コート・デュ・ローヌの名門Paul Jaboulet Aînéポール・ジャブレ・エネの輸出部長Christophe Brunet氏と一緒に会食する機会がありました。 Piper Hedsieck Brutで始まり、同社の下記ワインと神戸イグレックベガの洗練された料理を堪能しながら会話が弾みました。
1. Côtes du Rhône Parallele 45 Blanc
2. Crozes Hermitage Domaine Mule Blanche 2004
3. Côtes du Rhône Parallele 45 Rouge
4. Crozes Hermitage Domaine de Thalabert
5. Hermitage la Chapelle 2003
Brunet氏との会話で幾つかのことがはっきりしました。
1. 以前にも他で聞いていたことですが、「Hermitage、Crozes Hermitage、Saint Josephの各AOCの赤ワインにはルーサンヌ、マルサンヌの白ぶどうを決められた比率まで混ぜることが規則的に認められていますが、現在はこのAOC 赤ワインは全てシラー100%で造られている。」ということを彼も認めていました。シラーと混植されていた白ぶどうが、シラーに植え替えられた故です。このことは、シラー100%ワインのブラインドテイスティングをする時、AOC Cornasだけに頼らなくて良いということになります。
2. Hermitageには、Bessards、Meal、Greffieuxなどなどのクリマがありますが、Chapelleというクリマは無い。Hermitageの西よりの上の方に礼拝所Chapelleがあることは有名ですが、クリマの表示のある地図をみますと、このChapelleの記号がクリマ名と同じように書かれていますので混同してしまいます。ポール・ジャブレのHermitage la Chapelleは色々なクリマのぶどうをブレンドしたワインです。
3. Parallele 45は北緯45度のことで、ポール・ジャブレのセラーの南2キロメートルの所にあるので、ワイン名に採用している。その街道の傍らに「南フランスはここから始まる:Ici commence le Midi」と書かれた北緯45度線の記念碑があります。裏側には北フランスが始まると書かれているそうです。そこで、北緯45度に近い産地を地図帳でおさらいしてみました。ボルドー、イタリア・ピエモンテ州トリノ、アメリカ・オレゴン州ポートランド(ウィラメット)、北海道北部・天塩、南緯45度ではニュージーランド・セントラルオタゴのクーインズタウンQueenstownなどがありました。
4. ローヌ北部のAOC Saint Péreyは、Mousseuxがあることがソムリエ試験に稀に出題されますが、Brunet氏によれば生産量が少ないのでSaint Pérey地元で飲まれてしまい出回っていない。Saint Péreyのスティルワインは飲むが、スパークリングならシャンパーニュを飲むとのことでした。
上記ワインで特に印象に残ったのは、2番のCrozes Hermitage Domaine Mule Blancheと5番のHermitage la Chapelleでした。2番は、マルサンヌ・ルーサンヌ半々で、小樽醗酵・熟成で大変優雅華やかな香りとバランスの良いコストパーフォーマンスの高いワインでした。コストパーフォーマンスでいえば、この畑の隣の4番Domaine de Thalabertも数あるCrozes Hermitage Rougeの中でお勧め物です。ラベルの白いラバmuleは、機械化になる前の時代に荷車引き馬より頑丈なラバが畑の作業に使われたことからワイン名にされたものです。5番は言わずもがなの凝縮感、複雑性とも申し分ないもので仔猪のローストとのマリアージュが楽しめました。2003年物なので生産量が少なく、もっともっと熟成をさせた後の味わいの素晴らしさを予感させました。