UC(潰瘍性大腸炎)1年経過のまとめ

UCを発症して、入院・退院して1年ちょっと経過

過去の日記記事を時系列に整理した、自分用メモ

 

2012-10-10

従前からの持病の腰が、腰椎椎間関節炎で悪化。ゆるいぎっくり腰のような不快感や痛みがひどく整形外科へ。8日間欠勤したが治らず。以後、整形外科で処方された鎮痛剤を服用。但し「元来胃腸が薬に対して弱く、鎮痛・解熱剤等による胃あれが起きやすいので、胃に負担の少ない薬を希望」した。

 

2012-11-09

土曜日出勤中、朝服用した腰の鎮痛剤のためか、気分が悪く顔色が土気色に。急性胃炎の症状になり早退。帰宅してすぐに嘔吐。この直後、午後からひどい下痢・下血が始まる

UC発症20-30分毎にひどい下痢症状。就寝後も40-60分毎に下痢で目覚めるため、結果的に眠ることもできなくなる

 

 

2012-11-10

翌早朝に地域の県立総合病院の救急外来へ。1時間半ほど待たされ、座っているのも辛いのでストレッチャーを貸してもらい横になって待つ。

ノロウィルス、O157等の感染性下痢を疑われ、血液検査・便検査の後、下痢が続いているため点滴処理。数時間点滴の後、血液検査の結果は11/15に出るということで一旦帰宅。しかし下痢は引き続き30-60分に1回ほどのペースで続いており、食事もできていないことからこの時点ですでに下痢というより下血ばかり。ちょうど赤ワインソースのような液便を噴出するような状態。

 

2012-11-14入院

下痢・下血がひどいままのため、検査結果も待てず、再度救急外来へ。初回血液検査では感染性ウィルスや細菌などはみつからなかったとのこと。念のため、アメーバ赤痢等の確認も必要とのことで、再度血液検査。結果はまた数日要するとのこと。

 

この間も下血が続いているため、このまま入院となる。感染性症状を疑われていたため、個室病室に入院。

 

2012-11-19:入院中

いまだ、病名特定されず。

下血も20回以上/日とハイペース

発熱も37度~38あり、アイスノンを使用。解熱剤も点滴の合間に何回か静注(食べ物を食べていない為、胃のあれる薬が飲めないから)。

 

2012-11-25:入院中

絶食15日目。

病名がUC、潰瘍性大腸炎という特定疾患に指定されている難病であると確定された。

診断手順としては正しかったであろうが、2段階にわけて実施された血液検査は、培養結果をみるまで凡そ2週間ちかく時間がかかり、結果的にその時間に大腸内の炎症が全域に広がってしまい、劇症化したと考えられる。

「下血の症状もひどく、腸閉塞や腹膜炎など、二次障害の危険性があるので、緊急外科手術による大腸全摘出も覚悟せよ」と医師から告げられたが、人口肛門の不便さ、また摘出しても病理を根治するわけではなく、「気力で大腸狭窄など起こさないよう頑張るので、大腸摘出は避けたい」と希望は伝える。

 

 

 

2012-12-02:緊急処置室

失血性ショックで意識失い倒れる。半月近く下血が続いていたが、これまで輸血は無し。毎日の血液検査で成分状態は輸血を要しないという判断だった。しかし病室でトイレ(下痢)へ行こうとベッドに座り、姿勢が立ったとたんに血の気が引いてたちくらみの気配を感じた。また下血寸前だったので、倒れることも予想しつつ病室内トイレ(個室なので)へ掴まり移動、便座に座って血液噴出直後に意識が落ちた。これを予想していたので、座ったまま前方へ体が崩れ落ちるときに非常用コールボタンを押して意識を失った。

意識が戻ったのはストレッチャーに乗せられて緊急処置室へ移動中の時。天井が流れ、医師や看護婦が覗きこむ景色がうっすら見えた。医師が看護婦さんに「ご家族は?すぐに呼んで」とか、テレビドラマのようなやりとりをしているのが聞こえた。

緊急処置室に運び込まれ、尿管やら呼吸管やらいろんな管が体のあちこちに挿し込まれていく。バイタルモニターが読み上げられているのを聞いていると、血圧は65-30ほどだったのが、80-50と低いながらもやや回復の兆し・・・あれこれ注射などされていたが詳細はわからなかった。処置後に病室に戻り、はじめての輸血。

 

