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幕no内弁当!

秋葉原で「なんでも屋」を営む桐嶋快斗の日常を、台本形式でお届け!
 
この物語はフィクションです。登場する人物/団体/名称等は全て架空であり、実在するものとは一切関係ありません。
※許可のない転載は厳禁です

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『H.E.I.W.A.』【9:27】    ◆ 快斗の部屋    ちょっと遅い朝食をとっている快斗とアスカ
快斗   「痛っ」アスカ  「ん? どーしたん?」快斗   「ちょっと首がさ、」
アスカ  「ムチウチか?」快斗   「違う……」アスカ  「オカマ掘られたんか?」
快斗   「違うよ……」アスカ  「借金で……」快斗   「違うってば! 寝違えたんだよ。」
アスカ  「寝違えた? なんで!?」快斗   「寝慣れないソファで1週間寝てるんだぞ、体も休まんないし、あちこち痛いんだよ。」
アスカ  「ベッドで寝ればいーじゃんか。」
快斗   「オレがベッドで寝てるのに勝手に潜り込んでくるのはどこの誰だよ。少しは潜り込まれる方の身に
      もなってくれよ」アスカ  「だからベッドで一緒に寝ればいーだろって言ってるじゃんかぁ、」
快斗   「寝れるわけないだろ!」スカ  「なんで?」快斗   「なんでって、オマエはタダの居候だろ!」
 キッチンへ行くアスカ快斗   「オレの彼女でも何でもないんだから!」
アスカ  「そりゃ彼女じゃないけどさぁ、でぇもぉ、ユクユクは夫婦になるワケだからぁ、」
快斗   「ならないよっ!」アスカ  「エェーーー! ならないのぉーーー!?」
快斗   「ならない。」スカ  「ん~~~~~~。ま、今はってことで、 」
快斗   「今はじゃないっ! これからもないっ! オレとお前の関係が今より進展することはない!」
アスカ  「ってことは『居候』に関しては問題ナシってことだな、フムフム」
快斗   「・・・。」冷たいタオルを快斗の首にかけてやるアスカ
快斗   「ありがと。それで? こないだの仕事。なにか手掛かりはあったのかよ」
アスカ  「仕事? ぁぁ、こないだ言ってた『傭兵を捜す』ってアレ?」快斗   「そう」
アスカ  「だから言ってんじゃんかぁ、アタシが探したって見つからないぜって」快斗   「見つからなくても、捜す努力をしろよ」ア
スカ  「ん~、努力してもなぁ・・・アタシが見つけることは不可能だと思うんだよなぁ、」
快斗   「そんな風にネガティブに考えるからだよ。もっとこぅ、『見つけるぞ!』てゆー意欲を持てばさ、
      ほら、何らかの手がかりを見つけることができるかもしれないだろ?」アスカ  「何らかの手がかりねぇ・・・まぁ、手がか
りを残すことはいくらでもできるんだけどさぁ、それをアタシ が見つけるってのに矛盾があるんだよなぁ、」
快斗   「だ~か~らぁ、残すんじゃなくてみつけるの。」アスカ  「わかったよ、一応、やってはみるけどさぁ、」
快斗   「頼んだぞ。紗那弥さんの頼みなんだから」アスカ  「・・・ム~リだと思うんだよなぁ~」 
 快斗、冷蔵庫を覗き込み快斗   「あれ、野菜ジュースがないやぁ、」
アスカ  「あ、アタシ買ってくる! いつものヤツね♪」快斗   「ああ。」
アスカ  「ついでに晩ご飯の材料も買って来るわ」快斗   「いいけど、」
アスカ  「ナベでいいよな」快斗   「鍋? もう夏だぞ?」
アスカ  「だからイイんじゃんかぁ、汗かきながらお鍋をつついてさ、そのままベッドでまた汗かいてぇ、」
快斗   「かかない! そんな汗は絶対かかない!」アスカ  「んもぉ! 恥ずかしがり屋さんなんだから♪」
快斗   「恥ずかしがり屋さんじゃない!」アスカ  「ハイハイ。じゃ、行ってきまー!!」
