断面の相似形だったネックで、まぁ使いにくいというほどではなかったんだけど・・・もともと指も長くない上、このテレキャスター自体がすごく重かったので、よけいにハイポジションで握力を食われやすい状態は改善したかった。それで手元のギターで一番自分で弾きやすいと思ってるフェルナンデスのストラトのネックを、何箇所もノギスで測ってみた。そしたら、ローポジの厚みは同じだったんだけど、フェルナンデスはハイポジにいくにつれ、ネックの厚みがほとんど増えない(幅はひろがるけど)ってことが判明。
なので今回テレキャスのネックのハイポジ側に向けて、12フレットあたりから徐々に薄くしてセンター部分がやや平べったくなるように削った。
あとは軽量化で2点。
重たいギグズビー(中華製コピー品)を外して、レスポールタイプのエンドピースに変更。これ、かなり軽量化に貢献。
それからギターボディの裏面。膝と胸にあたる部分にコンター付けてえぐるように削った。これも軽量化と、それ以上にカラダへの当たりが優しくなって、すごく疲れにくくなった。ストラトボディの裏側みたいな感じに削ったのも、手持ちの木工ヤスリ(100均の!)で粗けずりして、あとは紙やすりで仕上げたんだけど、思いの外きれいに整形できた。
さらにカッタウェイ部分も裏側は丸く削り込んで、左手への当たりを柔らかくした。
この作業で、許容できる重さ、長時間抱えていてもカラダが痛くならないギターに生まれ変わった。
その他の作業では・・・
・19フレットから上のフレット高調整
これは自分のミスで・・・最初にネックをボディに取り付けた時、切掛け部分のサイズがギリギリで、それでネックに当て木してからプラハンで叩いてボディにはめたんですよ。それでそのときに19-21フレットの1-2弦部分がちょっと沈み込んでしまったみたい。
そのせいで、1弦が19-20フレットへ移っても弦高が低いと音程が変わらない、ビビリ音が出る・・・そんな症状が出てしまってた。それで少し弦高を高めにして使っていたんだけど、それだとやっぱり弾きにくい。
なので該当箇所のフレットの特に21-22フレットにかけてすこし低く削って、弦高を下げても正常に機能するように調整。
ほんとはフレット打ち直すのが正解だと思うんだけど、そのためにフレットを抜くヤッコとか買うのもしんどいし、そもそもフレット調整って上級者ネタだしね。
・ペグ交換
もともと中華安物のゴトーフルコピー品を使ってたんだけど、トルクのかかりが不安定だったり、回しているときの反力も一定じゃないという、さすがの中華クォリティでした。これをちゃんとゴトーに変えた。さすが、ゴトーのフルコピー品だけあって、取り付け用の穴、固定用のビス位置、すべてそのまんまで、かんたんにゴトーのペグに交換完了。
チューニングのしやすさ、安定感も全然違う。耳のいい人なら音の違いもわかるのかもしれないが、僕はそこまでわからない。
・エンドピース交換
ギズグビーから一転、シンプルなものに変えた。アルミ・樹鉄・ステンレス・・・いろいろあって音質にも影響するところではあるけど・・・一番オーソドックスで安いので決まり。今回PUも回路も変わったので、音の違いはわからない。でも弦の張替えは圧倒的に楽になった。
というわけで、かなり苦労したけど、結果的にはきれいにできたと思う。
前の青い色自体はきれいなんだけど、MV撮影するとどうしても暗めに映るので、今回明るいグリーンも入ってそこもこれから効果が見えるんじゃないかな。
ビフォー:
アフター: