わたしは久しぶりに友人のマキちゃんとお出かけしようって
ことになり新宿駅で待ち合わせのため改札前で待っていると
目の前を見覚えがある男性が通り過ぎていくのが視界に入る。
”あれは・・・”
後をつけようか、どうしようかと考えているとマキちゃんが現れた
「幸ちゃん待った?」
「ううん、マキちゃん悪いんだけど予定を大幅に変更しても良い?」
「映画見に行くんじゃなかったの?」
「映画より面白いよ、ある男性を尾行するんだよ」
「だれだれ?どういう関係なの、白状してみな」
「もう行っちゃったよ、どこに行くんだろう」
小田急線からJR東日本の改札へいくと多数の軌道が走る為
ちょっと待ちがえると反対方向へ行きかねない。
山手線を選んでも内回りと外回りがあり方向を間違えると反対
方向へ行くことになる。しかし目指す男性は運よくホームに立って
いた。
「どこにいるの」
「ほらあそこに立っている人、ベージュのジャケットの人」
「ああ、あれはカメラバッグだね」
「そうなんだ」
「どういう人?」
「先輩なんだ、あまり電車に乗るような人じゃない」
「どこまで行くんだろ、まさか上野駅まで行かないよね」
上野駅には新幹線が来ており最悪東北や信越に行きかねない。
「見て幸ちゃん、東京駅で降りたわよ」
「神奈川だから早朝、西には行かない筈」
男は東京駅で降りると構内を歩き続けやっと階段を下り始めた
この先は千葉へ行く電車のホームがある。
「わかったマキちゃん、幕張だよ」
「ああ、そう言えば今日はモーターショーの日よ」
「ていうか、幸ちゃんってストーカーだったの?」
「やだな、違うよ。そんな毎日つけまわしてない」
わたしの頭の中では”はじめてのストーカー”という文字が繰り返し
流れていた。
「モータショーって久しぶり」
「そう?わたしは20代の仕事以来かな」
幕張の会場で順番待ちしている時に二人で話していると男はその
声に気づいたのか振り返ってみる。だがそこには女性二人の姿は
なく子供を連れた家族がいるだけだった。
「ちょっと、何するの」
「しっ、黙って。見つかるじゃない」
「・・・」
わたしは彼に見つかるのが恥ずかしかったので順番待ちの列で
立っていたのをしゃがみこんでしまった。
その後、彼をつけて会場内を歩いていると彼は車も撮るがコンパ
ニオンの女の子ばかりを撮影していることに気が付いた。
「さっきから見てると撮影のアングルが独特だよね」
「普通と違うよね、でも女の子ばかり撮っている」
「だったらわたしを撮ってくださいと言ってみれば」
「え?無理無理わたしなんか」
「女の子達って魔改造した胸ばかりじゃない、幸ちゃんは天然で
しょ?オーガニックトマトだから」
「何そのオーガニックって・・・」
「混じりっ気なしの純粋な天然野菜ってことよ」
「やだぁ」
二人で会話に夢中になっていると眼前から彼の姿は消えた。
会場を歩き廻ってみるが二度と彼は見つからなかった。
おわり
この物語はフィクションであり実在の
人物団体には一切関係ありません