前回で阿弥陀如来に仕事を世話してもらえないかと相談された長作だったが簡単に依頼人を見つけられはしない。
これから一体どうしようかと考えていた矢先、家に訪問客が。
「こんにちわぁ~ごめんくださいませ。」
複数の女性の声が外でするので急いで玄関に向かう長作。
玄関を開けてみるとそこには美しい姿をしていた3人の女性がいた。一目瞭然で神属とわかる神々しい身なりの女性達。
何人かの如来とは会ったことがあるが菩薩にあうのは初めてであった長作はあまりの美しさに驚いてしまう。
「阿弥陀如来さまからお手伝いするように言われてきました。
わたくし、観世音菩薩と申します。」といいお辞儀する。
「如来様から嫁に欲しいと言われたので伺いました。旦那様、
はじめまして弥勒菩薩と申します」と深々と頭を下げる。
「転輪聖王さまが是非ともわたくしを求められてると阿弥陀様から聞きました。あたくし観音菩薩と申します」とお辞儀する
3人とも同様のことを言うので3人は驚いて顔を見合す。
3人の菩薩は阿弥陀から嫁に行って欲しいと頼まれたのだ。
長作もいきなり初対面の女性にそんなことを言われたので一瞬驚いて見せたが
「菩薩様といえど見知らぬ女性を嫁にもらう事などできません」
「阿弥陀如来様にはわたしから言っておきますのでお引取りくださいますように」
長作から帰れと言われても困ってしまう菩薩達であった。
なぜならば彼女達は嫁ぐ気で心を決めてきたというのにすぐに
追い返されたのであっては立つ手が無い。
長作が部屋に戻ろうとすると弥勒菩薩は口を開いた。
「阿弥陀様からのお伝えがあります。」
「菩薩達を返そうとしても無駄である。菩薩は長作の監視役兼
助手であるから家に住まわせよとの事でございます」
深々とお辞儀をして冷静に振舞う弥勒であった。
長作の知らないところで阿弥陀如来ははかりごとをしていたのだ。阿弥陀の笑っているのが目に浮かぶ長作。
「では仕方ない!こちらにいらしてください」
長作は家の中に菩薩達3人を招き入れると座らせてテレビをつけた。菩薩達の服装が助手をする上でまずいと思い人間の服装を見せるためにテレビを見せたのである。
「適当に自分の好きな服を選んで着替えしてください」
菩薩である彼女らに服を買う必要などなく、菩薩は考えるだけで服装を変えることが出来るのだ。長作もそれは知っていた。
ただ長作にも考え及ばないことがあったそれは下着のこと。
Tシャツ姿の観世音菩薩の胸元を見るとふたつの突起が。
ブラジャーをしていない彼女は乳首のせいで服の上からわかったのである。
他の二人の菩薩を見てみるとやっぱりノーブラのよう。そこではじめて長作は
重大な事を知らせてなかったことに気がついた。
菩薩達には下着をつけなければいけない事を知らせなかったのは大きな過ち。
「ひとつ大事な事を言い忘れていました。人間界ではみな下着をつけるのです。 言い忘れていました申し訳ありません。」
長作はもう少しで美しい菩薩達に恥をかかせてしまうところであった。
下着とは服を着る前につける衣類でありブラジャー、パンツなど下着には種類が 多く色やデザインも豊富。使ったことがない菩薩達には受け入れれない衣類では ないかと心配していたが、、
「なるほど下着とはこのようなものなのですね。着てみたい!」
とパソコンの画面を見せられ興味津々の観世音菩薩。
「旦那様のお申し付けとあらば着ましょう。ですが旦那様、そんなに丁寧な
言葉遣いするのはやめて頂きたく思います」と弥勒菩薩はいう。
「こういうものを着るのですね。どうりで腰周りが涼しい訳だったんですね」
ミニスカートをはいていた観音菩薩は答えた。
菩薩達はすぐに下着を着てみる。人間のようにいちいち脱ぐ必要もない神々
は一瞬で下着に変えて長作に見て欲しいと言う。神々しい菩薩達の下着姿は
美しく凝視できないほどで長作は目のやり場に困ってしまった。
一度は目を伏せた長作であったが男の性なのだろう、もう一度みたいと願い
ゆっくりと目を開けてじっくりみようとしたら菩薩達はすでに服を着ていた。
服は完了したので次は言葉遣いを変えなければいけないと思った長作は
3人で映画を見ることを思いつく。一体どれがいいだろうかと選んでみるが
なかなか適当なのが見つからない。一本一本探すのは時間がかかりすぎる
そこで考えてみると適当な映画があった。
アニメ映画”ああ女神様”である。気楽に見ようとする長作とは対照的に
身構え真剣な表情で見つめる3人の美しい菩薩様。彼女達にとって勉強なのだ
3人のためにコーヒーでも入れてあげようと思い席を立った長作は台所へ向かう
コーヒーカップを出してると弥勒菩薩が傍に寄ってきて
「旦那様、そのようなことはわたくしがやります。」
「いや、こっちはいいから弥勒様は見てきなさい。」と弥勒の背中を押して映画を
見るようにと薦める長作。
嫌がる弥勒を納得させるためにも弥勒から先ほど言われたことを考えていた
長作であったのでこの際、3人の呼び名を変える事を告げる。
「わたしたちの間で人間に不信感を与えないためにも呼ぶ名前を変えましょう」
「まず、わたしは長作で結構。旦那様はやめて頂きます、いいですね弥勒さん」
「弥勒様はミロ、観世音様はゼオン、観音様はカノンでいいですか?」
笑みを浮かべる二人とは対照的に寂しそうな顔する弥勒であった。
コーヒーを初めて見る菩薩は不思議そうに見つめていたが長作が飲んでるのを見て おそるおそる飲み始めてみると思いのほかおいしかった。
「この飲み物は一体どうやって作るのでしょうか?」と観音菩薩は尋ねてみると
長作は「今度一緒に作りましょう」と答える。
感情を表に出さないだろうと思っていた菩薩達であるがアニメの悲しみを見ては泣いて 喜びを見ては笑い楽しく映画をみる。そんな菩薩達を見て長作も微笑んでしまう。
映画を見続けても眠くならない菩薩達は繰り返し見るが長作は人間として生きてきた ので夜になると眠くなってしかたない。睡魔に負けて寝ようと席をたつがそれでも 菩薩達は見続け夜は更けていった。