フランス・タルブ・オート・ピレネーTarbes Hautes-Pyrénées地方商工会議所主催のワイン&スピリッツ試飲商談会に行ってきました。13ブースあり、大部分が日本に輸入エイジェントを探しに来ていました。殆どが真面目に熱心に説明をしてくれる中に売る気があるのか分からない応対をする生産者もおりました。各ブースに一人ずつ優秀な通訳が付いていたのが印象的でした。


試飲した限りで南西地方のワインを総括すると、大変素直に造られていて、飲み飽きがしない、食事と合わせやすいものでした。アルコール度が14%というのもありましたが、この地方は収穫期の日照が多いので補糖はしていないとのことでした。日本での南西地方の知名度が比較的低いのと、この地味な味わいが日本でいま一つ普及しない一因と思いました。コストパーフォオーマンスも良い様だし今後の認知度の向上を期待します。


いくつかのブースで聞いた中で参考になることを書いてみます。

1. AOC Pacherenc du Vic-Bilhの辛口にはグロ・マンサンGros Mansengを、甘口にはプティ・マンサンPetit Mansengを主に使う。この地域は乾燥していてカビはつかないので甘口ワインは貴腐菌由来でない。


2.フェル・セルヴァドゥFer Servadouという黒ぶどう品種は、Gaillac地区ではブロ-コルBraucolと呼ばれている。


3AOC Gaillac新酒には、白ワインと、ガメイのみの赤ワインが認められている。

Gaillac Primeur 2008新酒を早々と飲ましてもらいました。写真の様に、この地方の伝統的な形の瓶でした。ガメイ100%で、アルコール13.5%。カルボニック・マセラシオンをしており、明るいルビー色といい、イチゴキャンディ香、味わいとも昔の懐かしい新酒の味を思い出させるものでした。Domaine de LabartheというAOC Gaillacの生産者のものでした。過去に全フランスの新酒のコンクールというのがあって、このドメーヌのものが3回優勝し、ボージョレの新酒が優勝できないのでこのコンクールが消滅したとの説明を受けました。一度ボージョレ側の説明も聞いてみたいものです。


4. 生ハム:昔ソムリエ試験に生ハムの産地に関する問題が出たことがあります。その時の産地は、フランスのバイヨンヌ、ドイツのヴェストファーレン、イタリアのサン・ダニエーレだったと思います。バイヨンヌ生ハムのブースがありました。バイヨンヌBayonneはバスク地方の大西洋岸の街の名前ですが、生ハム産地は内陸のアドゥールAdour川流域に広がっています。ルイ14世が好んだと言われパリで広まり、バイヨンヌ港から大西洋に出てセーヌ川を遡りパリに届けられたので、この地域全体の生ハムがバイヨンヌJambon de Bayonneと呼ばれることになったそうです。塩味の利いたしっかりした味わいで保護指定地域表示IGPを取得しています。

もう一つの生ハム、ビゴール豚の生ハム、ノワール・ド・ビゴールNoir de Bigorreがありましたが、この方がさらに味がしっかりしていました。値段もバイヨンヌの2倍はするそうです。それでもスペインの上級生ハムよりは安いそうです。ピレネー山麓に棲むフランス最古の豚と言われています。数千年前ピレネー山頂付近に棲んでいた猪が、スペイン側へ降りて混血した豚がイベリコ豚となり、フランス側へ降りて純潔を保った豚がビゴール豚になったという話が地元で語り継がれていると、ブース出展の登馬商事http://www.thoma.co.jp の説明書にありました。もっと注目されてよい食材と思いました