日本の経常黒字の構図が変化している!
小学校の頃、経常収支といえば貿易収支のこと!と覚えておけばいいか。
今から思えばザックリすぎる恥!
※輸出―輸入=貿易収支
(輸出額が上回っていたら黒字だね)
とざっくり把握していたのですが。
経常収支のメインが貿易ではなくなってきているのです。
(2011年前後を境として)
それにしても、国のHPって面白いですよね。
Excelデータで過去のデータが大量にあります。
今日は一日、財務省のネットサーフィンで時間が過ぎてしまいました。
そして、財務省国際局この資料。
とってもわかりやすい。
◆黒字の主役が貿易収支から第1次所得収支へ
経常黒字の主役が
第1次所得収支に代わっているのです。
この第1次所得収支、実は20兆円もあるのですがこれって何?って思いますよね。
これには、大きな柱は2つあります。
◆海外子会社のもうけである直投収益
14兆7198億円
◆外国債券の利子などの証券投資収益
9兆7659億円
そして過去、メインだった貿易黒字は
今や1兆1981億円なのです。
さらに、具体的に深掘りすると、
海外子会社のもうけである直投収益とは
↓
これは、企業が日本企業が海外に進出して儲けている額になります。
かつての日本の製造業は国内で車や家電を作って、海外に輸出していましたが。
今は、海外の工場建設やM&A(合併・買収)が積極的ですので、この企業の行動が経常収支の数字となって現れているのです。
そして、
外国債券の利子などの証券投資収益とは
↓
これは、まさに、投資です。
海外証券投資の収益です。
日本は「貿易による稼ぎ」から
「投資による稼ぎ」に振り替わっているのですね。
なるほど!
ここから先は
「成熟した債権国」の話になります♡
今まで見てきた
この『経常収支の主役の変化』は
米経済学者キンドルバーガーらが唱えた
国際収支発展段階説のような
動きになっています。
彼らの説は、
国の経済を人生のように
6つの段階に分けています。
日本は
第4段階目の経常収支黒字が大きいの
「未成熟な債権国」から
↓
第5段階目の
「成熟した債権国」に
移行していたのです。
貿易収支は悪化し小さくなり、
投資の収益で経常黒字は確保できるという段階です。まさに今ですね〜!
え?では、次の6段階目はどうなるの?
それは、債務取り崩し国というステージです。
貯蓄を取り崩して生活を行っているような成熟した国の段階。怖💦
貿易収支の赤字額が、先ほど見た第一所得収支の黒字額を上回ってしまい
経常収支は赤字となる状態です。
日本は少子高齢化が進んでいますので、長い目で見れば国内の貯蓄を取り崩し、赤字に転落するかもしれませんが
今、現状の数字を見ても
『投資収益は20兆円規模』とかなり大きく
安定していますので、すぐに、第6段階目のステージに行くことが考えにくいです。
国の稼ぐ力を理解する
経常収支おもしろいですね😊✨
今日は、東京は雪で寒いです❄️
素敵な週末を♡
◆今日は
経常収支の構造変化
平成30年6月22日 財務省国際局を読んで感じた事を書いてみました。
使った資料、貼り付けておきます♡