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幕no内弁当!

秋葉原で「なんでも屋」を営む桐嶋快斗の日常を、台本形式でお届け!
 
この物語はフィクションです。登場する人物/団体/名称等は全て架空であり、実在するものとは一切関係ありません。
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前回までの『幕no内弁当』は……快斗   「仕事の依頼でしょうか?」アスカ  「テメー、ナニモンだ!!」
        ばふっ!快斗   「うわぁーーー!!」―――――――――――――――快斗   「人んちで何やってんだよ」
アスカ  「『ひとんち』じゃなーいの」―――――――――――――――アスカ  「名前、つけてくれない?」快斗   「名前??」
―――――――――――――――快斗   「じゃあ、『アスカ』」アスカ  「アス、、、カ、、、」―――――――――――――――快斗   「ちゃんと留守番してるんだぞ!」アスカ  「はいはーい」―――――――――――――――アスカ  「どけどけどけぇー!」紗那弥  「なんでアイツが日本に!? しかも、秋葉原に!?」―――――――――――――――これは、見ず知らずの居候(女)と生活することを余儀なくされた「何でも屋」桐嶋快斗が「夢であって欲しい」と願った、とある一日の出来事である。【14:41】◆ 裏通り コートを脱ぎ、健康サンダル・ハーフパンツタンクトップでぶらつくアスカ アスカ  「とりあえず、な~んかイイ服ないかな~。裏通りに来りゃなんかあるかと思ったんだけどなぁ・・・服は売ってないのかこの街は。・・・ん?」 ワゴン車が目に入るドアを開けたまま話をしている女の子2人 アスカ  「ぉ? あれはさっきの戦闘着・・・」 ワゴンから出てきた女の子と、入ろうとしている女の子
 ノリコ  「お疲れさまでした~、」リリカ  「あれ、ノリコちゃん今から?」ノリコ  「は~い、寝坊しちゃって~、」リリカ  「そーなんだぁー、」ノリコ  「リリカさんは? もう上がりですかぁ?」リリカ  「そーなのよ、ちょっと体調悪くってぇ、」 
アスカの眉と口元がピクッと動くスカ  「よし、これだ♪」  ――――――――――――――◆ 電気街 「ドンキィ☆フォーティ」前
 天野   「快斗くーん、」快斗   「ぁ、つかさちゃん、お疲れ様。」天野   「はい、休憩交代!」快斗   「ありがとう。」
天野   「あのねあのね、なんか今この辺ですっごい噂になってたんだけどね、出たんだって変質者。」快斗   「変質者?」
天野   「そう、こんないい天気なのにロングコート着てて、職務質問かけられて突然逃げ出したんだって。」快斗   「あ、それさっき見たよオレ、」天野   「うそー!」快斗   「それでどうなったの、その変質者」
天野   「それがね、まだ捕まってないらしいの、カイト君も気をつけてね。」快斗   「オレ? どういう意味??」天野   「だって快斗君こないだ言ってたじゃない、『変な人に好かれる。よく好かれる。』って、」快斗   「ん、まぁそういう話はしたけど……」天野   「じゃ、ゆっくりしてきてね~、気・を・つ・け・て☆  」快斗   「……ご忠告どーもありがとう。」天野   「光回線は速度ナンバー1のタプコで決まり! 本日無料キャンペーン実施中でーす!」
快斗   「(あんな話するんじゃなかったなぁ、なんか変な目で見られてる気がする・・・)」    ブースを離れる快斗それを見つめるキャンギャル姿のアスカ口にフラスクを放り込みアスカ  「(ボリボリボリボリ)よっひゃ、こーろーかいひ!(よっしゃ、行動開始!)」
 ゴクリと飲み込みブースに近づいていくアスカ 塚越   「フラッツをよろしくお願いいたしまーす!」脂男   「す、すみません、フラッツ始めたいんですけどぉ、塚越   「ぁあ~ざぁ~す!半年間無料キャンペーンをお申込みはコチラの特別受付シートにお座りになって、コチラの書面にご記入お願い致します!」脂男   「は、はぃぃ、、、」    パイプ椅子に座り、仮説テーブルに置かれた書面に記入しようとする脂男