快斗   「・・・。」    一人部屋に取り残される快斗本来この部屋のあるべき姿ではあるのだが、
        なぜかがっくりと方を落とし、快斗   「はぁ・・・。」◆ エレベーターホール
    2機あるエレベーターのうち、手前側に飛鳥が乗り込み、1Fへ向かう。
    すると、もう1機のエレベーターのドアが開きもう1機のエレベーターのドアが開き……
◆ 快斗の部屋快斗   「はぁ……カラダがだるい……」
ピーンポーン快斗   「はーい。」ドアを開ける快斗
快斗   「紗那弥さん、どうしたんです、珍しい。」紗那弥  「うん、ちょっとね。」
「STAY BACKS COFFEE」PHANTOMサイズのカップを持ち、もう片方の手は腰に。
(このカップはステバで1番大きいサイズ)小さい方から順に、Pixie(ピクシー)Wizard(ウィザード)
Gohst(ゴースト)そして、Phantom(ファントム)
つまり、スタバでいうVentiくらいの大きさってことである
快斗   「よかったら上がってください。」  「ありがとう」◆ 快斗の部屋 リビング
ソファに座っている2人    紗那弥、ファントムを置き 
紗那弥  「ごめんね、急にお邪魔しちゃって」快斗   「いえ。どうかしたんですか?」
紗那弥  「・・・ヒマでさ。」快斗   「・・・。」
紗那弥  「や~っぱ日本は平和よねぇ、SATが出動するなんて年に何回もないし。そのために24時間体勢で
      スタンバってなきゃならないなんて、」快斗   「愚痴を言いにきたんですか、」
紗那弥  「相談よ。」快斗   「相談ねぇ」紗那弥  「しゃべることもストレス発散のうちよ。」
快斗   「やっぱり愚痴じゃないですか」紗那弥  「苦痛なのよぉ、そりゃ平和に越したことはないけど、演習にも飽きてきたし。事件
が起こって欲しい   とは思わないけど、かといって何もないのはそれはそれでいろいろとね。」
快斗   「贅沢な悩みじゃないですか」紗那弥  「本庁に掛け合って出動基準を下げてもらおうかしら。」
快斗   「いざってときにも、ちゃんと対応できる程度ならいいですけど」
紗那弥  「そこがネックなのよねぇ、」快斗   「いいんですか、」紗那弥  「なにが?」
快斗   「守秘義務ってヤツですよ」紗那弥  「だって快斗君だもん。」
快斗   「どーゆーことですか (-_-;) 」紗那弥  「私の秘密は守る依頼はしてあるでしょ。」
快斗   「依頼になってないし受けたつもりもありません。話そうと思っても誰にも話せる内容じゃないですもん、
・・・ズルイですよ」紗那弥  「よく言われるわ。」快斗   「わかります。」
紗那弥  「・・・。」快斗   「・・・。」紗那弥  「・・・・・・・・・・はぁ」
快斗   「あ、そうだ、こないだの話なんですけど、」紗那弥  「ぇ、」
快斗   「傭兵捜し」紗那弥  「ぁぁ、」快斗   「まだ見つからないみたいで、」
紗那弥  「でしょうね、そう簡単に見つかるような相手じゃないしね、無理を承知で頼んでるわけだし、」
快斗   「すいません」紗那弥  「いいのよ、快斗君が悪いんじゃないんだから。」
快斗   「アイツがもう少しマジメにやってくれたら、少しは手がかりが掴めるかもしれないんですけど」
紗那弥  「アイツって、居候の?」快斗   「はい。少しは役に立って貰わないと」
 ガチャアスカ  「ただいま~」快斗   「その居候ですよ」
紗那弥  「じゃ、私そろそろ失礼するわね、」快斗   「え、もう帰っちゃうんですか?」
紗那弥  「居候が女の子だなんて知らなかったからね、」快斗   「できればいて欲しいんですけど、」
紗那弥  「何言ってるのよ、オジャマしちゃぁ、ワルイから。」快斗   「なんですか、そのイヤラシイ目は!?」
紗那弥  「あ~ら、そんな眼したかしらぁ~」快斗   「してるじゃないですか今だってぇ、」
