1.日藝発の企画書 × いまおかしんじ監督の職人芸
©︎「死神バーバー」製作委員会
本作の出発点が日本大学藝術学部の授業課題という点は、完成作を見るうえで重要な補助線になる。学生の企画書という「原石」段階のアイデアを、いまおかしんじ監督が実制作のスケールに落とし込んでいるわけだが、レビュー群を読む限り、観客の多くが「設定自体はありがちで、突っ込みどころも多い」と感じつつ、それでも最終的には満足度の高い鑑賞体験に着地している。
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これはまさに、学生発想の突飛さ・瑞々しさを、監督の編集・演出のプロの手腕で「観られる映画」へと昇華させた証左と言える。「ありそうな設定、ありそうな結末」と評しながらも「わりと好き」という評価に転じているレビューや、「物語の背景にはいろいろツッコミどころはあるけれど、最後まで面白く観た」という感想は、企画の骨格(学生発)と肉付け(監督の手腕)の分業がうまく機能したことを示している。
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2.オムニバス形式のテンポとユーモア/哀愁のバランス
作品は死神サクマが担当する複数の「案件」――漫才師のエピソード、ガールズバー通いの男のエピソード、コーヒーショップのエピソードなど――を短編連作のように積み重ねる構成を取っている。レビューでは「漫才コンビのエピソードと、ガールズバーのエピソードが良かった」「オムニバス形式で進んでいくが各ストーリーはどれも良かった」といった声が目立ち、各挿話が独立した完成度を持ちながらも、全体としては死神サクマと美帆の物語へ収斂していく構造が評価されている。
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笑いの配分も特徴的で、「単純に踊りながら喋ったりする」ポップな演出や、サクマの「絶妙な動き」「浜辺のシーンでサクマが走る前の助走」といったコミカルな身体表現が笑いどころとして機能する一方、宇野祥平が演じるエピソードでは「なんとなく哀しそうな雰囲気を醸し出している演技」に「しんみりきた」という感想も見られる。ここに、コメディの中に一匙の寂しさを織り交ぜるという絶妙なバランス感覚が表れている。「コミカルな心温まるハートフルストーリー」「全体的に緩い映画です。でもその緩さごと、心にしっとりと残る快作」という評は、まさにこの緩急のブレンドを言い当てている。
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3.ファンタジー設定のリアリティ変換
死神という荒唐無稽な存在を主軸に置きながらも 、登場人物一人ひとりの心の揺れを丁寧にすくい取ることで、絵空事が急に生々しい体温を帯びてくる――これは複数のレビューが共通して言及するポイントだ。「あり得ない、虚構な物語のはずなのに彼女(桜井日奈子)を通すと真実味が増すのだ」という評は象徴的で、ファンタジーの器に現実の情感を注ぎ込む構造そのものへの評価と読める。
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一方で「命がものすごく軽く扱ってあり、『死』や『死神』をあっさり受け入れる登場人物の行動がとても信じられない」という批判的な視点も存在し、設定の説得力については観客によって評価が分かれている。ただし総じて「死神のルールや設定まわりにユルさはあるし、必ずしもスムーズに転がっていく話ではないのですが、不思議と突っ込む気にならない」という感想が示す通り、細部のリアリティの粗さを演技と演出のディテールが補って余りある、という構図が本作の勝因になっているようだ。
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4. 桜井日奈子『サカモトデイズ』を経てのナチュラルな演技
主演・桜井日奈子については、「死のタイムリミット」という重いテーマを背負いながらも、コメディエンヌとしての軸を崩さない点が高く評価されている。「シリアスも良いけど、コメディエンヌとしての彼女は絶品だと思う」「本作もコミカルな部分と、シリアスな部分のバランスが良いので、真剣な場面がより際立って、リアルに映る」という評は、彼女の芝居の振れ幅の広さと、それでいて過度に湿っぽくならない絶妙な塩梅を裏付けている。
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具体的な名場面としては、美容室で大号泣するシーンが複数のレビューで言及されており、「自然と自分もないてました」というように観客の感情を引き込む力を持つ一方、走るシーンについては「ついつい視線が胸のあたりにいってしまっている」という率直な感想も見られ、身体性を含めた説得力のある芝居が評価軸になっていることが分かる。「その年齢の女性の等身大な様は、かっこ悪い所も含めて観ていてなんか理由もなくグッとくる」というレビューは、彼女の演技が「作り込みすぎない自然さ」によって観客の共感を得ていることを端的に表している。
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5. 本作の白眉「髪を切る時に人は本音を話す」という着眼点
美容師とタイムリミット付きの死神を組み合わせるという設定の核心は、「髪を整える」という日常的な身だしなみの行為が、そのまま「心を整理する」行為へとスライドしていく点にある。死を控えた人々が美容室という空間で、鎧を脱ぐようにぽつりぽつりと本音をこぼしていく――このプロセスが静かな感動を呼び起こす仕組みになっている。
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レビューの中にある「”忘れる”シャンプー、ちょっと洗い残しがあったらいいのになと思ってしまった」という感想は、この着眼点を裏側から照らしている。記憶を洗い流す(=忘却)という設定上のギミックと、髪を洗う・整えるという身体的行為が重ね合わされており、「洗い残し」があれば良かったという言葉には、本音を全部は洗い流さないでほしい、という観客側の願いがにじんでいる。「思っていることを言えないもどかしさ」「もっと話せばよかった」「もっと早くこうすればよかった」という後悔の感情が、美容室という「本音がこぼれる装置」を通して丁寧にすくい上げられている点が、本作のテーマ性の核と言えるだろう。
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6.日穏(KANON)新米死神サクマの「真面目とふざけの境界線」
サクマを演じる日穏(KANON)については、「端正な顔立ちでありながら変なセリフを吐き続ける、真面目なのかふざけているのかわからない独特の空気感」が繰り返し高く評価されている。『代々木ジョニーの憂鬱な放課後』からのファンからは「サクマという役は日穏くんだから演じれた」という声も上がっており、彼固有の存在感が役に説得力を与えている点がうかがえる。
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演技面では「序盤は目立っていた死神としての変なムーブも中盤以降は、あまりやらなくなる」という指摘があり、コミカルな新米死神から、美帆に対して人間味を帯びていく感情の変化を、動きの「量」で表現しているという読み方もできる。ラストで美帆を助けるために自ら人間になることを選ぶ展開については、「千年以上、死神業をやってたはずのサクマが、あまりにも若すぎる」「初心者みたいな選択」という違和感を指摘する声もあり、感情の爆発をもっと見せてほしかったという要望も見られる。とはいえ、「美帆もっと生きろ」という台詞の格好良さや、目だけで語るラストシーンについて「観ている我々も瞳孔が開いたのでないだろうか」という評があるように、寡黙な芝居の中に感情の密度を凝縮させる演技スタイルが、多くの観客の印象に残ったことが分かる。
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2021年7月22日にkindleで出版した 「信玄の巫女〜ミシャグチ篇〜」
武田信玄は諏訪大明神が古層の神ミシャグチと同体であることに着目し、諏訪神社神事の再興などを餌に諏訪地方への侵略を企んでいた。 姉の禰々が諏訪頼重に嫁いだばかりなので、信玄は村上氏と諏訪氏と協調してして佐久小県の攻略に矛先を変えた。 中ッ原に住む謎の巫女初音、諏訪大社上社神長官守矢氏の娘彩芽、韃靼人の血を引く鷹匠の娘鏡音が武田信玄に取り入り、矢沢、禰津、望月などの滋野一族の調略を行う様を描く。彩芽はミシャグチと同体の異形の神を出現させることに成功するが。












