オーストリアトップワイナリー10社によるワインセミナーに行ってきました。オーストリアワイン輸入専門の ()エイ・ダヴリュ・エイ、西宮市http://www.awa-inc.com/  の主催です。参加費用3,000円でしたが、盛況でした。


昨年、オーストリア大使館からオーストリアをオーストリーと書くように要請が出ていましたが、いつの間にかオーストリアに戻っていました。


はじめに10社の代表による自社ワインの簡単な説明を聞きながらそれぞれの生産者の各1種類のワインを試飲しました。全体の印象として、白ワインは、全て辛口、酸が上品な口当たりでエレガントなのが印象的でした。アルコール13.5~14.6%volと高めであるのにその強さを感じさせないバランスの良さでした。

赤ワインは、ドイツより暖かい故か厚みがあるがバランスがよく、ニューワールドワインと違って伝統を感じる自然な味わいでした。

やはり、グリューナー・フェルトリナーとリースリングの白ワインの安定した風味が一般的に好まれるのではないかと思いました。


エスターハージーのワインhttp://www.esterhazywein.at/
講師の雑記
10社の中で、Esterházyエスターハージー社のワインに注目しました。ブルゲンランドBurgenlandのノイジードラーゼー・ヒューゲルランドNeusiedlersee Hügellandにある生産者で、エスターハージー公爵家が17世紀からぶどう栽培ワイン醸造を手がけてきています。

白ワインは、ピノ・ブラン、ソーヴィニヨン、ウエルシュリースリングの単独またはブレンドで造られています。赤ワインは、ブラウフレンキッシュ、ツヴァイゲルト、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン/メルロなどで、いずれもコストパーフォーマンスの高いものでした。


講師の雑記 フラッグシップワインにテソロ
TESOROという名前の赤ワインがありました。カベルネ・ソーヴィニヨン40%、メルロ40%、ツヴァイゲルト20%。ラテン語で宝物という意味の筈なので由来を聞いてみました。1649年以来エスターハージー家の所有となっているエスターハージー宮殿の一部屋が2002年に宝物殿として一般に公開された時に初リリースされたワインなのでTESOROと名付けたそうです。2005年のラベルには同家の肖像画コレクションの中の一つにある公爵の絵が描かれています。イタリア語辞典を引くと、別に、愛する人・物という意味もありました。さらに、モーツアルトのオペラ、ドン・ジョヴァンニでIl mio Tesoro(恋人を慰めて)というアリアがあると知ると、このワインの風味が一層華やかな感じになりました。2003年ヴィンテージがDecanter World Wine Trophy2004年ものがFalstaff Wine Guide90点を獲得しています。


エスターハージー家にはヨゼフ・ハイドン(1732~1809)が一時仕えていて給料をワインでもらったという話があります。ハイドン没後200年に当たる今年は、同家の私立財団がエスターハージー宮殿のハイドンザール・コンサートホールなどでハイドンの音楽会が催されます。ウイーンから車で30分で行けると聞くと、宮殿にワイン博物館もあるし、美味しいワインもあるし、音楽会とワイナリーに是非行ってみたい気分になりました。ついでに、世界遺産のノイジードラーゼーを見たいし、コウノトリで有名なルストの町も訪れたいと夢が膨らみます。さしあたり、もっと同家の歴史とワインを調べてみたいものです。


アウスブルッフAusbruchについて:

オーストリアのプレディカーツヴァインPrädikatsweinにアウスブルッフAusbruchというのがあり、ソムリエ協会教本には、「樹上で自然乾燥したぶどう、また貴腐化したぶどうを手摘みし、粒を選んで造る。果汁KMW糖度は27度以上。原料の一部に、健全なぶどうを用いることもある。その場合は、同一畑のものでなければならない。」とあります。別の書物で、ハンガリーのトカイアスーと同じ造り方だと説明があったので、醗酵の時に、普通のワインの中にぶどうを入れるのかと思っていました。会場でエスターハージーの醸造責任者に確かめたところ、ワインは使わない、トカイでも次第にワインを使わなくなっているとのことでした。アウスブルッフとベーレンアウスレーゼBAやトロッケンベーレンアウスレーゼTBAとの違いを訊ねたところ、単に果汁のKMWの違いだとの答えでした。同社ではアウスブルッフは造っていない。TBTBAKMWがそれぞれ25度以上と30度以上なので、アウスブルッフの知名度がないことから、TBまたはTBAを造っているとのことでした。なお、アウスブルッフは、ノイジードラーゼー・ヒューゲルランドのルストRust周辺でしか造られないとのことでした。