ミステリー・オールタイムベスト 本格編その3 | 映画、その支配の虚しい栄光

映画、その支配の虚しい栄光

または、われわれはなぜ映画館にいるのか。

または、雨降りだからミステリーでも読もうかな、と。

または、人にはそれぞれ言い分があるのです…。

次に、いわゆる80年代以降、新本格以降のモノから、

■「占星術殺人事件」島田荘司
新本格、ここに誕生。大きく派手な謎と、それを解く大きく派手なトリック。その醍醐味にあふれた島田のデビュー作。ミステリのけれん味あふれる面白さが80年代初頭に蘇ったのだ。他に「斜め屋敷の犯罪」「北の夕鶴2/3の殺人」がいい。正直、これ以降は、あれなんだけど…。


島田 荘司
占星術殺人事件

■「月光ゲーム」有栖川有栖
クイーンばりの論理も心地よいが、青春ものとして、実に甘く、叙情的なのがいい。「夏が好き」(@北村薫)なミステリ。
有栖川はどれも良い作品だけど、やっぱり「孤島パズル」「双頭の悪魔」と続くシリーズが好きです。早く4作目を出してほしい。


有栖川 有栖
月光ゲーム―Yの悲劇’88

■「殺人方程式」綾辻 行人
なぜ首を切ったのか、が凄い。膝を叩いた。ちなみに「館」シリーズはほとんど憶えてないんではずしました。「暗黒館」は酷かった…。


綾辻 行人
殺人方程式 〈切断された死体の問題〉

■「殺戮にいたる病」我孫子武丸
ごく普通のサイコものかと思ってたら、見事に騙された。「世界が反転した」と言ってもいい。この手の国産叙述系ミステリーでは最高だと思う。ちなみに歌なんとかの「葉隠れになんとか」(このミスの1位になった)は最悪だった。


我孫子 武丸
殺戮にいたる病

■「星降り山荘の殺人」倉知淳
都築道夫の端正な論理ミステリを読む味わい。ミスディレクションに膝を打った。


倉知 淳
星降り山荘の殺人

■「空飛ぶ馬」ではじまる名無しの女子大生シリーズ 北村薫
キュートな(ちょっと嫌みな感じもあるが)女の子の成長物語プラスミステリ。ミステリとしての面白さも完璧、人情ものとしても、青春ものとしても感動的。優等生過ぎるとこが難点と言えば難点かと。


北村 薫
空飛ぶ馬

■「生ける屍の死」山口雅也
死人が蘇る世界で、なぜ殺人が起こったのか。その謎の独創性と、極めて論理的な解決。端正な論理をスラップスティックで色付けた国産本格ミステリ、10年に一度の傑作。


山口 雅也
生ける屍の死