少年・少女たちは熱狂的で、少女たちの悲鳴にも似た叫び声は僕の背中にぴったりとくっついて感じられた。彼らは立ち上がり、先程までスクリーンの中に映し出されていた大勢の少年・少女たちが見せていたのと同じ、たて振れのピョン、ピョン飛び跳ねる奇妙な踊りを見せ始めている。彼らは通路に溢れだし、ステージの前で、あるいはシートの上で、どこも立つのが精一杯と思われる狭っ苦しい場所で、ピョン、ピョン体を上下に飛び跳ねらせて、まるで水中で溺れ、身悶えしているかのように、小刻みに震え、硬直し始めたその手を差し伸ばしながら、口々に何かを叫び、あるいは呟きながら踊っている。
しかし、少年・少女たちの声は黄色い男共から出される轟音に掻き消され、僕には届かない。ひとつひとつの叫びは、めちゃくちゃな歓声へと集合されてゆき、呟きは隙間を埋めるざわめきへと偏向させられる。僕には、彼らの声は聞こえない。彼らの本当の叫びは届かない。聞こえてこない。
ドラムスは、到底、人間が創り出すとは思えないギクシャクとしたリズムをいかにもせわしげな動作で叩き出し、シンセサイズトパーカッションの折り重なって襲いかかってくるような連続的な響きが、そのリズムをぐうーんと、空高く上昇させるかのように押し上げ、強調してゆく。どこかしら、痴呆的で、間の抜けた感じのちゃっちいシンセサイザーの音が、それらの隙間を埋めるようにしながら走り抜ける。
黄色い男共は、自らが創り上げた歪んだ空間の中で、油の切れかかったゼンマイ仕掛けのおもちゃ同然の心許ない動きでステージ上を走り回り始めている。そんな黄色い男共の動きに刺激されるように、通路に溢れ出る少年・少女の数はますます増え続け、押し寄せる少年・少女たちに対して絶対的に少ないセキュリティの制止などもう何の意味も持たなくなってきている。
こんななかで、僕はすでにどうにも動きがとれなくなっており、ステージ下にぴったり釘付けにされたままではあったけれど、自分のポジションだけはしっかりと確保して、黄色い男共の姿を僕のクリアー・ブライトマットスクリーン上に映し出し続けていた。
To be continued.
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