帰り支度をする紗那弥キッチンで冷蔵庫を開けるアスカ
アスカ  「カイトォ、鍋の材料買い過ぎちゃったから晩飯は小峯でも呼ぼうかなぁって思ってるんだけどぉ、ぁ、
      ジュースは1番下に入れとくわ」紗那弥  「ただの居候ねぇ、」
快斗   「いや、だからこれは、」紗那弥  「隠さなくたっていいじゃない、誰にもしゃべんないからさ、」
快斗   「そーゆーことじゃなくってですねぇ、」アスカ  「カイトぉ、チョコバー買ってきたよ~。紗那弥も食うか?」
紗那弥  「ぇ・・・」快斗   「ぇ・・・」アスカ  「よっ。」紗那弥  「・・・。」
快斗   「・・・。」アスカ  「・・・ん? どした、」 
    今起こっていることをやっと把握し、急激に顔色が変わる紗那弥
 紗那弥  「&%▽$#●=%!*WE▼?<◎|=■△&%$#!▲*○+」
快斗   「さ、紗那弥、さん?」アスカ  「ツワリか?」
        紗那弥、突然快斗を掴み玄関に向かって走り出す
快斗   「う゛ぁぁぁぁぁ!!」快斗を引きずりながら手榴弾のピンを抜く紗那弥
紗那弥  「快斗君、こっちよ!」快斗   「紗那弥さん!それってまさか……」
部屋の奥に投げ込み、そのままドアを出て、後ろ手でドアを占め、その脇に快斗をかばうよう
        にうずくまる紗那弥どっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!
    黒い煙が、ドアを吹き飛ばす外廊下にへたり込む快斗
快斗   「なんで、こうなるの……。」最奥のドアが開き、白衣にパジャマ帽を被った
寝起きの小峯が、アクビをしながら顔を出す
小峯   「おはようございまーふ。あら、紗那弥さんだ。今日は3P?」
快斗   「・・・ある意味ね・・・( ̄□ ̄;)」
【9:51】   快斗の部屋 リビング部屋中 真っ黒である
爆発で破損したソファーに座っている快斗と紗那弥とアスカ
紗那弥  「ちょっと! どぉーゆぅーコトよコレはぁー!?」
快斗   「ち、ちがうんです! コイツはタダの居候で、ホント、何もないんです! 男女の関係云々の前に、オ
      レ、コイツのこと女として見てませんから!!」
アスカ  「んもぉ~、つれないこと言うなよカイトぉ、毎晩一緒に寝てるじゃんか~、」
快斗   「勝手にベッドにもぐり込んできてるだけだろーが!」アスカ  「だってぇ~、ひとりで寝るの、サミシィんだもん♪」
快斗   「だからって人のベッドに、」紗那弥  「ちょっと待ちなさぁーいっ!!」
快斗   「・・・さ、紗那弥、さん、、、」紗那弥  「そりゃぁ・・・見つかるわけ・・・ないわよね・・・」
快斗   「へ……」紗那弥  「確かに・・・見つからないわ・・・」
快斗   「あ、あのぅ、」紗那弥  「快斗くん、」快斗   「は、はい・・・」
紗那弥  「・・とりあえず、」快斗   「な、なんでしょう・・・。」
手榴弾のピンを抜く快斗   「またですか……」紗那弥  「・・・キッチンに逃げてー!」
快斗   「うわぁーーーー!!」手榴弾をリビングに転がしたままキッチンに快斗
を投げ込み、その上に覆い被さる紗那弥床と紗那弥の胸に挟まれる快斗の頭
 快斗   「オ、オレの部屋がぁ・・・。」オッパイどころじゃなかった快斗であった。
 【10:39】 ◆ 同じくリビングソファにはススで真っ黒になった3人
        2人に挟まれ、耐えきれない快斗
 快斗   「・・・。」紗那弥  「・・・。」
アスカ  「・・・。」 快斗   「・・・・・。」
紗那弥  「・・・・・。」アスカ  「・・・・・。」快斗   「・・・・・・・・・・。」
紗那弥  「・・・・・・・・・・。」アスカ  「・・・・・・・・・・。」
快斗   「なぁんだ、そーゆーことだったんですかぁ。」アスカ  「なにがだ??」
