プロフィールにも書いてあるとおり、僕は1979年から1986年末まで、アメリカの田舎、イリノイ州のMacomb(マコーム)というところで留学・生活していました。この8年弱のあいだに、3.5往復のアメリカ大陸横断や、メキシコ最南端の国境を超えてBelize(ベリーセ)という国まで、自分で運転して走り回ってました。とにかく広いので、一人ドライブだと1日平均800-1000マイル(1600km)くらい走る。最長不倒距離だと、1日26時間連続で走り通して2050kmというのもありました。まぁこれは、カリフォルニアからイリノイへ帰る途中で有り金を使い果たし・・・ガソリン代はおろか、宿泊費や食費も無くなっちゃって、ガソリンが持つセントルイスまで連続で走るしかなかったという、いかにも貧乏留学生らしいおバカな理由からでした。なぜセント・ルイスかというと、そこに友だちの友だちが一人住んでいて、そいつの寝起きを襲って、自宅まで残り200マイル分のガソリンと、食事代を借りようという、まことに自分勝手な理由でした。結局、そいつも銀行に15ドルしかもってなくて、その半分の7ドルを借りて、なんとか自宅に帰れた次第・・・

 

で、その住み慣れたマコームで、時々イベントがあるわけですよ。今回はそんなイベントの一つ、旧車のコンクールの写真を古い写真の束から見つけてきたので、覚えている範囲で説明書きながら、貼っていきますね。

 

Macombは人工3万人ちょっと。そのうち16000人が、州立大学の学生と教員などのスタッフ。残りが地元の大規模とうもろこし農家という、筑波学園都市をもっと広大な田舎にしたような町です。位置はだいたい、シカゴとセント・ルイスの中間くらいで、交通はほとんどクルマ。東西南北に州道が走っていて、どの方角へいっても、およそ100km、1時間走らないと、次のマクドナルドは出てこない、とにかくだだっぴろいトウモロコシ畑に囲まれた平坦な町。

 

アメリカの多くの町がそうであるように、マコームも町のセンターにシティホールという市庁舎と裁判所が入っているクラシカルな建物があり、それを囲むようにダウンタウンが形成されています。ちなみにこれがシティホール。

 

s_IMG_3813.jpg

 

映画「Back to the Future」で、主人公が時計台に登って、落雷を捕まえる電線をひっかけてたシーンがあったけど、あれもおそらくシティホール。

 

で、この周りに商店が並び、けっこうひろい路上駐車場があり、隣のブロックが公演になっている。今回のイベントはその公演が会場です。

 

2015年03月15日20時52分23秒0021.jpg


 

ところでMacomb、夏は35度以上で湿度もあがり、風もなく、けっこう蒸し暑い。でも冬は気温マイナス20度で、カナダ方面(五大湖の上から)吹き下ろす北風が強くなり、体感温度はマイナス30度はあたりまえ。マイナス56度まで体験しました。しかし、人は慣れる・・・まぁ、アメリカは世界一一人当たりエネルギー浪費量が多い贅沢病の国なので、家の中は学生用のアパートといえども、セントラルヒーティングで半袖Tシャツ1枚で大丈夫なんですけどね(^_^;)

 

話しをもとに戻しましょう。今回紹介するイベントは、コンクール・デレガンス。旧車の美しさ、希少さを競うコンクールです。

 

とはいえ、なんたって田舎ですから、ブガッティ・ロワイヤルとか、とんでもないヴィンテージなのはないんだけど、その分、他じゃ観ないようなクルマも多くて、それなりに楽しめました。

 

例えばこんなクルマ。おそらく1930年代前半のFordのコーチ。

 

AmericaPhoto10Jweb.jpg

 

なかなかキレイにされてます。この頃から、ややオーバーレストレーションといって、当時のリアルな状態よりも厚めにクロームメッキを乗せて華美な感じにするやり方が流行りだしてるので、ここでもその傾向はちょっと見えますな・・・

 

2015年03月15日20時52分23秒0031.jpg

 

エンジンルームの中もピカピカ。コイルにビール缶(イリノイ州なので、バドじゃなくてBushね)巻いてるところとか、田舎趣味ですなぁ~

 

2015年03月15日20時52分23秒0030.jpg

 

アメリカン・グラフィティにでてきそうなやつも、ちらほら・・・

 

s_IMG_3808.jpg

 

人気の高いコルヴェットも。1966年あたりのかな・・・

 

s_IMG_3817.jpg

 

インテリアもキレイ

 

s_IMG_3812.jpg

 

クルマのトランクって、ほんとにトランクを背負っていたんだよね。

バックシャン!

 

s_IMG_3816.jpg

 

このあたりまでが、アメ車が一番輝いていた時期でしょうね。1960年代後半の1台

 

s_IMG_3818.jpg

 

こいつは、シボレーのルイズタウンのエンジンルーム。

 

s_IMG_3819.jpg

 

これは・・・なんのクルマかわからないけど、なんか1980年代に作られたレプリカ、またはクラッシック風の新車にも見える。

 

s_IMG_3820.jpg

 

そしてスチュードベイカー。当時はあまりカッコいいって思わなかったけど、今見ると、独特の時代感があって、いいなぁ。

 

s_IMG_3822.jpg

 

こういう訳解んないのがでてくるのも、田舎のショーのゆるいとこでおもしろい。蒸気エンジンによる消防ポンプ車。

 

s_IMG_3821.jpg

 

数は多くないが、欧州車の古いのももちろんいる。よく観たのは、Beetle、トライアンフのTR6、そしてこのアルファ。

 

s_IMG_3815.jpg

 

アメ車に比べたら排気量なんて1/5くらいしかないよね。ちっちゃい。

 

s_IMG_3814.jpg

 

こっちは当時僕が乗ってた、初代RX7。40万キロくらい走ってる。

 

AmericaPhoto12Jweb.jpg

 

シティホールや、公演の周りに路駐して、公園内の展示車両を見て回る。東京モーターショーなんて、人の後頭部しか見えないし、写真撮ろうにも、クルマ以外の余計なおっさん、女性がかぶさって、ほんとに見づらいけど、ここはガラガラ(*^^*)

 

Macomb夜景01Jweb.jpg

 

そもそも、このあたりに、路上のパーキング・メーター以外に有料駐車場なんてないしね。

とまぁ、こんな感じで、1984年の夏のある日をすごしたのでした。

 

2015年03月15日20時52分23秒0029.jpg

 

まだ大学の授業ものんびりやってたころなので(7年大学にいた)、ゴルフだバスケだと、運動三昧だったので、わりと健康的だった頃。