数日は絶対安静で完全介護状態。30分に1回ペースで下血は続いている。が、寝たきりのため、下血2回に1回のペースで看護婦さんにおむつを交換してもらう・・・毎回変えたほうがいいのかもしれないけど、そうなると看護婦さんも忙しいし、僕自身、休みなくおむつ交換されているような状況になってしまうので、ちょっと遠慮した。

 

2012-12-04

絶対安静中。血圧は100-60代前半でやや低め。血中酸素濃度は問題なし。体温は37度~38度。

ASA製剤(ペンサタ)、ステロイドは最大投与量ステロイドと抗生物質は静注で投与。下血の頻度は落ち着きつつあり、10回弱/日位か。

食べ物は相変わらず一切口にできず、栄養補給は点滴のみのまま。24時間、点滴のパックを何種類もとっかえひっかえ挿しっぱなしの日が続く。

 

2012-12-05

下血トイレ頻度が数回/日に落ち着いてきた。

 

2012-12-06

今日から点滴に加えて、消化栄養剤エレンタールを併用開始。完全な液体とはいえ、やっと味のするものを口にすることができる。

 

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LCAP治療も2回め。初回は腕から腕へとバイパスしたが、今回は太ももの付け根の大静脈狙い。穿孔困難で小一時間ほど、血まみれになって五寸釘のような針の抜き差しに耐えた。途中から局所麻酔も切れていて、痛かった。麻酔が切れて30分ほどした頃、やっと1人が「痛くないですか?」って・・・痛いに決まってるじゃん。我慢してるけどさ(*_*)

血液を体外に出して、活性化した白血球だけを除去して、また血液を体内に戻すという処置。途中で下血しそうな予感があったけど、動けないし、おむつしているからと諦めて臨む。

 

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処置時間はだいたい90分程度か。ストレッチャで透析室へ連れて行かれたが、処置中は血液が体外へ出るせいか、カラダがこわばるほど寒く感じる・・・電気毛布をかけてもらってやっと落ち着く。

 

2012-12-07

LCAP3回め。今回ははじめてスムーズにできた。

 

2012-12-08

絶対安静解除

尿管やら管をあれこれ抜いてくれた。やっと病室内を歩いて、自分でトイレに行けるようになる。

はじめてシャワーに入る。

LCAP、4回め。血圧低め、ステロイドなどの影響か、皮膚もしぼんでいるし、なにしろ下痢下血続きで血管自体もしぼみがち・・・血流が滞りがちで流量確保できずエラーが出るので、LCAPの採血中はずっと片手にゴムマリを持って、手のひらでグーパーグーパー続けて血流を促さないといけない

 

2012-012-09

初お見舞いで、レース仲間から寄せ書きが。

また、LCAPも予定外だったけど、実施。5回め。

 

2012-12-10

流動食スタート。エレンタールも併用。

半分食べたら、ギブアップだった・・・ずっと絶食していたから、やはり急には食べられないのかも。

 

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2012-12-11

LCAP 6回め。下血頻度は5~8回/日ペースに下がってきた。ただ、日によっては未だに20回近く下血している。

 

2012-12-12

大腸内視鏡検査1回め

症状が落ち着いてきたため、やっと内視鏡検査。

ところがはじめてすぐに医師が「これはひどい・・・あたっただけで破れそうでこわい」と。内壁に触るだけで出血するほどなので、あまり奥まで入れずに早々に検査終了。画像を見せてもらったが、確かにひどかった。

 

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 施術時はいつも医師と同じモニターを見せてもらい、疑問はすぐに医師に聞いて説明を受けながら。それがいきなり「これはひどい」とか「カメラいれるの、こわいな」とか言うから・・・全部、聞こえてるんですが^_^;

 

 

2012-12-13

ステロイドに加えて、免疫抑止剤(アザニン)の服用開始。ステロイドはあまり長期服用をできればしたくないということで、ステロイドを少しずつ減らして、副作用の少ない免疫抑止剤へ切り替えを進めるということ。

出血はかなり治まってきたが、炎症反応はいまだに強いとのこと。

 

2012-12-20

下血頻度は数回/日ペースに落ち着いてきて、血便の色も以前の真っ赤、鮮血状態からはやや濃くなってきた。出血量が減ってきているのがわかる。

とはいえ、たまにひどい日だと15回/日なんてのもあったりするので、まだLCAPも薬も減らせない。

 