快斗   「お前は黙ってろって、」
アスカ  「いま一体何が問題んなってんだ?」快斗   「ややこしくなるから入って来るなよ、」
アスカ  「わかったよぉ……」
快斗   「だいたいな、オレが話をしたときにどうして言わなかったんだよ、『 それは自分だ 』って、」
アスカ  「言おうとしたら止めたのはカイトじゃないか。」快斗   「・・・。」
アスカ  「言ったよアタシは、『アタシが見つけるってのはムリだと思うよ』って。『だってそれはアタシのことだから』って言おうとし
たら『 居候なんだから少しはやってみろ 』って聞く耳持たなかったのはカイトじゃんかぁ。」
快斗   「・・・そうだった。」
紗那弥  「わかったわ。・・・とにかく、アタシが訊きたいのは1つだけよ。なぜアナタが日本にいるのか、しか
      も快斗君の部屋に。」アスカ  「2つじゃんかよ。」紗那弥  「なぜアナタが日本にいるのか!」
アスカ  「なぜって、、、言われてもなぁ。ま、なんとなくだよ。」紗那弥  「傭兵は、」アスカ  「やめた。」紗那弥  「なんで
。」アスカ  「だからなんとなくだってば。」紗那弥  「・・・なんで快斗君の部屋に居候してるのよ。」
アスカ  「偶然だよ偶然。お前の知り合いだなんて知らなかったぜ。っつーか、お前がこの街にいることも知ら
      なかったんだぜ。」紗那弥  「どーだか。」アスカ  「信じる信じないは勝手だけどな。」
紗那弥  「・・・。」快斗   「・・・。」ピンポーン
隊員   「警視庁・現場修復班、到着しました。」紗那弥  「ご苦労様。」
隊員   「こ、これはいったい……」紗那弥  「質問はナシ。」
隊員   「ハッ。」紗那弥  「どのくらいかかるかしら。」
隊員   「15時間程度で完了するかと……」紗那弥  「6時間でお願い。」
隊員   「・・・ぃゃ、あのぉ、6時間では……」紗那弥  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
隊員   「直ちに作業にかかります!」
紗那弥  「快斗君、部屋が戻るまで少しの間外に出ててくれない? 終わったら連絡するから。」
快斗   「はぁ、それはいいですけど……」アスカ  「電気街でもぷらぷらすっか。」
紗那弥  「アンタはダメ!」【11:46】  ◆ 秋葉原署 第2取調室アスカが机を叩く
アスカ  「なんでアタシだけこんなトコに連れてこられなきゃいけないんだよ。」
紗那弥  「じっくり話を聞く必要があるからよ。」アスカ  「アタシャなんも犯罪なんか起こしちゃいねーだろが。」
紗那弥  「これから起こす可能性があるでしょ。ジューブンにね。」ドアが開く刑事1  「篠原さん、届きましたが……」
アスカ  「おー! 待ってたぜぃ!」紗那弥  「・・・。」
届いたカツ丼を目の前に、割り箸を割るアスカ紗那弥  「あ ん た ねぇ 。」
アスカ  「1回やってみたかったんだよなぁ、取調室でのカツ丼! 噂にゃ聞いてたけど、やっぱ結構うめぇんだ
      な!」ムシャムシャ喰いまくるアスカ
紗那弥  「言っとくけど、それ、タダじゃないからね。」アスカ  「・・・ぇ?」
紗那弥  「留置室で出す食事は1日3回、こっちで決まったメニューを出す。それ以外は釈放されるときに注文した本人が支払うことにな
ってるの。」アスカ  「・・・。」
紗那弥  「だいたい、そのカツ丼はここに来る途中にそば屋に寄ってアンタが勝手に頼んだんじゃない。まだ逮捕もしてなのに食事が出る
わけ無いでしょうが。」アスカ  「・・・。」
紗那弥  「・・・。」アスカ  「・・・ちょっと食べない?」
紗那弥  「食べない。」アスカ  「・・。」紗那弥  「・・・。」
アスカ、取調室の外に向かって大声でアスカ  「おっちゃん! 領収書はサナミ宛だよ!!」紗那弥  「ちょっとナニ言ってんのよ!!
