フードライナー主催の試飲会に行ってきました。Ricasoli社は1141年以来の旧家で、特にイタリア王国統一(1861年)後、首相となったベッティーノ・リカーゾリ男爵が1872年にキアンティワインの品種の配合について提唱したことで有名なので、今回32代目当主Barone Francesco Ricasoli フランチェスコ・リカーゾリ男爵に会えるが楽しみでした。

試飲は、同社のChianti Classico各種、Vinsanto、Grappaまで9種類で、特にChianti Classico類(Brolio Chianti Classico、Castello di Brolio Chianti Classico、Rocca Guicciarda Chianti Clasico Riserva
などクリアーな色が良く出ていて大変バランスが良いのが印象的でした。また、Campo Ceni Toscana IGTはコストパーフォーマンスが良いワインでした。

同氏の説明の中で参考になったものを下記します。

1. サンジョヴェーゼは気候によって成熟が変わりやすい。果皮が薄いので実が詰まっていないものを選ぶ必要がある。収獲時の降雨で実が水分で膨れやすいなど、栽培する人によって差が大きい。
Ricasoliのサンジョヴェーゼ使用のワインは、濃い色、クリーンな香り、タンニンの柔らかなデリケートな抽出で酸とバランスが取れるような近代的な醸造をしている。

2. ワイン造りの一番大事なコンセプトは、食事と一緒で真価が出るもの、飲みやすいものを目指している。

説明の後、Ricasoli氏に個人質問しました。男爵で偉い人なのに、大変気さくに流暢な英語で丁寧に解答してくれました。

1. 先ず同氏の名前の発音について:Ricasoliは、「リカゾーリ」と表記されている記述が多くあります。主催のフードライナー社では「リカーゾリ」と表記しています。そこで本人に直接発音をきいてみました。「リカーゾリ」が正しいそうです。単語のイタリア式発音では「リカゾーリ」と言っても良さそうなのにというと、知らないイタリア人は「リカゾーリ」と発音するそうです。

2. サンジョヴェーゼ・グロッソについて:色々な本の説明で、「サンジョヴェーゼ・ピッコロとサンジョヴェーゼ・グロッソがあり、グロッソは粒が大きい」とありますが、づっとこの説明を疑問に思っていたので、本当の所はどうか聞いてみました。「現在サンジョヴェーゼのクローンは数百種類もあり、接木の台木でもクローンが変わる。リカーゾリ社でも数十種類のクローンをブレンドして使用している。上記のグロッソ、ピッコロの説明は誤りである。何故グロッソの名前が付いたか不明だが粒が大きいわけではない。」と解答されました。グロッソもプルニョーロ・ジェンチーレもクローンの一種なので、数百種類のクローンがある現在、このクローンだけを取り出して話すのは現状に合わないように感じました。

3. RicasoliでOcchio di Perniceオッキオ・ディ・ペルニーチェを造っていない特別な理由があるか聞きましたが、特にない。単に生産していないだけだそうです。

製造している一連のワインは全部クラッシックな感じで、スーパータスカンのように構えたり、高値でことさら高級感をだしたりという感じが無く大変ナチュラルな味わいで、親しみを感じました。長年の伝統の故か、どっしり腰を落ち着けてワイン造りに携わっている姿勢が認められました。

写真は、気さくな感じのRicasoli男爵