 

2012-12-21

点滴を刺せる場所が無くなってきた・・・

血管までしぼんでいるし、時々うまく点滴も入っていかず、血が逆流してくる。皮膚もしわしわ。

 

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2012-12-22

脂肪分点滴のために、点滴用ポンプをはじめて使用。脂肪分点滴は、液剤そのものの粘度も高いので、なかなか静脈に入っていいかない。だから1パック入れるのに数時間は最低でもかかる。途中、流量も下がって止まってしまうことも多かったので、看護婦に相談したらこのポンプを持ってきてくれた。最初から使ってくれればいいのに(*_*)

 

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体重50kgまで激減。自分の脚力で立ち上がれず。床に落とした歯ブラシを拾おうとした時、何かにつかまり立ちしないと立ち上がれないことに気づいて愕然!

 

 

2012-12-24

クリスマスディナーは・・・流動食

しかしはじめて固形物(煮豆腐)が!今思い起こすとすごい薄味なんだろうけど、この時はほんとに醤油味がして、塊を噛んで食べるという行為がすごく幸せに感じられた。

もっとも、豆腐以外は相変わらず液体ばかり・・・

 

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2012-12-25

LCAP 7回め。点滴はいよいよ刺せる場所が無くなった。内出血痕と、しぼみきってシワシワになった腕・・・

 

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2012-12-28

流動食から低残渣食へステップアップ

NST(栄養・病院食検討チーム)と食事の相談も。事前に質問・希望を準備して相談に臨むので、NSTの栄養士さんたちとすぐに良好なコミュニケーションがとれるようになった。

入院中の食べ物は重要でもある一方、カラダは動かせない中での1日三食だから、だんだん飽きて食べられなくなってくる対策も、専門家にわかってもらわないと始まらないからね。

 

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2013-01-02

LCAP(8回め)相変わらず、電気毛布は必需品。

 

2013-01-03

食欲が出てきた。

病院内の食堂で月見うどん。発症後、はじめて普通の食事を(こっそり)食べる。実はまだ許可はされていなかったけど・・・病院内をリハビリで歩いていた時に、食堂のメニューは事前に調査済み・・・食べても支障のなさそうなメニューがこれだけだったので・・・

それに、こういうのを食べて不具合が出たとしても、病院にいる間ならまだ安心できるから。先行テストのつもり。

 

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病院内の階段を上がり下りして、自主リハビリも最初は階段2段で動けなかったのに、最近はなんとか2階くらいは登れるところまで頑張った。退院に備え始める。

 

 

2013-01-06

大部屋へ移動。内科病棟のせいか、夜通し呻いている人やナースコールする人が多くて、落ち着いて眠れない。

 

2013-01-07

予定では1月中旬の予定だったけど、大部屋がかなり騒々しいし、医師に許可をもらって早めに退院し、自宅療養へ。

 

2013-01-09

LCAP治療(9回め)で外来治療

 

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2013-02-04

外来検査。

今後の炎症反応によってはレミケードもあるがどうするか問われる。

今後の再発劇症時のために温存して、今は現状までの投薬にすることとした。

 

 

2013-02-12

血液検査結果。長いこと薬漬けなせいか、肝機能の数値はまだ高い

アザニンは2錠へ、ステロイドは7.5mgに減らす。アサコールは9のまま。

 

 

2013-02-22

ウォーキングリハビリ等、自宅療養中に自主的に行う。

体重はV字回復。ただし、脚力や持久力、筋肉は戻らず。

食事はまだ、朝のお粥から始まって、それ以外でも消化の負担の少ないもの中心。うどんもよく食べる。一方、カレー、キムチ、焼き肉など、刺激や脂肪分の強いものは我慢している。

 

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2013-03-11

外来検査。血液検査では肝機能の数値に改善は観られるがまだ高いそう。

ステロイドを今後2mg1mgと減らし様子を観ることに。

胃腸用に漢方薬大建中湯を追加。

下痢頻度は3~4回/日平均くらいに落ち着いている。ばらつきはあれど・・・

 

2013-03-20

ステロイド離脱症候群?疲れやすい

60mg504030201512.5107.55432mg・・・そして今週が1mgまで減量。来週1週間はステロイド剤の服用を止めて炎症が再活性化しないかどうか検査する予定。
ステロイドの副作用と、下痢下血による皮膚の萎縮・シワもすこしずつ改善が見える。

