エッセイ  粉雪の少女 | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

あれは今から45年前、5歳だったろうか季節は秋。
母と一緒に母の従兄弟の家へ遊びに行ったときに起こった事である。
母と一緒に母の実家へ挨拶に行きそれから坂を下って5分程度の場所にある母の従兄弟の家へ行った。
その家は牛をたくさん飼っていたのだがわたしははじめて見た
大きな牛に怖がり泣いてしまう。
そんなわたしを見て母は。
「怖くないから、、泣くんじゃないの!ほら家にはいろう」
わたしを家の中に連れて行こうとしたがわたしはどうしても
牛が気になり怖いのだが見ていたかった。
「もうちょっと牛見てくる」

怖いのだが見ていたい。だがどうしても近寄ることが出来なかった。そんな時にわたしに声をかける少女がいた
「怖くないよ!泣き虫ね。こっち着てみなさいよ。
   ほら、平気だから」
とてもかわいい女の子で自分が弱虫と思われるのが嫌だと思ったが牛は怖かった。
「だって怖いんだもん。・・・・・・・・でも噛み付かない?」
おそるおそる牛の柵に近づいてみると牛が突然鳴きだした

”うもぉ~~~~”

わたしは突然の鳴き声で驚き立ち止まってしまう。
「そっちはオスだから。こっちおいでよ!こっちはメスだし」
少女は怖がっていたわたしに優しい声で手招きする。
やっぱりおそるおそるゆっくり少女の下に近づくと
大きい牛は近づいてきたのだが怖くは無かった。

少女は牛の頭を撫でて私に見せた
「ほら、、かわいいでしょう?」
ゆっくり手を伸ばすと牛はわたしの手を舌で舐めてくれる
少女がそばにいることで安心したわたしは彼女の言う通り
頭を撫でてみた。
「あ。平気だぁ~~可愛いね」
わたしが喜んでいると彼女は微笑んでくれいろいろと牛のことを教えてくれた。

このときに出会った少女。わたしには普通の人間に見えていた
わたしはてっきりここの家の女の子だろうと思っていた。

しばらくすると母が外に出てきて
 「ほらもういいでしょう。中に入ろう」

今までいた少女のことが気になりあたりを見回したが誰もいない。
母と一緒に家の中に入ったわたしはおばさんに聞いてみた
「あのね、さっき外で女の子と遊んだけどここの子?」
おばさんは娘を連れてきて見せるとその子はさっきの彼女よりも幼かったので。
「ううん、違うよその子じゃない」
もしかしたら写真があるかと思い部屋の中を見回してみると
黒い額縁に白と黒のリボンをつけた写真をみつけ
「あ。あの子だよ」
おばさんは急に泣き出してしまった。
その写真は遺影でありおばさんは娘を失ってからまだ日がたっていなかった。
おじさんも出てきてわたしはすごい勢いで怒られた。
「子供だからって言っていいことと悪いことがあるぞ
 嘘つくんじゃない!!」
強く怒られたわたしは泣き出してしまう。
母も困ったような顔したがわたしを慰めてくれた。

そこでおばさんは泣きながらも
「あの子はきっと遊びたかったんじゃないのかなぁ
 それで出来たんだと思うの。遊んでくれてありがとう」

おじさんとおばさんは一緒に泣き崩れてしまった。
だが5歳のわたしにはそれがどういうことなのかは理解できない。

家に帰る際、わたしは母に言った
「本当に一緒に遊んだんだってば」
だが母は軽くあしらって信じてくれなかった。


これはわたしが体験した本当の話です。
あの時、わたしに優しくしてくれた彼女。
今も忘れることはできない。