代表的な陶磁器の産地と特徴です。

 

画像は主に河野美恵子著の「やきもの入門」から引用していますが、ネットからの借用のものもあります。焼き物も最近はオブジェ的な造形が主流になってきましたが、私はまだ実用性が残っていた伝統的な作品が好きなので、そちらを選びました。

 

 

7,薩摩焼

・薩摩焼の始まりは、秀吉の朝鮮出兵の際に薩摩藩が連れ帰った、朝鮮陶工たちです。その沈寿官(ちんじゅかん)はその一系統です。朝鮮伝来の技法としては、形状の精巧さと奇抜さ(たくさんの打ち抜きなど)及び上絵の主として花鳥の品よく精密な描きです。作品は香炉と壺が多いです。

 

8,織部焼

・織部焼は美濃焼の一種ですが、江戸時代初期に「へうげ者」(変人)と呼ばれた古田織部が、茶の湯とともに利休の精神を継ぎながら始めた焼き方の一種で、形も模様も、尋常ならざる驚きを与える目的で、あえて奇をてらって作ります。釉薬は主として緑釉です。

 

9,志野焼

・志野焼も美濃焼の一系統ですが、織部とは全く違って、赤土の手びねりの上に長石釉をかけた造りで、全体的に薄桃色で表面はざらついており、かつろくろと反対のゆがみが命と言えます。銘のついた名器も多いです。

 

10、楽焼

・楽焼は茶の湯の利休がその趣味であるわびさびに合うようにと、瓦職人の長次郎に焼かせた素朴なものが始まりです。製品は茶碗が多く、かつその形も手びねりだが歪みの少ない、標準的なものです。

 

11,相馬焼

・相馬焼は湯呑が多いですが、いくつかの特徴があります。第1に青磁釉による青色、ただし脚部は黒色に染めます。第2に釉薬の乾燥に係る縮みにより、表面に細かい貫入(ひびわれ)ができます。第3に左向きの馬の絵柄で、これは「うま」の逆の「まう」(舞う)だそうです。第4に二重底になっていて、熱いお茶を入れても持つことができます。窯は先の東北地震で被害を受けました。

 

12,中国陶磁(黄色とピンク)

・中国陶磁は元祖だけあって多種多彩で、唐三彩、景徳鎮、窯変天目茶碗などが有名ですが、日本にない種類として、黄色及びピンクの釉薬掛けの製品が目につきます。これらの色の陶磁器は、毛沢東も愛用しました。黄色の発色はカドミウム、ピンクの発色は金の赤の上に白濁の釉薬を施したものです。これらが日本に伝わらなかったのは、これらの技術が開発されたのが清の時代で、当時日本は鎖国をしていたためです。

 

 

焼き物も昔はもっぱら登り窯で3徹とかでしたが、その後に電気炉が普及して自動かつ温度均一になり、さらに最近には3Dプリンターによる作り上げに加えて、電子レンジで焼ける道具も出ているそうです。

 

 

 

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