2023年、わたしは25歳で交通事故で死んだのだが再び意識が戻
ると西暦は2019年わたしが19歳だった時、過去にタイムスリ
ップしたのである。幸いなことに自宅は依然と同じだが両親はどこ
を探してもおらず畑でも行っているかと思ったら仏壇に見慣れぬ顔
写真が置いてあり両親が死去していると気がついた。
悲しみで沈んでいると家を訪れる訪問者が家の玄関を叩いた、誰が
来たかと思えば若い女性だった。
「どちらさまでしょうか」
「ふざけているの?頭平気か」
見覚えはないが見たことはTVではある、ニュースで報道された病気
になり原因は不明だが病院で事故死した有名人の幸子、40で他界
したが目前にいる女性は10代でわたしと同世代にみえる。しかしわ
たしの記憶によると確か彼女はわたしより4つ年下の筈だ。
「おまえいくつよ?俺より下だろう、タメグチとは生意気だな」
「さちくんいや幸男!誰が下よ。高校の時同級生だったじゃない」
「寝ぼけたこと言ってると彼女をやめて舎弟に格下げだぞ」
「え」
脳に記憶が覚えがなく相手の言うことを鵜呑みにできない、
例え相手がどんなに美しい女性でもそれは同じ例えそれが好
きだった芸能人でも同様なのだ。
人間不信の幸男(さちお)では尚更その思いは強いだが
”彼女”というキーワードが幸男の考えを改める切っ掛けを
つくり彼女からでる次の言葉で固まった氷の塊みたいな幸男
の心は崩れ始める。
「車のエンジンが掛からないの」
「修理屋を呼んだほうがいいですよ」
「君の持ってる車とおんなじだから君だったら掛かるかなと
思って」
わたしには死ぬ前の記憶が残っていた。19歳の頃当時乗っ
ていた車フェアレディZが家の庭に不動車として放置されて
いたのである。
「同じってZなのか?」
「うん、同じくらいの年式だと思う」
死ぬ以前には車好きのわたしだったので家の庭には不動車の
Zが置いてある、無論私が乗り回していた車だがエンジンを
ばらし組み立てたらエンジンが掛からなくなり放置となった
彼女も放置してあるZを見たのだろう。
人から何かを頼まれると断れない性格で相手が彼女ならば尚
更想いは強くなる、例え記憶にない彼女だったとしても女性
と交際した経験がないわたしとしては全否定する事はできな
かった。
炬燵(こたつ)に彼女を座らせスカートをはいてたら足で生
足を触れるのにジーンズで残念と考えながらも言葉を続けた
「うちに車を見てくれと頼みに来ただけか」
「いいえ、お昼を一緒にしたいかなと」
「まだ朝の9時だ、早いだろ」
「て言うかさ、お茶ぐらい出せよ」
ぶつぶつと文句を呟きながら急須にお茶っ葉を電動ポットか
らお湯を急須に注ぎ彼女の待つ炬燵(こたつ)へ持っていく
と彼女は怪訝な顔をする。
「なんだそれ?」
「お茶だが。掛川茶だぞ」
「君いくつ?お茶と言われお茶を出す人いるか」
「ナンパにお茶と言ってもコーヒー飲むだろう」
「そりゃそうだ」
”ナンパされたことあるんだ”とキッチンに向かいながら思
ったがいい女だし当たり前か。そもそもわたしは女性をナン
パした事がなかった。
「ケーキなんかないよねお饅頭でもいいけど甘いものが欲し
いんだけど」
「いきなり来て何言ってるんだ、コンビニで買ってくるよ」
「急いでね」
「一緒に行こうか」
「やだ、外は雪が降ってるから」
「暖かい炬燵(こたつ)から出るなんて考えられない」
”ダウンジャケット着てるくせに”
わたしは一人呟いた。
コンビニから自宅に戻ると炬燵(こたつ)で彼女幸子は転
がっていた。コンビニに出かけたほんの12,3分の事なの
で寝ているのはおかしく思い元気そうに見えたがもしかした
らこの時代でも彼女は死ぬ運命なのかもしれないと思った。
”クシュン”
死んだと思ったがどうやら寝ていただけのようで幸子は可愛
いクシャミを放つ。鼻を指で擦る仕草が可愛いと見ていると
両手でわたしの首に絡ませ自分のほうに引き寄せてくる。
「ねぇ一緒に寝よ」
「また今度」
首に絡んだ腕を解くと彼女は起き上がり何もなかったように
自分が何を言ったか何をしたのかまるで気づいていないかの
ようにコンビニで買ってきたケーキを貪り食う。
「ビールある?」
「あるけど交通手段は何、帰るんだろ」
「帰るよ、明日ね」
「な、なにぃ!?」
「だって横浜はこんなに雪が積もってないもの、今日はお泊
りだわ、(∀`*ゞ)テヘッ」
急いで外を見てみると庭一面白く外を歩いてみると膝くらい
まで雪に埋もれてしまった。予想を超える積雪量、ニュース
を見ると都会では通常の交通の流れとなれば大雪はこっちだ
けであっちは雪が降っただけなんたって5センチ積もっただ
けで騒ぐ人たちなのだから。
この雪では変えるのは不可能食事はなんとかなるが問題は布
団と下着を含む着替えだろう、風呂も洗わねばならないしシ
ャンプー、リンス、化粧品もない足りないものは多い。考え
ても仕方ないから聞いて足りないものは買ってこよう。
「幸ちゃんうちには何もないよ、必要なものを言ってくれる
買ってくるから」
「特に欲しいものはないよ」
「布団も?」
「うん一緒に寝れば不要じゃん」
「じゃ風呂沸かしてくるよ」
「スイッチ押せば湧くんじゃない?
