僕は会社の同僚である彼女に借金をしていた。
そのせいで何かあるとすぐ借金返してというのだ。
それを人に言うとなんで返さないのというが
返せるものならすぐ返して彼女に負い目をなくしたい。
彼女とは別に将来を誓い合った関係でもなく恋人同士という
わけでもない、ではどういう間柄なのかといえば仕事では
ライバルであり相談相手そして喧嘩相手だろう。
だが会社の連中はわたしと彼女を恋人関係にあると思って
おり”仲がいいほど喧嘩する”とよく言われるのだ。
美人ではないがブスでもない、器量よしというタイプだろうか
しかしスタイルは良く頭もいい。嫌いじゃないのだが友人から
脱皮できない相手ではないだろうか。
だが彼女のほうはそう思っていないようでなにかと
僕に甘えてくる。毎日弁当も作ってきてくれるのでお礼は
いうがあまり感謝してはいないその理由はといえば
弁当の量が多すぎるからだ。特大重箱4段にぎっしり詰めて
くるので食べるのが大変なのである。
今日も僕は死ぬ思いでやっと弁当を完食し休憩していた
のだがそこへ小走りに笑顔の彼女はやってきた。
長い付き合いで彼女が笑うときは必ず裏があると知っていた
前回は深夜たたき起こされ成田まで送迎させられた事
があったので悪い予感が頭によぎる。
その前のときはロッククライミングがしたくなったからと言い
北アルプスの奥穂高までつき合わさせられ
岩場から足滑らせもう少しで僕は死ぬところだった。
断る事も可能なのだが生まれつきお人よしの性格が
災いして頼まれると嫌といえないのだ僕は!
彼女の大きな目で見つめられるとドキドキ心臓は高鳴る
まるで蛇に睨まれた蛙状態。
「今日はぁ、いい話を持ってきました。な、なんと 頼み事
をぉ~聞いてくれれば借金はチャラになるのです」
「えへへへ、、いい話でしょう」
「おおお!!!なんだかわからないがそれは良い話だ」
悪魔のような彼女は等価交換が口癖で慈善事業や
ボランティアなどしたことがない。だが・・・・・・・
”借金がチャラ”その言葉だけで何も考えられない。
それというのもその借金のせいで今までどれだけ辛い
生活を送ってきただろうか、月々定額に返済していたが
まだ10年くらい支払いは残っている。
一体いくら借りたのかとよく人に聞かれるが笑って誤魔化し
本当のことをいえなかった。
同僚には「マイホームを買った」と言ったのがいけなかった!
その後、愛の巣を建てたと言われてしまいそこで彼女と
僕は会社公認の仲となってしまった。
家と同額の買い物とは何か?
いやぁなんとなくポルシェ911が欲しくなって800万を
彼女に泣きついて借りてしまったのである。
さて話を元に戻すが
借金がなくなることに喜んでいた僕に彼女は
「実はね 親が結婚しろと煩くて。でさわたし言っちゃったの」
「わたしには将来を誓い合った人がいるって」
ほうほう、なんだ相手いるのか・・・・と聞いていたのだが
まさか自分の事とは思っていなかったので。
「そしたらね親が今度うちに連れてきなさいって言うのよ
だから・・・・!うちに来なさいよ、いいわね」
「えええ?僕がかよ。お願いではなく命令だし」
さすがにこの申し出には驚いた!しかしである
よく考えてみると彼女の家へ行って両親に会うそれだけ
で多額の借金がチャラになるこれはおいしい話だ。
思い出せばコンビニで500円の幕の内弁当も買えず
カップヌードルで腹をみたしビールが飲みたくても
業務用冷蔵庫の缶ビールを羨望のまなざしで見ていただけ
それがこれからは
好きな弁当も買えるし生ビールも飲める、そう思うと
自然と眼(まなこ)からは涙があふれ流れていた。
”神様~ありがとぉ”
「よし、わかった今度おまえの家に行って両親と会おう」
”会うだけでいい、会えばいい それだけだ”
と何度も繰り返し頭の中で僕はつぶやいた。
だが、世の中そんなに甘くはない!
残りの返済額600万と交換する価値のある事とは?
つづく。
この物語はフィクションです。