先日、ネットで注文していた精密ヤスリのセットと弦高スケールが届いたので、ギター製作最後の仕上げ、弦高調整とオクターブ調整にはいる。弦高はナットとブリッジの高さを各弦ごとに測っては調整で削ったり、ブリッジのスクリュー回して弾きやすい高さを探っていく、地味な作業。

 

でだ、弦高スケールを最初使ってみたんだけど、今や老眼のせいで正直、使いにくい・・・(T_T) 老眼鏡かけてもよく見えないんだよね。それで結局、もともともってるノギスの登場。

 

IMG_3873_ノギス2.mm.jpg

 

ちょっとピンぼけで見え辛いけど、これ、今自分で一番弾きやすいFernandesのストラトの3-4弦間のナットの高さ。約2.05mm。6弦側でも2.1mmほどなので、けっこう低くセットされている。これを参考目標値に、無加工状態だったナットを少しずつヤスリで削っていく。

ちなみに作業前に測ったら1弦側も6弦側も3.1mmあったので、キットの初期状態だとマージンとってだいぶ高かった。

 

というわけで作業中・・・・・

 

IMG_3867_弦高調整中.jpg

 

まずはナットをフェルナンデスに合わせるようにちょっとずつヤスリがけ。最終的に6弦側で2.15mmくらい、1弦側で2.1mmまで低くした。この時点で弦が収まるスリットは、1弦、2弦はほとんど消えてしまったので、やはりだいぶ弦高は高かったと思う。

 

なので、ナット高を揃えたら、こんどは弦のスリット、溝切りにはいる。ここで・・・最初は精密ヤスリの一番薄いので位置決め程度に削って、そこに弦を入れて弦高を試す。試し方は、溝に弦を入れたら、ある程度テンションをかけて、開放弦、1フレット、5フレット、12フレット、20フレットあたりをそれぞれ押さえて、ビビリが出ないか、押さえやすいか試す。ほんとは、フレットの高さを揃えてから、フレットトップと弦の隙間を測って、開放弦から高音フレットまでの弦高を出すのが正しいんだと思うんだけど、これが老眼のせいで思いの外辛い・・・なので、いちいち削っては弦にテンションかけて、ギター構えてフィンガリングしてみて・・・また削るを繰り返す。

 

ここでも一つ気づいたというか、実際やってみたら・・・溝切りは浅ければ精密ヤスリだけでもいいけど、1mmを超える深さにする場合は、精密ヤスリだけだと溝の幅が広くなりすぎて、ヘッド側で弦が共振する可能性が出てきそうってこと。それで途中から、一番薄い金鋸の刃を使って溝を切り、溝の浅い部分だけ精密ヤスリで形状を整えるやりかたに変えた。4-6弦は弦の太さもあるので、ナットもそれなりの深さの溝切りになるので、ここは先に気づいてよかった・・・

 

ナット側の溝の深さは開放弦と1フレットの押さえやすさで大まかに決められるけど、5フレットから高音域はブリッジの高さで主に調整した。正しいやり方はわからないので、たぶん、これでよかろう的なやり方だけどね・・・

 

というわけで、ナットを削る前、ビフォーはこれくらい高くて角ばってた。

 

IMG_3869_ナットBefore.jpg

 

それが、これくらいの低さになった。写真だとわかりにくいけど、実際みた感じ、かなり低くなったと思う。

 

IMG_3871_ナットafter.jpg

 

でもって、ブリッジ側の高さ調整。これはチューン・O・マティックだから、マイナスドライバー1本で6弦側と1弦側の高さを調整するだけ。ただ、いちいち弦をゆるめて上げ下げするから、何度も弦を巻いたり緩めたり繰り返して、その都度高さを確認する作業

 

IMG_3872_ブリッジ調整.jpg

 

弦高が6弦とも調整できたら、こんどはオクターブ調整。これは弦高調整前にもやってあったので、弦高が変わったことによる変化も少ないので、微調整という感じ。ブリッジ高と同じく、チューン・オー・マティックなので、ブリッジ側のオクターブスクリューをマイナスドライバーで調整する。

 

これで弦高・オクターブともに調整がすんだので、弦を元に戻すまえに、ローズウッドの指板を楽器用のレモンオイル染み込ませる感じで拭き上げる。

 

IMG_3870_指板にオイル.jpg

 

弦をちゃんと張って完了!

トレモロ・ユニット付きなので、調弦してから弦が安定するまで、しばらくチョーキングしたり、アーミングして、またチューニングしてを繰り返す。ある程度弦が伸び切って落ち着いてきたところで、今日の作業終了。

 

IMG_3876_完成全体採用版.jpg

 

今回、初めてギター製作キットを購入して、もちろん組み上がるであろうことはわかっていたけど、ちゃんと音楽制作に使える音のギターになるのか?フレット音痴な楽器にならないか?塗装がださくて愛着が持てるような見た目になるのか?失敗したら高価な粗大ごみになるのは絶対マズイ・・・等々、いろいろな不安があったわけですが、なんとか使えそうなギターになってとても安堵しています。

 

こうして自分で作ると、構造や中身もよくわかっているので、今後、ピックアップやペグ、回路内のパーツとか、音の好みに合わせて交換・改造するのもだいぶ敷居が低くできたんじゃないかと思います。

 

中学時代、RCの競技用エンジンボートやっていたんだけど、木工はほんとに急ぎすぎて失敗ばっかり繰り返していたという、黒い歴史があるので、その時の教訓をやっとこの年寄になってから、活かせたのかなって思います。ちなみに中学の終わり頃に初めてかったGrecoのエレキギターを高校時代に改造したんだけど・・・かなり雑な工作で、どんどんグシャグシャになっていったことも・・・・これがその改造ギター。

 

Greco strato.jpg

 

改造箇所は・・・ペグ交換、ヘッド形状変更、ヘッド再塗装、メイプル指板のエイジング加工、ピックガード形状変更、フロントピックアップをハンバッカーへ交換、回路変更してスイッチを3ポジションから5ポジション化、ボリュームつまみをアルミ製のものに交換、その他装飾的な部分。

ネックが細くてとても弾きやすいギターなんだけど、ボディが集積材で、マイナスドライバーでもボロボロほぐれるような、いわゆる大昔の安物だった。だから音色はまぁたいしたことなくて、かといって高価な回路やPU付けてもたいした音にならない筈で、もう弾きやすさだけで高校時代のエレキギターの大半はこれ使ってた。ただライブのときに、あんまり音色がイケてないので、友だちが本番ではレスポール貸してくれて、手元に残ってる学園祭ライブの写真もレスポールで写ってた(~_~)