「うちは昔ながらの撒き割りなんだよ」
「そうなんだ大変ね」
蒔きならなんでも言い訳ではなく広葉樹が煙が少なく適する
と一般的には言われている。風呂を洗ったのは彼女の為で自
分一人だけなら4日くらいは洗わず使い続けるが臭いと言わ
れたく無いために2日目だが水を入れ替えた。
「沸いたから先に入って」
「後でもいいのに・・・私の後に入って匂いを楽しむつもり
なのね」
「そうなのか匂うんだ」
「匂わないわよ馬鹿!冗談よそれじゃお先に頂きます」
「覗かないでね、絶対覗くなよ、覗いたら殺すよ」
「しつこいよ、」
覗きにきてねの裏返しでしつこく言ったような気がしないで
もないがもし違った場合ノことを考え自分の思い過ごしだと
考えることにする。だがわたしも19歳の血気盛んな男子で
あり異性の身体に興味を持つお年頃。
風呂場に湯加減を調べるため行くことにした。我が家の浴室
は一般的な浴室とは異なり側面にサッシ枠が嵌められガラス
戸で開閉出来るためガラス戸を開けると浴槽に触れることが
可能で湯加減も調べることができる。わたしが死ぬ以前には
痴呆症の母が風呂へ入るとお湯加減をガラス戸を開けて尋ね
たものだ、その時の癖が染みついてしまったのか幸が浴槽に
入ってるとき自然に当たり前のようにガラス戸を開けてしま
った。
「湯加減どう?ぬるくない」
「・・・」
後ろ向きに浴槽に座る姿は母と同じだが真っ白な肢体、白魚
か太刀魚かような細長い首筋と母と大きく違う綺麗なウナジ
が間違いを正す。
”しまった”
あれほどあいつこく覗くなよと念押されたのにやってしまっ
た。
「ふ・ふ・ふ やっぱり覗きにきたね」
「手違いだ、おまえの貧乳なんて見たって興奮なんかせん」
「なに・おう」
わたしの言葉に異論を唱えるかのように後ろ向きだった身体
を180度回転させこちらに向き変え湯水に浮かぶ二つの浮
袋を見せつけた。
「これでも貧乳というのかい」
「豊熟かと」
「つうか恥じらいはないのか?隠せよ」
無言になり真剣な顔で考え始め意を決したように話し出した
「実はね、わたし1度死んでるの癌になり病院でね」
「君によく似た先輩が好きだった、仲良くなりたかったけど
いつもすれ違ってばかりだった。」
「だから再び人生をやり直すのなら先輩に似た君にわたしの
身体をすべて見せたいし望むことは叶えたい」
「ちょっと待ってくれ実は俺も1度死んで人生をやり直して
いるんだ」
「だが死から戻ってきたのは数時間前で現状把握出来ていな
いんだよ」
涙を流し泣きながら告白する彼女がまさか自分と同じ死から
の転生者だとは気づかなかった。元気だった両親が戻ってき
たら死んでいたと知ったのは衝撃だったがまさか19歳の幸
子さんと会えるとはしかも同級生で交際してるのには驚きだ
しその幸子さんも死からの転生だったとは。
”なんでもしてあげたい”女性からその言葉を言われると25
歳で死んだ男としてはいや19歳の性欲真っ盛りの男として
考えつくのが性交だ、25歳の時に女性から言われた言葉を
思い出す。
”女性にも性欲があるんだよ”
幸子さんはしてあげたいと話したがわたしも望むなら抱いて
あげたいと考えた。