[3] 試飲
同社はスティルワインのAOC Collioureも造っていて試飲させてくれましたが、本稿では割愛します。

(1) AOC Banyuls:16~17% Alc.Vol.
a)樽を充満して熟成させた(酸化を抑えた)Banyuls Rimage 2003、
b)樽を回転させながら滓と触れさせたBanyuls Hélyos 2002、
  a)、b)ともグルナッシュ・ノワール100%使用。
c) グルナッシュ・ブラン70%とグルナッシュ・グリ30% をブレンドしたBanyuls Blanc 2004。

(3) AOC Banyuls Grand Cru:18% Alc.Vol.
a) 甘口のBanyuls Grand Cru, Cuvee Reynal 1995、
b) 辛口のBanyuls Grand Cru, Cuvee Nadal 1995、
いずれも厳選された畑の古樹、グルナッシュ・ノワール100%から樽で長期酸化熟成(樽上面に空間を残す)したもの。

(4) Vin de Pays de la Côte Vermeille, Matifac Rancio sec:14.5% Alc.Vol.
Banyuls Rancioの試飲を希望したら、無いといい、このワインを出してくれました。グルナッシュ80%、カリニャン20%、残糖2.50 g/lの辛口で、屋外にさらした樽で過剰酸化したものです。

AOC Banyuls、Banyuls Grand Cru には上記のように、甘口だけでなく、辛口や白もあり、それぞれ特徴を持っています。全体に上品な香りとやわらかな甘味が印象的でした。日本では、「VDNは冷やして食前酒に、常温で食後酒に合う」と理解していましたが、ここで食中酒としても合うものがあるのが新発見でした。特にBanyuls Rimage は、甘めソースの料理(酢豚などの中華料理、たれをつけた焼き鳥など)、Banyuls Grand Cru Cuvee Nadalは、ソースを付けたマリネーした肉、海老などです。現地では、料理と共にBanyulsを飲むのは普通のことだそうです。やはり甘いデザートや青かびチーズなどには抜群に合う感じです、Nadalは食後のシガーに合うと説明されました。
特に、Vin de PaysのMatifocは明らかにシェリー様のランシオの香りで、この土地の名産物塩漬けアンチョビー、貝類のマリネー、若鶏のシチューなどに合うとの説明でした。

[4] Banyulsの甘辛度
上記Nadalが辛口タイプといわれていますが、残糖は57.50 g/l。他のは、100~120 g/lでした。

[5] Rancio:
輸出ディレクターの話では、ランシオは65リットル樽で室内では4年、屋外では2年以上の酸化を行うが、室内に置いたものの方が味わいは柔らかく高級であるという。
訪問後、コリウールの町中の3軒のワイン屋でランシオを探しましたが、AOC Banyuls もAOC Banyuls Grand Cruもランシオなるものは無いと言って売っていませんでした。ランシオならVin de Paysのものならあると言って上記のVdP Matifocも瓶を見せてくれました。
その後フランス出発直前にパリで会った同社輸出ディレクターの話では、ランシオはAOCにならないで、Vin de Paysになってしまうとのこと。こんなことならVin de Paysのランシオを買っておくべきでした。
ソムリエ協会教本ではAOC BanyulsもGrand CruでもRancioがリストに載っているし、今、混乱している所です。どうも屋外で熟成させたものを特にランシオと言っているような気がしました。もっと調べます。