 

 

2013-04-01

大腸内視鏡検査2回め

大腸内粘膜の潰瘍はかなり小さくなってきた。がまだ下腹部の痛み等は時々でる。

 

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ステロイドは1週間前からゼロに。アザニンは継続服用。肝機能の数値ではγGTP以外は基準値内に収まる。

そろそろ復職も考えざるを得ないので、それを前提とした治療方針を相談。

 

 

2013-04-05

ちょっと活動すると非常に疲れやすく、そういう時は腹痛や軟便になる。日に1回はおかゆを食べたり、エレンタールを併用。

 

 

2013-04-17

大腸内視鏡検査3回め

 

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内視鏡検査では、再生が始まっている様子。生体検査は結果が出るまで数日かかるとのこと。

レミケードについて話し合う。

 

 

2013-04-24

生体検査の結果も、炎症は抑えられているとのこと。

レミケードについても再度相談。

以後は月1回の検査通院となる。

 

 

2013-05-01

復職

 

2013-05-11

突発性頭位めまい症

翌日早朝、救急外来へ。UCとの関連性は無い。数年前に一度発症したことがある。

投薬治療のみ。

通常の下痢頻度は2~3回/日まで改善されている。軟便気味だけど、以前のような水下痢・鮮血というのは無くなっている。

 

2013-06-11

自主リハビリのウォーキングなど継続。

まだ非常に疲れやすく、自宅にいるときはよく寝ている。というか、いくらでも眠れる。

下腹部の痛みやしぶり腹もまだしばしば感じる。

 

2013-08-06

下痢回数が増える。嫌な予感。

 

2013-08-11

退院後はじめての他頻度下痢・・・朝食にエレンタール復活。

1週間、自宅静養することとした。

 

2013-08-16

嫌な気配は収まって、下痢回数も落ち着いてきた。

 

2013-09-09

五十肩!人生初めての発症。UCと直接関係はないが・・・入院中に体幹から筋肉が削げ落ちた為、肩の関節を中立に保持する筋力がなくなったことが原因の可能性高い。

この五十肩にかぎらず、入院中の体力低下による二次的な不具合があちこちに出るようになっていて、これらも案外厄介な問題・・・

体調が回復していないだけでなく、年齢的にも回復に時間がかかるわけで、かなりの長期戦にならざるを得ない・・・(T_T)

 

2013-09-16

退院後、初ステーキ。おいしく食べられた。でもまだ連戦は無理そう。

 

2013-10-01

ついに、転職。

 

2013-10-21

退院後の断酒、継続中。酒も僕の場合、飲むと下痢しやすかったし・・・

もともと、味は好きでも酔うのが嫌い(酔っている時間がもったいない)だったから、まぁいいか。

 

2013-11-05

大腸内視鏡検査 4回め

次回内視鏡検査は1年後を目安に続けなさいとのこと。

 

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2014-01

下痢回数が7/日と増える。

この後凡そ1ヶ月、しぶり腹、多頻度下痢気味で体調優れず。症状の引き金になるのが何か、特定はできないんだけど・・・基本的に休養を頻繁に入れている方が、不具合は出ない確率が高いってのは退院後これまでの経緯からなんとなく見えてきた。

 

2014-02-02

起床時から目眩。吐き気を催すほどではなかったので、出勤し、様子見。多分、UCとは関係ないように思う。

 

2014-03-03

中部病院、ここまでの主治医による最後の診察(転勤)。

炎症活動は落ち着きがみられ、症状に波はあるが、今後も寛解維持が治療の中心。

アザニンやアサコールは、今後1~2年後に減らせる可能性は充分あるが、あまり止めたり服用したりを繰り返すことは望ましくない薬と病気なので、減らす際は慎重にあたること。次にひどい症状が出た時に、効き目が落ちてくることがよくあるため。

また今は問題ないが、UC寛解後10年ほどすると、大腸がんのリスクが統計的に高まるため、年1回は大腸内視鏡検査を続けるようにとのお達し。

 

 

 

 

 

11月入院費:約29万円

12月入院費:約188万円

1月入院費:約30万円

 

LCAP白血球除去治療 14万円/回 ☓ 10回。

 

レミケード 11万円/本 体重60kgなので、33万円/回相当。

 

 

 

 

参考サイト

JIMRO IBDとは?

https://www.jimro.co.jp/ibd/01kiso/1.htm