国際政治学者 村田晃嗣(Koji Murata)先生よりブックカバーチャレンジを賜りました📚


共和党レーガンとトランプはよく比較されるため、今一度読み直したい一冊💁‍♂️

今週発売の雑誌『プレジデント』の「コロナ後に覇権を握るのは誰だ」のコーナーでも私なりに、アメリカについて言及しました。

いまアメリカは、「小さな政府」と「ビッグガバメント」の狭間に揺れています。

レーガンの頃は、小さな政府と強いアメリカを掲げながら、冷戦終焉に貢献し、移動を自由にした--

新型コロナにより、今は移動が制限されている。

サプライチェーンの中国依存が露わになり、今後、サプライチェーンを中国以外にも分散し、また、アメリカ国内へと生産回帰の動きは強まるでしょう。金融市場においては、世界を支えているのはアメリカであることをあらためて実感することになりました。

政府と米連邦準備制度理事会(FRB)が一体となった経済危機への対応策により株価が戻りつつあります。FRBは踏み込んだ金融政策として、購入する社債対象をいわゆるジャンク債(投資不適格債)まで基準を緩めた。

財政政策、FRBの金融政策により金融危機は回避できたとの見方が強いです。ただ、危機が去ったと考えるのはまだ早く、今後も、金融危機回避に向けた中央銀行の取り組みは続くはずです。

一方、今回の"戦時下"における、共和党の「小さな政府」の限界を露呈している。トランプ政権が支持基盤としている保守派は自己責任や自助努力を重んじる「小さな政府」を志向しており、失業者が増え、政府の支出が拡大することは信条に反するのです。

ニューヨーク州のクオモ知事が、連邦政府は新型コロナ対応で地方政府に任せきりになっていると指摘していますが、そもそも、共和党は「小さな政府」を掲げており、そういった政権なのです。

対外的にも孤立主義である共和党は、各国への影響力を弱めている。再度、アメリカが世界を牽引するには、共和党の中でも、新しい「新保守主義(New Conservatism)」の様相を強め、ビッグガバメントが必要となるでしょう。新型コロナ対策を誤れば、民主党候補のバイデン前副大統領らに批判の材料を与えることになり、11月の選挙戦で不利になるリスクがあります。

この時期にあらためて、読み直したい一冊💁‍♂️

◆レーガン-いかにして「アメリカの偶像」となったか
村田 晃嗣氏


馬渕 磨理子🦄