わしのところにどうしても運転をレクチャーしてほしいとの連絡が入った。
面倒だから断ろうと思っていたのだが報酬を支払うという。
金がないので貧乏なわたしにとってはありがたい話である。
悩んだ末受ける旨を相手に連絡するとプロフィールを送ってきたので
見ると若い綺麗なおねぇちゃんであり愛車はインプレッサSTI。
受けて良かったと思わず喜んでしまった。
約束の当日、軽く挨拶をかわしとりあえずわたしが運転する車に同乗。
運転しながらおねぇちゃんに教える。
「基本、道路は遠くを見るんだよ。アマチュアドライバーは近くをみがちなのだけどなるべく遠くを見る。」
「遠くを見ればコーナーを直線的に走るラインがわかるというもの」
「たとえば3つ先のコーナーまで見ることが出来ればよりロスの少ない走り方ができる」
「マック先生。センターラインありますよ!」
「ああ一般ドライバーだとはみ出さないように走るね。でもセンターラインは気にしない」
「無論対向車がいたらはみ出てはいけないよ」
「今までわたし、コーナーリングスピードだけ追及してました」
「それだと複合コーナーの場合次のコーナーの速度が落ちる」
「ではどうするのか?捨てるコーナーと決めるコーナーを設定するのさ」
「う~~~ん、むずかしい・・・・・」
「峠の場合タイムアタックがすべてじゃないからもし君が楽しく走りたいのであればリスクを頭にいれて走るといいよ」
峠はあくまで一般道なので無論対向車が走ってくる。
リスクを減らすとは相手の車が見えるときにセンターラインを割り
前方が見えないときは決して割らないようにインにつける走りをするのだ。サーキットのようにアウトインアウトだとリスクが大きすぎる。
対向車とはピンポイントはずすことによって衝突はさけられるのだ。
これは経験を積まないとわからない事であるが。
「君、今までスピードオーバーしてヒヤッとしたことない?」
「あ、あります」
若いうちは誰でもあるのだ。だがそんな事ばかりしてるとそのうち事故る。
「そんな君の為にフェイントを教えてあげよう」
「速度の出しすぎでコーナー突っ込むと車はアウトにいくね」
「だったらアウトに行く前に車線オーバーしておけばいいのさ」
「あのそれは一体?」
若い女性とはどういうことかまったく理解できていない。
「曲がる方向と逆方向にハンドルを切り直ぐに曲がる方向にハンドルを切る」
「あ知ってる!ラリーでよくやってる奴ですね」
ドリフトのきっかけには有効なテクニックだが実は車を曲がりやすくする
テクニックであるのだ。
「とにかくリスクをなるべく減らす方向ではりましょうね」
「ハンドルはなるべく切らないほうがタイヤも減らないから」
「ブレーキングは車の旋回のきっかけづくりに有効だから覚えといて」
女性は今までぎりぎりまでブレーキを我慢していたという。
それも有りなのだがサーキットではないのだから。
「今日はいろいろ為になりました。先生の講義を聞けてよかったです
どうもありがとうございました」
「いえいえ公道ではどんなにいいタイムを出しても事故ったら終わり
だから余裕もって運転して」
わたしがそういうと女性は一礼しさっさと車に乗って帰ってしまった・
”まだ金貰ってない”
わたしがそう気がついたときには彼女の姿は消えていた。
あのう~~おれの金は・・・・・・・・・・