」何事もなかったかの様にまたカツ丼にがっつく
アスカ紗那弥  「もうっ!」◆ 電気街平日にもかかわらず、人は多い快斗   「ぷらぷらしててって言われてもなぁあ……」
快斗が上野方面へと歩いていると、ティッシュ配りをしているメイド姿の女の子が中年男性・田間守(たまがみ)に怒られている。うつむい
ているからなのか、黒く長い前髪は刺さ
        るんじゃないかという程、目にかかっている田間守  「ダメダメダメ! そんなんじゃ受け取ってもらえないってば!」
てん子  「はい、すみません……」
田間守  「キミのお給料はね、コレを受け取ってお店に来てくれるお客から出てるんだからね!?」てん子  「はい、がんばります……
」快斗   「どうしたんですか、田間守さん」
田間守  「あ、快斗くん、いいところに来てくれた。快斗くんからも言ってやってよ。この子ティッシュ配りがヘタ
      なんだよ。最近の若い子はこんなコトもできないのかねぇ」マロン  「店長、それ、私たち全員を適にまわしますよ。」
チャチャを入れてるのは、黒いポニーテールに萌えメガネをかけている先輩メイド・マロン
田間守  「いや、君たちはよくやってくれてるじゃないかぁ」快斗   「今日が初めてなの?」
てん子  「はい。ごめんなさい……」田間守  「だから泣くなって~。もと笑顔で、こう、♪オネガイシマ~ス!って。こう!」
快斗   「ちょっと待ってくださいよ、田間守さん。この子は女優さんかなんかですか?」田間守  「いやいや、そんなわけないだろう
、ウチは素人専門だからタレント系は雇わないことにしてるんだよ。」快斗   「だったらウマくなんていきませんよ、ちゃんと教えてあ
げなくちゃ。」田間守  「教えるもナニも、笑顔で渡すくらい普通できるでしょうに。」快斗   「人それぞれ、『普通』の尺度は違い
ますよ。それに、そんなにガミガミ言われたら、笑顔になりたくてもなれませんて。」マロン  「サッスガ快斗さん! イイコト言う!」
田間守  「私のせいだって言うのかい?」
マロン  「はい。」沈んでるてん子を励ますために、場を明るくしようとしているのだろう「相変わらず優しいヤツだな」と思う快斗
快斗   「いや、そうは言ってませんけど、こういうのにはちゃんとヤリ方ってモンがあるんです。」
田間守  「だから笑顔で……」快斗   「その笑顔を作ることが難しい人だっているんですよ」
田間守  「それじゃぁ商売にならないよ~」マロン  「じゃ辞めちゃいますか!」
快斗   「まあまあ。えーっと……」てん子  「……てん子です」
快斗   「てん……子……ちゃん。まず、受け取ってもらえる確率だけど、どのくらいだと思う?」
てん子  「……3人に1人くらい。」快斗   「受け取ってもらえた?」
てん子  「……いえ」快斗   「当然だね」てん子  「……やっぱり私が渡すのヘタだから……」
田間守  「だから泣くなってぇ~!(汗)」マロン  「黙ってて!」
快斗   「違うよ、てん子ちゃん。渡すのが下手なんじゃなくて、想定してる確率が高すぎるんだよ。」
てん子  「高すぎる?」快斗   「そう。該当で配布物を受け取ってもらえる確率は10分の1弱、つまり、10人に1人がもらってくれ 
   ればイイ方なんだ。」てん子  「そんなもんなんですか?」
快斗   「うん。もちろん、たくさん受け取ってもらうに越したことはないけど、それには技術もあるし、配って
      いるモノにもよるんだ」てん子  「この、ティッシュは……」
快斗   「てん子ちゃんの格好に興味があったり、メイドカフェに興味がある人もいる。ただ単にティッシュが欲しいっていう人もいるけ
