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師匠佐々木の控え室(仮)

佐々木 真の「パチスロ座学」。回胴式遊技機の物書きや編集的な仕事をさせて頂いてます。タレントではありませんが、たま〜にスカパー!にも出てみたり。

昨晩、警察庁保安課の大門課長補佐による行政講話の全文が遊技日本さんに掲載されました。いわゆる釘問題についての所轄官庁の見解です。

保通協の型式試験に持ち込まれる釘と、ホールで稼働している釘はまったくの別物と先日書きましたが、かなり厳しい対応を迫られそう。一般入賞口に何個入ればとかグレーな甘えは許さん。法律を遵守して、型式試験と同じ台で営業しやがれ。丁寧な口調ですが、趣旨はこんな感じ。

こういった行政講話の全文を見た経験が少ないのかもしれませんが、意外に感じることがありました。

ショールームに置いてある見本機も、甘釘ですがホールに設置するのと同じゲージになっています。言葉は悪いかもしれませんが、今ホールに設置されているのは「メーカー直の裏モノ」なわけです。ベースカットの連チャンバージョンですから。型式試験と同じ釘で納品しなさい。そうメーカーを断罪するものとばかり思っていました。


そもそも、なぜ、検定機の性能を逸脱した遊技機が市場に出回るのか。営業利益に対する貢献度の高い遊技機としてホールが欲し、その要望に答える形でメーカーが製造する、そういった構図があるのは否めません。

残念なことですが、推進機構の遊技機性能調査が始まった6月以降においても、検定機の性能を逸脱した遊技機が営業所から少しも減らないばかりか、メーカーへの改善依頼が一つも聞こえてこない状況が、ホール側も検定機の性能を逸脱した遊技機を欲していることの何よりの証左であります。


むしろ、ホールの姿勢のほうが非難されとります。ホールが変わらない限り、遊技機としての未来は拓けない。今までのような対処療法ではなく、根本から治そうという強い覚悟が感じられます。いや、ほんと来年は激動の年となりそうです。



個人的には、メーカーの収益構造が変わるのが一番かと思います。長期稼働する分だけ、よりリターンが得られるような形がベター。ホールも入れ替え費用を削減できます。いや、5号機初期にレンタルプランとかで上手くいかなかったのも知ってはいますが。

信用を落とさない程度に3ヶ月くらい持ってくれれば、その割引を使って次の機種を買ってもらえる。2007年以降はそういうサイクルになっています。これが売上高をアップさせる手っ取り早い方法。そりゃ、心に残る機種も少なくなっていきますわ。20年以上稼働していた機種が、みなし撤去機として2006年にハズされました。それ以前の機種たちは、10年楽しんでもらおうというくらいのスピリッツがあったように感じます。

もちろん、新しい刺激を求める客層も多くいます。長期稼働させる機種と、短期で回す機種。そのあたりのバランスも、ホールの個性となることでしょう。



ま、良すぎるものを作ってはいけないのは、今の社会の大きな問題点でもあるんですけど。



環境問題を取り上げた2012年のリオ会議でのウルグアイのムヒカ元大統領の名スピーチより。財産のほぼすべてを寄付しボロボロの家に住んでいる”世界一貧しい大統領”です。

ハイパー消費が世界を壊しているにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのため本当の幸せを放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では、私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。

このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか打ってはいけない社会にいるのです! そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。人がもっと働くため、売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。



ムヒカ元大統領は、こう続けました。

貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ。

写真をスピーチ全文のリンクとしてあります。