港町食堂 The Dining(北谷)
以前このブログでも紹介した、
那覇市港町にある、ほんとに港の中にある洋食堂「港町食堂」
http://macangel.sblo.jp/article/101048367.html
そこが今度はこじゃれたデートタウン北谷に、レストランをオープンしました。
「港町食堂 The Dining」
両者に共通しているのは、料理はしっかりした修行に裏打ちされた本格派であること。
それからオープンキッチンで仕事場を観られるようにしていること。これは職場をきちんときれいに使っていること、仕事振りを観られても大丈夫という自信があること、こうした基礎がないとやりたくないですよね。
価格はさすがに店構えも場所もコストがかかるところなので、元祖港町食堂よりは少々高くなっています。が、それでも料理人の腕からしたら妥当だとはいえるでしょう。むしろ、メニューによっては、割安な価格を打ち出している点も、元祖「港町食堂」と通じていると思います。
那覇の店では、脅威の安さで本格的なシチューをいただきましたが、今回はオープン後まだ日も浅い中、那覇の店との比較のために同じくシチューをオーダーしてみました。
ランチ時に訪れた店内は満席。どうやらこの日の新聞でも紹介されていたようで、とにかく30代から上の女性客が9割。僕はまだ12時10分くらいに入店したのでなんとか待たずに席に付けましたが、以後に来た客はどうやら待たされているようです。
店内のスタッフは、白シャツまたは白ブラウスに、黒のズボン、スカート、黒革靴と、洋食レストランの正装のいでたちで、沖縄のこの手の路面店としては頑張っています。私服やそれに近い、色も褪せてきたようなポロシャツで給仕される店、多いですもんね・・・
ただ、とにかくオープン間もないからなのか、沖縄に非常に多い、低いサービス意識故なのか、どうも店の意図ほどにはスタッフの動きは良くなくて、チグハグ・・・
テーブルに案内したはいいが、水は全然出てこなかったり・・・となりのテーブルではパンを頼んでいたのがライスが出てきたり・・・
僕自身は、オーダーは入店前から決めていたので、最初にテーブルに案内された際にシチューをオーダー。こういう状態で予想外に待たされることを嫌というほど冲縄では経験してきたので・・・
これが正解で、僕の料理は10分と待たずに出てきました。
那覇の店よりも価格も高いだけあって、皿や盛り付けもちょっとレストランらしくなっています。ビーフのボリュームも少し多くなっていると思います。ビーフはもちろん、那覇と同じ。一口サイズよりやや大きめで、たっぷりしたサイズのビーフがナイフを入れると繊維もあらわに崩れるように切り分けられる。
味はまさに那覇で感動したあの味・・・なんですが、供された時点で既にちょっと冷め始めていて、熱々ではなかったのは残念。
実は僕はライスを一緒にオーダーしていたのですが、おそらく隣のテーブルに出たライスが僕の分だったんだと思います。そのほぼ同時期にこのシチューも厨房では用意できていたのが、オーダーの入れ違い等もあって中に浮き、少し時間を空けてしまって冷めちゃった・・・って感じ。
更に料理が出てくるまで水も出てこないし、ライスは最後まで出てこなかった。(*_*)
それはメインディッシュであるシチューが出てきた時点で、パン皿もライス皿もテーブルにないんだから、プロなら即座にきちんとすべての料理が出されていないことに気づくものなんだけど・・・こういうところが本当に弱い人が多い。
店内、満席とはいえ、それこそ本土の都会の人気店と比べればちょうど席が埋まっただけで、それはむしろ基準値レベル。その程度の人の入りで、もうスタッフは気持ちだけから大慌てで、もうミス・見落としだらけ。
この程度の入りなら、いや、むしろプロなら、混んできた時にこそ、目配り・気配りで先を読んて効率よく動くべきなんですが・・・こういうのは苦手というか、そういう店やスタッフの動きを見たことがほとんどないんでしょうね、人生経験を通じて。
このパターンで一番腹立たしいのが沖縄の場合ファーストフードの店頭なんだけど、それはまぁ置いときましょう。
というわけで、スタッフの動きが残念だったこと、メインディッシュがやや冷めていたこと、ライスが最後まで出なかったこと・・・を除けば、やはりこの港町食堂は沖縄で貴重な正統派洋食のレストランです。
因みに、最初に出てきたスープはこちら。コンソメでした。
お味は普通にコンソメの元を使っていると思います。塩気もしっかり効かせた、はっきりした味。それに野菜などを足していて、味のタイプとしては普通のコンソメの範疇です。いわゆる牛骨から煮だすような本物ではないですが、それはこの価格帯ではぜったいにムリですんで、問題なし。
むしろ、本物のビーフコンソメを知らない人が多い筈なので、本物出したら逆に「味がおかしい」とか文句がでるかもしれない・・・(^_^;)
次に出てきたサラダがこちら。那覇の店では小さなボウルに入っていたのが、やはりやや高価格なこと、おしゃれな場所のレストランということか、平皿に盛られてきました。
ランチではドリンクも付いているので、アイスティーはこちら。
繰り返しになりますが、冲縄は他県と地続きでないばかりか、他県との距離自体がかなり離れています。また地域の特性として、親が子離れせず、当然、子も親離れせず、とにかく近いところにお互いいることを優先する文化がまだ強く残っています。そのため、本格的な修行をする機会が少ない。また、食材も空輸すると余計に高くつくことなどもあって、ある程度のレベルで賄う、あるいは地元の素材で代用するということもやむを得ません。また、修行しても、ちゃんとした素材を使っても・・・それはそれほど評価されず商売として成り立ちにくいのも冲縄(特に那覇を除く地方)。つまり地域の経済力と、地域の人の慣れ親しんだ食の環境からくる味覚。これが、ホンモノがない分、ホンモノの味を知らず、なんちゃって料理の方が美味しいと思われてしまうという二重三重苦的な悪循環・・・
こうした事情もあって、本格的、ホンモノというのが非常に少ないです。もちろん、冲縄風にアレンジされた料理の良さもあるので、それはそれできちんとした腕とセンスをもって作られていればいいんだけど、そこまで行っている料理人や店がとても少ないのです。だからこそ、この港町食堂の味は冲縄で貴重だと、自信を持って繰り返します。
自分のブログに「自分視点の・・・」と断り書きしていますが、こんな背景もあって、僕自身はホンモノや、まじめに修行されている料理人や、向上心のある職人への尊敬の念をもって、そういう店を特に探し求めて、また応援したいと思って、こんな(人に嫌われるかもしれない)ブログ書いています。僕と同じ思いで、良い店、ホンモノが評価される状況が増えてほしいと思っている人たちの参考になったらうれしいな・・・と。
港町食堂 The Dining
http://tabelog.com/okinawa/A4703/A470304/47014800/