 アスカ  「眠気スッキリ!『フラスク』の試供品でーす! よろくお願いしまーす!」    どん。
 脂男   「うわぁ!」アスカ  「きゃ! ぁ、ごめんなさぁ~い!」 露出の多いコスチュームに加え、胸にいつも以上の谷間をつくり脂男の目の前に突き出すアスカ   「おケガ、ありませんでしたかぁ~??」脂男   「は、い! だ、大丈夫でつ!!」塚越   「き、気をつけてくださいね・・・」 ペラッ。 アスカ  「ふぁ~い☆ 気をつけてガムバリマ~ス! ダ・カ・ラ、応援よろしくネ♪」
脂男   「は、はぁぁ、、、」アスカ  「眠気スッキリ!『フラスク』の試供品でーす! よろしくお願いしまーす!」
脂男   「萌え~、、、」塚越   「ささ、お客様、コチラにサインを、」脂男   「ぇ、あ、はぃぃ、、、」    アスカ、フラッツのブースから離れ アスカ  「へへ、ちょろいちょろい。」フラッツの申込書の束をゴミ箱へ アスカ  「さて、次はっとぉ、、、いたいた。」カモを見つけるアスカ アスカ  「眠気スッキリ! 『フラスク』の試供品でーす! よろしくお願いしまーす!」音楽系の若い男、フラッツのチラシを読みながら歩いている    どんっ。音楽系  「ぁスンマセン、」アスカ  「どこ見て歩いとんのじゃこのボケェ!!」
音楽系  「ひっ!」アスカ  「ワレ前見んと人にぶつかっておいて『スンマセン』の一言で済まされる思ぉとるんかゴルァ!!」
音楽系  「ぁ、あの、ですから、この通りです、、、」アスカ  「アタマ下げて許されとったらケーサツいらんのんじゃアホォ! 人と話すときはヘッドホン外せやぁ!」音楽系  「は、はい! あの、ど、どのようにすれば、ぉ、お怒りをお収めになられて、ぃ頂けますでしょうか……」アスカ  「おのれ、フラッツのチラシ持っとるなぁ、」音楽系  「いや、これはただ渡されただけで、」
アスカ  「ほぉ~~~、」音楽系  「ぇ!?」アスカ  「渡されただけ。『ただ渡されただけ』! 言うたな、ワシャ聞いたで、」
音楽系  「・・・はい、、、」アスカ  「今すぐあのタプコの根暗メガネ女んとこ行て申込みしてこいやぁ!!」
音楽系  「そ、そんな、ウチは光回線なんてとても、、、」アスカ  「してきたら許したる。せぇへんのなら、」片手で胸ぐらを掴むと、男の足はつま先しかつかない状態になる アスカ  「知らんで・・・。」音楽系  「スグ行ってきます!!」
         ダッシュする音楽系男アスカ  「いっちょあがり!」すり替えたフラッツの申込書を破くアスカ  「ふぅ、イイコトするって、気ん持ちぃぃぃ♪」◆ 秋葉原署内 取調室取調べデスクの篠原紗那弥(さなみ)肩肘をつき、頬杖ついてる
目の前には、斜め署の向かいの「どんぶり屋」で買ってきた大盛り天丼弁当を食っている快斗 
紗那弥  「ごめんね、仕事中なのに。」快斗   「いえ、ちょうど今休憩ですし、こうして涼しいところでゆっくり食事摂らせてもらって、逆にありがたいですよ。」 紗那弥  「んぐっんぐっんぐっゴクリ(黒いウーロン茶)」快斗   「それで、どうしたんです。」
紗那弥  「え、」快斗   「なんか話があるんじゃないんですか。」紗那弥  「ぁぁ、実はね、人を捜して欲しいの。」快斗   「人捜し?それって警察の方が得意なんじゃないんですか。」紗那弥  「それがね、普通の人間じゃないのよ。」快斗   「どういうことです。」紗那弥  「前にSATの演習で中東に行ったことがあるって言ったでしょ。」快斗   「演習中に本当のゲリラ戦に巻き込まれたってやつ。」紗那弥  「そう。そのときね、むこうの戦闘員と少しだけ話したことがあるの。」快斗   「あれ? 紗那弥さんて外国語しゃべれましたっけ?」紗那弥  「いいえ。」快斗   「んじゃぁ、ボディランゲージで?」紗那弥  「ぅうぅん、」快斗   「だったら・・・」