ど、メイドに興味が無くて今ティッシュが必要じゃない人もたくさんいるよね?」
てん子  「……はい」快斗   「だからまずは、『受け取ってもらえなくて当然』くらいのつもりでやってみたらどうかな?」
てん子  「・・・。」店長の田間守をチラと見るてん子両手を腰にあてて頷いているマロン
マロン  「(うん! うん!)」快斗   「大丈夫。今日1日、ボクがついてるから一緒にやってみない?」
てん子  「ぇ」田間守  「ほ、本当かい快斗くん!?」快斗   「ええ」マロン  「快斗さんずるぅーい」田間守  「すまないね
、こんなティッシュ配りなんかで……」快斗   「大事な仕事なんでしょ?」田間守  「まぁ、そりゃね……」
快斗   「どうだろ? てん子ちゃん」てん子  「……はい、お願いします」快斗   「じゃぁ決まり。2人で頑張ってみよう」マロ
ン  「3人だからね!」快斗   「田間守さんはお店に戻っててくださ。」田間守  「ああ、わかった。いいかてん子、終わったら快
斗くんをちゃんとお店までお連れするんだぞ!」てん子  「……はい」田間守  「じゃ、快斗君ヨロシクね!」
店に戻る田間守快斗   「さてと、それじゃ早速やってみようか。」てん子  「でも、どうやったら笑顔で渡せるのか……」快斗   
「そんなこと考えなくても大丈夫。まずは、10人に1人だよ。」てん子  「……ハイ。」
【13:19】 ◆ 秋葉原署 第2取調室頭の後ろで手を組んでいるアスカ
アスカ  「……お~い、いつまで続けんだよー。」紗那弥  「アナタが全部しゃべって、この街を出て行くまでよ。」
机に両足を乗せ、クロスワード雑誌をやっている紗那弥アスカ  「だからそんなに詳しく覚えてねーって。」
紗那弥  「パンはパンでも宇宙一大きなパンは……っと。……よしっ。」
アスカ  「しゃべらなかったら? 留置室にでも入れんのか?」紗那弥  「いいえ。そんな税金の無駄遣いはしないわ。」
アスカ  「どの道帰れんなら一緒じゃんかよ」
紗那弥  「いいえ。野宿よ。」アスカ  「ノジュク!?」紗那弥  「快斗君の部屋には帰さない。」
アスカ  「そんなのアタシの勝手だろーが」紗那弥  「明日になってもまだこの街にいたら、」
アスカ  「この街にいたら?」紗那弥  「そのときは射殺する。」アスカ  「・・・。」
紗那弥  「この街の平和を守るのも私の仕事ですから。」アスカ  「マンションの1室で手榴弾使うのもその仕事のウチか?」
紗那弥  「あれは不可抗力よ。」アスカ  「・・・。」紗那弥  「・・・。」
アスカ  「だいたいオマエはSATなんだろ? なんで普通に警察署に出入りできて取調室まで使えるんだよ、そんな権限はないだろーが」
紗那弥  「いろいろあるのよ」アスカ  「いろいろって?」紗那弥  「あんたの知らないイロイロよ」アスカ  「・・・。」
コンコンッノックと同時にドアが開き、顔が覗く頼りなさ度MAXの弓削(ゆげ)巡査である
弓削巡査 「篠原元警部補、ちょっとよろしいでしょうかぁ……」紗那弥、「わかったわよ」と片手を上げ
紗那弥  「おとなしくしてなさい」紗那弥、ドアに向かい歩きながら
手元のクロスワードの問題を読み上げる紗那弥  「ぇ~っと? 『電話ボックスにぃ』 」
アスカ  「 『NHK』 」紗那弥  「……」紗那弥、答えを書き込み、後ろ手にドアを閉めて出て行く
    一人になったアスカはテーブルに脚を乗せアスカ  「・・・ヒマだ・・・。」
両手を頭の後ろで組み、壁掛け時計を見上げるカチカチ回る秒針を見つめながら
アスカ  「な~んか面白ぇコトねぇかな~」(第003話『H.E.I.W.A.』は、まだ続きます!)