小説  大山の天狗 後編 | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
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大山の阿夫利神社本殿まできた天馬健。ここまできたら頂上まで登ろうと思い登山道を探すと急で長い階段を見つけるが
さすがに躊躇し立ち止まってしまう。下からケーブルカーを使わずに登ってきたので疲れもたまっていたし食事のせいで体も重く
なったせいもあるのだろう。
ここで引き返す事も考えるが後で後悔はしたくなかった。
意を決し登っていくことにする。

階段を登っていくと途中には注意書きが書いてあるのを見つける。
”経年老化で手すりが壊れやすくなってますのでご注意ください”
手すりは確かに赤錆色でさび付いていた。
しかし、手すりを使わないで登るのは無理なほど階段は急なのだ。慎重に手すりを掴みゆっくりと階段をあがていく。

もう少しで階段を登りきろうとしていたところに声が聞こえてきた
女性3人が上から降りてきたのである。
「こんちわ」というと女性達も「こんにちわ」と返してくれた
女性の一人はどうやって降りようかと試してみる
普通に降りるには急すぎる階段だったので無理も無い。
そこで天馬はアドバイスをしてみた
 「先をみては駄目です。足先だけ見てゆっくり降りていかないと」
すると女性は「やっぱりそうですよね」といいながら苦笑。

階段を登りきると広い場所にでる。いくつものルートがあるようにどこ通ってもいけそうな感じの場所。そして表示板も。
山頂まで1時間と書いてある表示板。
 ”1時間かぁ・・・・”
そこでふたたび考え込んでしまう男。
今の男ではとてもじゃないが1時間では登れないのにそんなことは思いつかない。もしこの表示板に2時間と書いてあったらば男はきっと迷わず諦めただろう。
だが男は頂上目指して歩き始めた。先ほどの道を大きく変り
木の根や石、道は土で出来ている普通の登山道。
足をあまり上げたくなかったので斜めに歩いていく
しかし、これが悪かったのかあとできつくなってしまう。

男のやまを登るペースは落ちてきた。やはりケーブルカーを使わずにここまで登ってきたのには無理があったのか?
足も疲労がたまり思うように足が上がらなくなり息もすぐに上がる。後ろから来た女性に挨拶をし女性に道を譲る。

山もここまで来ると杉の巨木やケヤキの巨木が多く立ち並び
心も癒されていく。風も平地とは違う風が吹き心地よい
気温も下がってきたようだ。


登山道を登っていくと右手に大きな杉をみつけた
表示には夫婦杉と書いてある大きな巨木で根元のほうはひとつなのだがすぐに二股に別れそびえ立つ大きな杉。
立ち止まって上を見つめると枯れ枝が引っかかっており今にも落ちてきそうだったので先に歩をすすめることに。

男は気づかなかったが実はこの杉、天狗の住まいであり
杉の木上部には男が来るのを待ちくたびれ寝ていた天狗がいたのである。
ここに天狗がいるなど思いもしない男は木の下で休憩。
タオルで汗を拭うとタオルは汗でぬれていた。タオルを絞ってみると
汗がタオルから流れ落ちる。
ふと表示板を見るとまだ山頂まで600メートルと書いてあるではないか。近いように思えるが50メートル歩くだけで10分もかかってしまう
それだけ男の体力は衰え足も思うように動かない。水を補給すると
再び歩き始めるが息が荒い。
ここで山頂から降りてきた人に挨拶をかわす。降りてきた人もきつかったといい「あまり歩かないほうなんで辛かったですよ」

「わたしなんて血圧高くメタボなんで歩いては休憩しないと」
男は苦笑いしながら言う

「マイペースが一番ですよ。あははは」
ふたりは軽く会話しその場をあとにした。

やはり休憩しては歩きまた休憩それを繰り返しやっと山頂が見えてきた。山頂には軽い食事が出来るところがありタバコを吸いたかった
が持ってこなかった男なので吸う代わりに生ビールを頼むことに。