紗那弥  「日本人だったの。」快斗   「日本人。中東のゲリラ部隊が?」紗那弥  「高額で部隊に雇われた傭兵よ。」
快斗   「へぇ~。」紗那弥  「まぁ、日本人って言うか……飛行機が墜落して、たまたま傭兵に拾われてそのまま生活してるっていってた。拾ったのが日本人だったらしいわ」快斗   「それで日本語を。へぇ~。でも、すごい偶然ですね、そんな人と戦地で会うなんて。」紗那弥  「うん。」快斗   「で、探して欲しい人ってのは。」紗那弥  「そいつ。」快斗   「・・・そいつって??」紗那弥  「その傭兵。」快斗   「・・・オレにアジアを旅しろと。」紗那弥  「中東の戦地という戦地を隈無く探して欲しいの。」
快斗   「・・・お断りします。いくら『なんでも屋』といえども戦争には関わりたくありません。」紗那弥  「わかってる、今のは冗談。」
快斗   「……やめてください……紗那弥さんの冗談は冗談に聞こえないんですから。」紗那弥  「ごめんごめん。実はね、さっき会ったのよ、そいつと。」快斗   「そいつって、その傭兵と?」紗那弥  「うん。秋葉原で」。快斗   「ここで!?」紗那弥  「しかもこの署の真ん前でね。」快斗   「・・・で。」紗那弥  「・・・で。って?」快斗   「会ってどうしたんですか。宣戦布告でもされたんですか。もしかして、この秋葉原で戦争が!?」紗那弥  「いいえ、ただ挨拶されただけ、『よっ』って。」快斗   「『よっ』ですか。」
紗那弥  「そう。こぉぉぉぉぉぉぉぉ飛んできて、『よっ』って。」快斗   「はぁ、、、」紗那弥  「山口巡査と竹田巡査に追わせたんだけど、まだなんの連絡もないし。」快斗   「連絡がないんですか。・・・で。」紗那弥  「だから、」
快斗   「まだこの街にいるかもしれないから探し出せと。」紗那弥  「お願いできるかしら。」快斗   「・・・まぁ、やってみますけど、見つけたとしてもここに連れてこれるかどうか、」紗那弥  「居場所だけわかればいいわ、私の方から出向くから。」快斗   「そうですか。わかりました。写真か何かありますか。」紗那弥  「ないわね。」快斗   「それじゃ、名前は。」紗那弥  「わからないわ。」快斗   「・・・。」紗那弥  「聞こうとしたら砲撃があってね、それっきり。」快斗   「そ、そうですか・・・」
紗那弥  「やっぱりムリかしらね、まだこの街にいるかどうかもわからないし、」快斗   「ん~・・・そうだ。今ウチに一人すんごいヒマしてる居候がいるんで、そいつにやらせますよ。ダメモトだからお金もいりませんし、そいつにもやることできて助かるし。」
紗那弥  「ホント?」快斗   「はい。あ、助かるのはオレのことですけどね。」紗那弥  「ありがとう。どっちにしろ、ちゃんとお礼はするつもりよ。」快斗   「この弁当だけで充分ですよ。ごちそうさまでした。んじゃ、オレそろそろ戻りまから。」
紗那弥  「いつもごめんね、ムリ聞いてもらって。」快斗   「お互い様ですよ。それじゃ。」紗那弥  「うん。」◆ 秋葉原署 玄関        署から出てくる快斗 快斗   「傭兵探し、か。ま、アイツの暇つぶしにはちょうどいいだろ、少しは働いてもらわなきゃ。」 
◆ 署内 廊下    カツカツカツカツ歩く紗那弥 紗那弥  「・・・まだこの街にいるかしら。・・・いるとしたらなんで。・・・目的は。・・・わからない。・・・も      うこの街にはいないんじゃ。・・・あ”~~~~~イライラする。・・・まったく、なんなのよ、アイツは!」
職員1  「篠原さん、あのぅ、篠原元警部補、」紗那弥  「なによ!!」職員1  「……いえ、どちらに行かれるのかと、、、」
紗那弥  「お手洗いに決まってるでしょ!! なんか文句あんの!?」職員1  「ぃ、ぃぇ、しかし、、、」紗那弥  「用がないならさっさと仕事しなさい! 仕事っ!!」言い放ち、トイレに入る紗那弥 職員1  「……篠原元警部補って、女だよな・・・」職員2  「……私が知っている頃は・・・」2人が見つめる先には【男子お手洗い】の文字         ドンガラガッシャーン! 
