都市伝説の女、口裂け女
あの話と似た出来事が私の周りでもありました。
隆と真知子と言うカップルが部下でいました。
いつ結婚するのかと思って周りはみていました。
ある飲み会の席で上司である私が隆にききました。
隆、早く真知子を嫁にしないと色あせるぞ。
何が気に入らないんだ？
隆は相当酔っていました。
マネージャー、真知子は確かに美人ですけど、口元がだらしないから嫁に出来ません。
俺、アヒル口が嫌いなんですよ。
その席には真知子もいました。
隆さん、私、口元を整形手術するから奥さんにして下さい。
真知子も相当酔っていました。
その場限りの戯れ言だと思っていましたけど、真知子は本気で翌週に10日間の有給休暇を申請しました。
申請の理由は整形手術を受けるから。
そう書いてありました。
書式が整っているから認可しました。
それが不幸の始まりでした。
東京の美容整形の病院で手術を受けている時に地震が起きて口元を予定より切ってしまいました。
片側だけ耳元まで切ってしまいました。
病院は過失を認めて慰謝料３０００万払いました。
しかし治せないくらいの傷です。
金で解決しなかったですコロナ災いけ物、消えろ。
隆は怒鳴ってから走ってにげました。
最愛の人に化け物呼ばわりされた真知子は心を深く傷つけました。
隆は逃げるように東京本社の営業課に転勤しました。
元々隆は本社から研修で来ていた人間です。
隆に捨てられた真知子は城ヶ崎海岸から投身自殺しました。
その遺体を陸に上げた人は真知子を知っている人でした。
余りの顔の変わりように驚いていました。
葬式でも真知子の遺体はだれにも見せないで荼毘にふされました。
それから数日後、本社の人間が女性に声をかけられました。
コロナが流行っていたからマスク着用していました。
私、綺麗？
真知子は美人ですから大概の人は綺麗だねと言います。
すると真知子はマスクを外して、もう一度聞きます。
これでも？
化け物だ。
そう言って逃げました。
私のどこが化け物なの？
貴方も仲間にしてあげる。
そう言って出刃包丁で口を裂いた。
この噂は本社で話題になった。
しかも毎月9日に起きました。
9日は真知子の命日です。