脳神経専門の外科医である築山節氏著作の『脳が冴える15の習慣』からためになると思われる内容のポイントを抜粋して紹介いたします。

築山氏の実体験をもとに書かれているので、非常に説得力があります。脳を臓器の一つととらえて胃や腸と同じように接することが肝要という、なかなか新鮮な考え方です。

「視覚を遮断した状態で」、「耳から情報を取る」というのも脳の活性化には大事ですね。
最近、健康雑誌に「ラジオを聴いてボケ防止、脳の活性化」という記事がありました。最近は携帯、PC、インターネット等マルチメディアの普及で常に視覚ものにさらされていますが、思えば昔はラジオの深夜放送を想像を膨らませながら楽しみに聴いていたものでした。

「耳から想像力を養う」というのが最近の若い世代の人ができにくくなっているのでしょう。これも、最近増えている異常心理の子供たちを生む元凶の一つになっているのかもしれませんね。

【脳が冴えるための方法】

・脳の活動を安定させるには、生活のリズムを安定させることが大切
そのためには、まず生活の原点を作ることが大切。朝一定の時間に起きよう。

・意識的にできるのは、時間と距離(仕事の量)の関係をはっきり認識すること。時間の制約をなくすと、「何がより重要か」も判断しにくくなる。

・記憶の定着、思考の整理は、起きている間よりも寝ている間のほうが進みやすい。

・毎日自分を小さく律することが、大きな困難にも負けない耐性を育てる。

・物の整理は思考の整理に通じている。忙しい時ほど片づけを優先させよう。 仕事で混乱したときは、机を機能的に整理することから始めると建て直しやすい。

・脳の健全な働きを保つには、目を動かして積極的に情報を取ることが必要。 目を動かす(フォーカス機能を使う)時間を意識的に多く持とう。

・視覚的情報が遮断された状態で耳から情報を取る訓練をするともっといい。

・使える記憶を増やすには、出力することを意識して情報を取ることが大切。 その出力を増やすために、報告書やブログを活用しよう。

・会話する機会が少ない人には、書き写しや音読が有効なトレーニングになる。

・人の質問に答える形で話を長くしていく。(周りの人の協力が大切)メモを用意し、そのキーワードを辿りながら慣れない話を長くする。 写真を撮ってきて、それを示しながら表現を膨らませていく。

・生活習慣病になると、脳にも悪影響が及ぶ。予防するには太らないことが第一。 エネルギーの需要と供給のバランスを考え、適度な運動と腹八分目を心がける。

・自分の失敗を記録し、傾向を割り出すことは、脳の自己管理にとても有効。 失敗を分析するときには、小さな失敗から注目していくと分かりやすい。

(以下、本文から整理抜粋)

【脳の基本回転数を上げるには?】
まずは脳に準備運動をさせて、基本回転数が上がりやすい状態をつくっておきます。食事直後は胃周辺に血液が集中しているため、脳の機能は落ちます。これについては、散歩等をすることにより、脳に血液をめぐらせると良いでしょう。

次に、時間の制約がある中で仕事をし、集中力、頭の回転の速さを高めます。この時間の制約というのは、長くても2時間が限度でしょう。

時間の制約がある「試験を受けている状態」が終わったら、すぐに休むのではなく、基本回転数が上がっている状態を利用しましょう。

それまでやっていた作業を見直して改善を加えてもいいですし、面倒な雑用をこの時間に片付けておくのもいいでしょう。

律儀で努力家の人ほど「一日二十四時間が仕事の時間」と考えがちですが、これは脳の性質から考えて、決して効率的な働き方ではありません。同じ一生懸命に仕事をするのでも、「試験を受けている状態を一日に何回作るか」、「何時までにこれだけの仕事(問題)をこなさいといけない」といった方向に考えを切り替えていかないと、いつまでも脳を上手く使えるようになりません。
つまり、「時間と仕事量の関係をはっきり認識する」ことが大事です。

集中力や頭の回転の速さは、それ自体を「上げよう」と思っても上げられません。
意識的にできるのは、時間と距離(仕事の量)の関係をはっきり認識すること、時間の制約をなくすと、「何がより重要か」も判断しにくくなります。

現代人は脳のタフさが欠けています
脳の基礎体力は、日常的な雑用を面倒くさがらずに片付けることで鍛えられますが、現代ではその日常的な訓練の機会が減ってます。

効率よく作業をこなすためには
脳に準備運動をさせて、基本回転数が上がりやすい状態にする
   ↓
・時間の制約のある中で作業を行い、集中力、頭の回転の速さを高める
   ↓
・回転が落ちてきたら、雑用等を行う
   ↓
・脳が疲れてきたら、休憩を挟んで、最初に戻る

これの繰り返しを行えばOK。

ただし、「一定の回転数が先にあって、時間をかければそれだけの成果がある」、と考えてはダメです。
あくまで、まず作業総量があって、それに時間で割ったものが脳の回転数なのです。
そして一旦あがった脳の回転数は、その状態がしばらく続くので、勢いで他の作業も済ませてしまうといいでしょう。

【思考の整理は物の整理に表れる】

物忘れを訴える患者さんの中には、実際に脳に問題がある場合もありますが、それより多いのが、思考の整理ができていないケースです。

たとえば、大きな仕事を任されたとき、個別に覚えるのはほぼ不可能です。通常はある程度分類して、例えば、「A,B,C,D,Eといった5種類の案件に分け、そのAの案件の中にa,b,c,d,eといった問題がある」という風にわけるので、後で「Aの案件の中にあるaの問題には、a1,a2,a3,a4の要素が含まれている」というように全ての問題を思い出せます。(これを「思考のファイル化」という)。

実はカバンの中身や、引き出しの中身も同じことです。
しまう時に自分で意識していないと、「何が入っているか」を聞かれても答えられません。

「この書類は良く使うから、手に取りやすいところに置いておく」
「この関係の書類は大事だから、ファイル化してここにしまっておく」
「この書類はもう使わないから処分する」

といった整理を日常的に行っていれば、「どこに何があるか」すぐに答えられるはずです。
つまり、物の整理ができない人は、思考も整理していない可能性が大ということです。

(以上)