声    「うわぁーーー!!」紗那弥  「警察署内で痴漢とは不届千万!! たっぷり絞ってやるから覚悟しなさい!!」
声    「だ、誰かぁー!!」職員1  「……さっき、署長が入っていくの見た気がするんだけど、気のせいだよな、、、」
職員2  「……気のせいですよ、、、」職員1  「……いま、なにか聞こえたか、、、」職員2  「……いえ、最近難聴気味で、、、」職員1  「・・・。」職員2  「・・・。」職員1  「仕事に戻らなきゃな、、、」職員2  「……そうですね、、、」    ◆ 「ドンキィ☆フォーティ」付近アスカ  「おのれナメ腐ったこと言うとったらシバキ倒すぞゴルァ!」もやし  「ひぃ~!!」もやし男が犠牲になる 
アスカ  「またまたあがりぃ!」    ◆ タプコ申し込みブースもやし  「あ、あの、」天野   「はい」、もやし  「タ、タプコに入ります!」天野   「……はぁ……ではこちらにお座り下さい。内容についてご説明させて頂きます。」
もやし  「いえ! すぐに入らせてください!」天野   「……はぁ……ではこの規約をよくお読みになり、こちらにサインを、」
もやし  「(即サイン完了)こ、これでいいんでしょうか、」天野   「あ、ありがとうございます(……今日はなんでこんな挙動不審な人ばかりなのかしら…)。では、後日こちらより宅内工事の日時設定のご相談のお電話をさせて頂きますのでお待ち下さい。それと、これ。どうぞ記念にお持ち下さい」タプコのキャラストラップを渡すもやし  「い、いいんですか。これ、もらっていいんですか。オレが、、、」天野   「え、ええ、どうぞ、」もやし  「こんなもの頂けるなんて(涙)」
天野   「あの、お客様、、、」もやし  「天使だー! オレは今日、天使に会ったぞー!!」天野   「私は天野と申しますが・・・」
塚越   「さーさ、皆さんご注目! 光回線はフラッツがナンバー……うわぁー!!」ドドドドドドドドドドドドドドドドドド 
天野   「へ!?」野郎1  「タプコ入らせて!」野郎2  「申込書ちょうだい!」野郎3  「お願いだから入らせてー!!」天野   「は、はい、あの・・・」野郎共  「・・・。」天野   「並んでください、」野郎共  「・・・はいっ!!」        ピッ! と整列する野郎ども    カナリの長蛇の列である 天野   「では…じゅ、順番にですね、申し込み受付を行います、」
野郎共  「よろしくお願いします!!」天野   「・・・なんなの、これ・・・」 キャンギャル姿でガードレールに座り、ノビをするアスカ
 アスカ  「ふぁ~、さすがに疲れたなぁ。どっかにビールでも売ってねーかなぁ、、、」後ろから声がする男    「キミ。」アスカ  「んぁ?」男    「何をやってるんだこんなところで! 早く仕事に戻りなさい!」アスカ  「シ・ゴ・ト??」男    「はいこれ!」ドサッ! 男    「今日のノルマね。いつまでもサボってると、コレ配りきるまで終われないよ」アスカ  「コレ、全部・・・」男    「そうだ。ワゴンの後ろのトラックにもまだまだあるんだからね、頑張ってできるだけ減らしてく  れなきゃお給料出ないよ!」アスカ  「トラック・・・」男    「頼んだよ! 全く、近頃の若い娘はホンット仕事をなんだと思ってんだか、、、」     歩き去る男に目をやりながら、アスカ  「・・・(ニヤ)。」【20:13】    「ドンキィ☆フォーティ」前
 快斗   「ふぅぅ、やっとおわったね、」長蛇の列がなくなり、ブースを片付け始める快斗と天野        辺りはすっかり暗くなっている
 天野   「うん。なんだったんだろ、突然ものすごい勢いで人が並び始めたのよ。」快斗   「つかさちゃんの人気じゃない?」天野   「たぶん違うと思うわ。」快斗   「あは、そ、そーだね。一体何があったんだろうねぇ、あはは・・・。」
