[短編小説][心霊][創作] 守る人々 | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
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2010年病院の非常階段から一人の有名人が身を投げ死んだ。非常階段の高さと後ろ向きに落ちたことから自殺の有力視が上がったが数日前に一緒に仕事した仲間からは未来と向き合った仕事だと自殺論と反対の事故死を主張するのだった、階段から落ちた有名人は曲を作って歌う女性シンガーだった。

 

 

デビュー当時からモデルをしていた所為もあり美人だと評を得ていたが彼女自身からすれば外見で歌手としての評価をしないで歌や歌唱力で歌手としての評価を下して欲しいと思っていたようだ。そんな彼女だったから人気異性タレントとの浮名は世間に上がらずそれどころか所属会社の社長の愛人ではないかと噂された。

 

彼女の死後、高校時代の友人が答えたインタビューは世間の人の心を掴むlことになる。

 

「サッチんは年上の先輩に片思いで思いきって告白したらふったんです。あんな器量よしのサッチんだから私達は怒りましたがあの子は自分が辛いのに笑って誤魔化したんですよ」

 

死後彼女が世間に対して流した自分の気持ち、ヒントになるだろう。

多くの人に気持ちが伝わらなくてもいい、只一人だけに伝わるように願ったのだろうか先輩の名前や何が好きでどんな風貌なのか友人に

口止めをしていたように先輩の名前は名乗らなかった。彼女が死んだ

今なら言えるが高校時代、先輩といえるのは同校の先輩ではなく小学校や中学校で学び舎を共に学んだ仲でもない幼かった時家の都合で数年だけ近所に住んでいただけの間柄。だから高校卒業しても先輩への気持ちは変わらず町で見かけては同じバスにのり近い場所の座席へ坐り何も話し掛けずただ先輩を見つめているだけで幸せだった。

 

高校卒業して10年の歳月が流れ歌手として大成しても気持ちに変わる事は無く先輩がモーターショウへいくという情報を高校時代の親友から掴むと芸能人の友人を誘い良い訳を見繕い彼の後を追うように電車に乗ったのが最近の様に思える。

呑気に過去を回想する気分に浸れない事件が起こってしまった。

死後も彼の傍でいつも見つめていた西条美紗代は焦っている。一番頼りになるのは亡き父裕司だけだった。美紗代は飛んだ。

 

 

「おとうさん、彼が死んじゃうどうか助けて」

「まぁ待て、今一緒に行くから落ち着け美紗代」

「早く、彼が死んだらわたしどうすればいいの」

「早くったら早くして」

 

美紗代と裕司の二人は死者である、死者だから現世の医師や看護師には見えず陽炎として見える場合もある。ふたりが50男の意識がない看護ベッドに寝かされた一宮悟のもとへ戻ると新たな霊がやってきたのであった。霊は一体、二体、3体と増え続け30体にまで増えた。

 

 

「な、なにこの人達」

「彼のご先祖さまさ、見た目若くてもわたしより100才以上年取った人もいる」

「お願いです、彼を助けてくれませんか」

「貴殿に言われるまでもない我が子孫のこと我らがなんとかするから

手出しは無用に願いたい」

「父上、あの方が見えるまえに子孫を生き返らせないと私らはまた叱咤されまする」

「そうであった、急がねばならぬ」

 

30人が全員で倒れる一宮悟の傍まで寄ると全員が左手を差し出し光を放つ、すると一宮悟(いちのみや さとる)の身体全体は黄金色に輝き肉体から魂だけが起き上がった。魂が起きあがると再び肉体にかさなるように身体を寝かせた。すると意識は戻らないが装着された酸素マスクを手で取り外そうとした。それを見てもう大丈夫だと確信したように先祖の一団は一体ずつ消えていく。先祖の一団が消え去って数分、いや数秒経過したら髪の長い女性が同じ場所に現れた、5色の光を纏っているところを見ると高級霊であろうか手下を2体引き連れ現れた。

 

 

「悟を心配してくれたようざね、ありがとう女人よ」

「あなたは誰、先輩とどういった関係でしょうか」

「わたくしは悟の守護霊、そして悟の10代前の婆というところざね」

 

ひとりでも悟を助けることができたが子供たちの経験や修行させる為に今回は見守った、元来西條家とは深い繋がりをもち1000年以来に結ばれる運命だったが西條の娘、美紗代が歌手の道へ進まなければ二人は結ばれた、しかし結果を蒸し返しても今更変えられない。

本来は裕福になるサダメだった一宮家、創始者である一宮麗華も子孫の為財を残したが子供が趣味によって財を潰したせいで貧乏になってしまった。江戸時代から続く名家だが嫁がこない事で断絶しようとしている。子孫は悪くない悪いものがいたとすれば悟の先祖達でその為西條麗華は何かにつけて自分の子供や孫たちを叱咤する。

 

「悟を今まで見守ってくれてありがとう、でももう結構上へあがり先へ

進みなさい」

「でも、あの人を残していけない」

「あなたは生き返れない、生き返れない以上悟と添い遂げることは出来ない」

「悟は多分結婚できずに死んで家は潰れる、だから転生はできない」

「そんな・・・」

「あなたを責めたところで歴史、運命は変えられない、」

「でも、ですが確かにわたしは生き返ることはできないでしょう、貴方様には申訳ございませんが家を再構することもできない。ですがわたしは信じています、彼と違う家柄になるでしょうが再び彼と出会って彼と添い遂げることが出来ると」

「勝手にすればいい」

 

一宮麗華は確かに家の事を考えている、だがそれも子孫、後継者があってのことで子孫の幸せを犠牲にして家を反映させるつもりはなかった。家が断絶しようが子孫の繁栄を願っていたのも事実。子孫である悟には人並みに嫁をとり子を育んで人の親として人生に幕を引いて貰いたいそれが一宮麗華の偽りのない本心であった。だが本心は誰にもはなしていない身内にも話しておらず身内からは家の家督のために全てを犠牲する冷酷無比な女と噂され死んでからも悪評が変わる事はない。

 

ただ西條裕司だけは一宮麗華が温かい気持ちをもつ女だと信じているし娘の美紗代も悟を見つめる何気ない視線の奥に潜む温かさを感じていた。であるから美紗代は本心からどうしても麗華を嫌いにはなれない。美紗代はハッキリした返事をし嫌いなものは嫌い、好きな物には優しくできる女で嫌いだと感じたなら冷たくもする。生きている時から死んだ跡もそれは変わらなかった。西條美紗代は一宮家先祖から好かれていた先祖の一人から邪険にされたら能天気な女にもそれは伝わるだろうが一宮家叔父、叔母、両父母、兩祖父母に至るまで邪険にされたことはない。それどころか先祖一団にはなにかと親切に

されている。悟が意識不明におち入り一宮の先祖達に救いを求めた時もそう、もし邪魔者扱いされていたら同席は許されなかったろうが処置室で西條美紗代の同席を拒否する一宮一族は皆無だった。それは西條美紗代が一宮悟(いちのみや さとる)を嫁の様に守る日頃の行いを認められていた証拠でもある。

 

転生し違う家として悟が生まれてもそして西條美紗代と出会い結ばれることになあろうとも一宮一族の中に反対するものはいないだう。

当主である一宮麗華を含めて。

 

 

おわり

 

この物語はフィクションであり実在の

人物団体には一切関係ありません