今年のミステリーから その1 | 映画、その支配の虚しい栄光

映画、その支配の虚しい栄光

または、われわれはなぜ映画館にいるのか。

または、雨降りだからミステリーでも読もうかな、と。

または、人にはそれぞれ言い分があるのです…。

久々、半年ぶりのミステリー・ネタ。
今年出た新刊ものから。しかし、私は貧乏なので新刊を買えない。だからウィンズロウの新作も、もろもろの話題作を読んでないけど。

「ボーダー」垣根涼介 (○○○●●)
忘れた。ケイパー二人組が主人公の友人を本気で殺そうとするとこがよかった、と思う。

「WORLD WAR Z」マックス・ブルックス(○○○●●●)
ゾンビものの集大成というか、決定版。
ゾンビものの怖さってのは、じりじり近づいてくる者にいつの間にか囲まれてしまって、身動きとれない状態のことなのだろうが、それを軍隊レベルでやってるとこが素晴らしい。
ただし、ゾンビとの戦いをインタビュー形式で回顧する形式がいいのかどうか。本当はこれを「小説」で読みたかったよ。
ともあれ、今年のベスト10候補。

「機龍警察」月村了衛(○○○●)
忘れた。すかすかの一気読み、と言い切るにはちょっと骨があった気がしなくもない。

「殺す女」ウェイン・バーカム(○○)
まじ忘れた。読んだ頃のメモをみたら、評価がとても低かった。多分、すごくつまらなかったのだろう。

「兄の殺人者」D・M・ディヴァイン(○○○○)
ディヴァインは往年のクリスティに匹敵する、ロス・マクドナルドが気合いを入れて本格を書こうとしたらこうなる。人物関係だけで読ませ、あっと言わせる。こんなにミスディレクションと犯人の隠匿が巧いミステリはそうない。これは彼のデビュー作で、もちょっと物理的な要素も入れてくれよと思うのだけど、ころっと騙された。

「ノンストップ」サイモン・カーニック(○○○●)
今年のベスト入り間違いなしとの評が多いのだが、私は全然、買わない。
どんでん返しのためのどんでん返し、スピーディーな展開のための波瀾万丈と、意外とアイデアに乏しい。