塚越   「ふんっ!」快斗   「ん?」塚越   「ま、今日の所は試合に負けたが勝負はアイコってことにしといてやるよ。」天野   「別に勝負なんてしてませんけど……」塚越、フラッツの契約書を持ち 塚越   「ま、オタクらに勝っても嬉しくはないがね!」天野   「歩合給が欲しいだけでしょ」塚越   「見くびってもらっちゃ困るなぁ、契約は気持ちだよ気持ち。(書類をめくりながら)この1枚1枚にサインをしてくださったお客様の『光を使いたい』『電話代を安くしたい』『やっぱり光はタプコだわ』という、ありがたい声あっての・・・ん!?」快斗   「タプコ?」天野   「どーしたのよ。」塚越   「・・・こ、これ、タプコの書類だ・・・。」快斗   「え?」
塚越、契約書をめくりながら、イヤな汗が湧いてくる 塚越   「これも、これも、これもこれもこれもこれもこれもこれもこれもこれもぜーんぶ、『タプコの申込書』だ・・・。」身体のチカラが抜け、思考が停止状態の塚越 天野   「戻りましょ。」快斗   「そうだね。」
書類や宣伝旗や小物類をリュックに詰め、折りたたんだブースを持って事務所に戻る2人 
塚越   「・・・・・・・オレの、歩合給が・・・」【20:31】    ◆ 裏通りにある雑居ビルの一室(日借りの仮事務所)階段を下りて通りに出る2人 快斗   「お疲れ様でした。」天野   「おつかれさま。今日はありがとね、」快斗   「いいえ、コチラこそ、」
天野   「また現場で一緒になれるといいわね。」快斗   「そうだね。また長蛇の列ができるかもしれないし。」
天野   「名コンビになったりして。」快斗   「全国ツアーとかやることんいなったりして、」天野   「うわぁー、行きたい行きたい!」快斗   「はは、はははははは(オレは行きたくね~……)。」天野   「それじゃ、またねー!」快斗   「・・・おつかれさまぁ、、、ふぅ、」駅に向かう天野をボーッと見送る快斗 快斗   「さてと、帰るか!」アスカ  「カ~イト!」快斗   「アスカ!?」
アスカ  「おつかれさま。」快斗   「何やってんだよこんなところで、」アスカ  「んん~ん、つれないな~迎えに来たに決まってんじゃんかぁ。さ、帰ろ帰ろー!」組んだ腕で引きずられるように動き出す快斗快斗   「迎えにって、今日は留守番してろって言っただろ、」アスカ  「大丈夫だよ、部屋はちゃ~んと護ってるから。」快斗   「そんなワケないだろ、こうしてここにいるんだから。」アスカ  「カ~イト、晩飯はステーキ? 中華? 何がいい?」快斗   「なんでもいいよ、」
アスカ  「なんでもいいじゃわかんないだろぉ~♪」途中から完全に、ただ引きずられていく快斗量販店に並ぶテレビでは、ニュースが始まるニュース 「次のニュースです。本日午後未明、東京都・秋葉原の電気街付近で、変質者と思われる人物を追跡中の警官2人が何者かに襲われ、万世橋に吊されているのが見つかりました。発見当時、警官らは下着1枚という姿で、手足はロープのようなもので縛られ、口はガムテープで塞がれ、中にはラムネ菓子が詰められていたということです。身体的な健康状態に異常はないのことですが、恥ずかしい格好で大勢の目にさらされた精神的ショックにより、現在は涙が止まらない状態だということです。万世橋警察署は、2人からの強い希望により、犯人を捜索することはせず、死傷者もでていないことから、今後この事件について真相を究明することを控える方針だとのことです。」【20:47】    快斗の部屋の前    スーパーのビニール袋を両手に持っている快斗        片手にまとめて持ち替え 快斗   「まったく、部屋を護っとけって言ったじゃないか」アスカ  「そんなに怒るなよ、大丈夫だっていってんじゃんかぁ。」快斗   「なにが大丈夫なんだか、」    鍵を開け、ドアを開けて中に入る アスカ  「気をつけた方がいーぞぉ。」快斗   「ん、なんか言ったか、」 ビュンッ!!    玄関から出したアタマの後ろに何かの気配を感じる快斗 快斗   「ん、なんだ今の、」
