ドーム全体から発散される、薄い黄色の光が、鮮やかにそのマークを浮かび上がらせ、光り輝く無数のネオンライトが点滅を続けている。
闇の中にゆったりと浮かび、眩い光を放ち続けるクリスタルドーム。
僕の、と思われる視点は、そこからも異常なスピードをもって遠ざかり続け、やがて、すべてが、あの少年も、彼を閉じ込めたガラスと鏡のキューブも、数えきれないキューブが接合された集合体も、そのキューブの集合体を覆った巨大なクリスタル製ドームさえも闇の中に溶け込んでゆこうとしている。
あの少年のいた場所からなおも離れ続ける、僕の、と思われる視点。
いまでは、ただ、すべてが真っ暗な闇に包み込まれた静かな空間を捉えているだけだ。
とても静かで真っ暗な場所。
いまはもう、あの男共から発せられていた音も消えてしまっているし、僕の目にいらだたしく跳ね返った眩い光の拡散もなくなってしまった。
ただ、なにかの摩擦音のようなもの、シューだとか、ジューだとか、スゥーだとか、ズゥーだとか、そんな得体の知れぬ不思議な音だけが、僕の耳朶を何故か、心地よく撫でてゆく。
このどこまでも続く闇の中で、僕の、と思われる視点が、少年のいた場所を離れているのか、あるいは、ふたたび、ゆっくりとあの場所へと接近しているのかさえ、もう感じることはできない。
ただ、僕は、目蓋を開けたまま、じっと、真っ暗な闇の空間を見つめ続けている。
見つめさせられている。
僕は、ただそうしている。
僕は、ただそうさせられているだけだった。
To be continued.
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