親子というものはどうしても仲良く出来ない親子がいるものだ、前世で敵同士だったのか性格は似ているが考え方がまるで違う金の価値観が違いいやそうではない、価値観そのものは一緒だが父の方は利己中心的なゆえ自分以外に必要と思えるものだけど金を使いたくない例えば息子の趣味に自分の稼いだ金を使いたくはない、自分の趣味には金の糸目をつけず金を使う輩なのだ。仲間から竹を割った性格だと言われる父は言いたい事を言うから自分の言った事、人を怒らせたことはすぐ忘れ何事もなかったように上機嫌で接するが言われたことで傷ついたものは簡単に忘れることはできない。
息子である井坂憲一(いさかけんいち)は自治会の副会長をしていて月に一度会長が家を訊ねてくる。
「こんにちわ」
「こんにちわ」
憲一が誰もいないのかと急いで出てみるとしっかり居間には父親である絃一郎が座って読み物をしていた。
「なんで出ないんだよ」
「だって俺に会いにきたんじゃねえだろ」
確かにそう言われたら返す言葉がない、だからって家族はそういうもんじゃねえだろと思いながら覚えて居ろと心の中で呟いた。朝方電話がありどこからか誰宛てにだろうかわからないまま憲一は電話に出た。父親に電話だった。
「イセキから電話だよ」
「そうか」
母親になんで居るのに電話に出ないか問い詰めると父親がいる奴が出ればいいと先日とは逆の言葉を言った。
「そんなに自分以外の電話に出るのが嫌なら家を出ろ」
「そうかい、そうさせて、もらうぜ」
父親は頭が少しボケが入り最近ではすぐに家を出ろと言う様になった
翌日になればケロッとしたものであるがここらへんで言っていい言葉と簡単に言ってはならない言葉を教えなければならないと感じた。3週間後憲一は隣県のアパートへ引っ越しを決めた。
「なんだあのトラックは」
「憲一が引越すから荷物を積んでる、あんたが家を出ろと言ったからさ」
「俺そんなこと言ったのか」
「言ったじゃん」
憲一は知らせを受けていた来月のはじめ、もう今月のはじめだがわざわざ隣県から足を運び仕事をこなしたが来月から自分は関係ないから家族にやらせて欲しいとだけ自治会長に告げた。自治会長から会議があるので出席を頼まれたが憲一はいない、連絡先も自治会長は知らせを受けていなかった。
「憲一に言ってくれ、憲一はどうした?」
「あんたが出て行けと言ったから引越したんでしょ」
「電話は」
「電話は聞いてない、それに知っていたとしても今は他の県民だから」
「なんだいそれは、俺がやるしかねえのか」
母が急病で死に憲一は葬儀にやってきた。葬儀会場では久しぶりに姉と合い実家に戻る気を聞かれた。父はごはんさえ炊けぬ昭和の男で一人じゃ何も出来ない洗濯さえやり方を知らない世間知らずだった
。
「帰る気はないの」
「謝っても戻る気はないね、あんな自己中な親父と暮らすなんて考えられないね」
「仕方ないか」
姉は父の世話を毎日のようにしたがどうしても抜けられない日はどうしようもなく食事はコンビニで取り洗濯や掃除は溜めた。風呂はスイッチを入れるだけだが着替えがどこにあるのかわからず前日と同じものを着るしか出来なかった。
その父も一人だけで住む広すぎる家に生きる気力を失い母の死後から1年で脳梗塞になり命を落とした、憲一は父の葬儀に現れる事はなく姉が喪主をするしかなく年取ってからの家族不和は戻らなかったのであった。
おわり
この物語はフィクションであり実在の
人物団体には一切関係ありません