アスカ  「さっすがカイト! アタシのトラップを交わすなんて、並の人間にできることじゃないぜぇ!」快斗   「・・・。」
 エレベーターから小峯恵梨香(こみねえりか)が降りてくる。低身長、ストレートの黒い髪、いまだに厚底靴を履いている。そしてこの上なく似合っている    小峯   「あら、快斗くんこんばんわ。」快斗   「小峯ちゃん、今日は学校?」
小峯   「サークルの会合~。」小峯、快斗の部屋を通り過ぎ自分の部屋に鍵を差し込む 
小峯   「そだ、来週、大学院の連中集めて研究会やるんで、ちょっとうるさくなるかもしれないから、ヨロシクちゃ んでーす。」
小峯、部屋に入る前に2人を見て小峯   「ムフフフフフフフ ( *´艸`) ……じゃ。」    バタン
アスカ  「なんだアイツ、気持ちワリィ。さ、カ~イト、アタシ達も愛の巣に入ろ♪」快斗   「愛でも巣でもない!」
ガチャドアを開ける快斗 快斗   「ん?? とらっ・・・ぷ・・・。」アスカ  「うん♪ (^-^)v 」        え”ーーーーーーーーーーー!! 
快斗、電気に手を伸ばすが一瞬ためらい、    スマホのLEDをONにして室内を照らす 快斗   「な、なんだこれは・・・」 
        部屋中に張り巡らされているピアノ線 快斗   「どーゆーことだよ!?」アスカ  「だからトラップだってばぁ。留守中、泥棒が入ったときのために仕掛けといたの」快斗   「もしかして、このピアノ線に引っかかったら、」アスカ  「もちろん、どかん! よ。吹き矢とかマシンガンとか手榴弾とか仕掛けてみたんだけど、」快斗   「ホントに爆発したらどーすんだよ!」アスカ  「大丈夫だって、壁は全部防弾にしてあるから。」快斗   「中から防弾にしてどーすんだよ!!」アスカ  「でもちゃんと護れてるだろ」快斗   「・・・。」アスカ  「足りなかったか?」快斗   「今すぐ全部外して元に戻せー!!」
アスカ  「え~、せっかく仕掛けたのにぃ。」快斗   「外さなきゃ中に入れないだろ!」アスカ  「わぁかったよ、解体するから」アスカ、部屋に入り、アスカ  「もぅ、あんなに怒ることないじゃんか…。」 外でため息をつく快斗    ふと見ると、ドアから小峯が顔を出している 小峯   「大変そうですね。」快斗   「小峯ちゃん、ごめんね、うるさかったかな。」小峯   「いえいえ、楽しく聞かせてもらってます。」快斗   「え、」小峯   「いや~、何でもない何でもないー。ところでどうです? 時間もかかるみたいだし、ウチでお茶でも。」快斗   「悪いね、お言葉に甘えてお邪魔するよ・・・。」小峯   「ささ、どうぞどうぞ~。」 中に引っ込む小峯
快斗   「アスカ、終わったら教えてくれ。小峯ちゃんの部屋にいるから。」アスカ  「ナニぃ!? カイト、アタシ以外の女と部屋で2人っきりになるつもりか!?」快斗   「自分の部屋に入れないんだから仕方ないだろ。」アスカ  「仕方なくない! いくらカイトがチビ好きだとしても、それだけは許さないからな!」快斗   「ぁあ、危ないってアスカ、足下足下!」アスカ  「足下がどーしたぁ!」ぷちんっ。 アスカ  「ん?」ドッカーーーン!!    ドアからものすごい勢いで吹き出す黒煙がカイトを一瞬包む視界が開けてくると・・・真っ黒な快斗、ただ呆然とたたずんでいる アスカ、部屋の真ん中で、これまた真っ黒になり    仰向けでピクピクしている
 アスカ  「(ピク……ピクピク)……やっっっちまっっった……」        小峯、ドアから顔を出し小峯   「あらあら、お盛んねぇ」 快斗   「小峯ちゃん・・・シャワー借して・・・。」         『夢であれ。』そう  ” 強く ” 願う快斗であった。      (第2話『 夢であれ 』 完。)