「求めよ!さらば、供えられん」は
どなたのお言葉でしたか・・・・・

RPGよろしく、色んな方々の希望や事情を
伺いつつ、ポイントを抑えて一見不可能に見える事を
ドッコイ、あっと驚きナンとかよろしく
牧師さんを交え、音楽担当の教会のお偉いさん
利用者代表3人が揃って
(途中からコワモテおばさま2も参加して)
の会議は、私の計画した演奏会の1週間前に実現。
「もしかしたら、本当に新品のフリューゲル(グランドピアノ)が
来るかもと、みんなが実感を伴って信じて
ベルリンに在る由緒正しいスタインウェイ・ハウスへ下見
楽器選定→賃貸契約→ピアノ搬入迄のスピード感は
私が、今迄に嘗て経験したほどのないほどに
スムーズ且つ、全ての条件を円満に運べたのは奇跡の様でした。
皆さんの陰日向のない応援と切望、私欲のない心が
「音楽を日常に必要とするのだ」と
言う事の証、シンボルになって私達のフリューゲルが、嘗て小型オルガンが
設置されていたその場所に、しっとりと収まったのを
ピアノに一人で座り、いくつかのハーモニーを試し弾きしていた
牧師さん(1番最初の経費を、彼は自分の銀行口座から立て替えた)が
「後は、数年後の私の定年のお祝いに、本物のフルコンサート・ピアノを
準備するのは、貴方にお願いする事に決めました。労を担ってくれますね」

と、新たなミッションを受けてしまった私は素直に

「私の出来る事でしたら、喜んで」と約束をしてしまったのは
私が、お調子者でない(少なくとも此れからは)という手形を
取られてしまったようで、でも少し認めて頂いた様でも在り
何だか、ホッとして良いのか、束の間の息抜きなのか・・・・・

先ずは、間に合った自分のコンサートをしっとかりと
終える事からです。
オバ 2 (何時の間にか、もう一方のオバさま参加・此方もかなりコワモテの方)
「マサル、あんたが今言い出さなくっちゃウチの教会
アルト・リーツオ教会は、音楽的にはナンの魅力も
取り柄もない、ただのハコで終わてしまうの
私達で出来る援護射撃は、良く出来ると思うから
自信を持って、みんな信頼・期待しているの」

・・・・母と同じ年嵩の方々、何時もは近寄り難い雰囲気の
オバさまたちも、ここが勝負どころとネバリます。

「貴方も知っているとおり、ウチは二つの教会を
一つの檀家、事務所で切り盛りしているの。
両方の教会を、自分の政治力や損得勘定をヌキに
ただ音楽に対する情熱で、人々を説得出来る様な
若い人は、貴方以外は見当たらないの。
貴方が、普段どの位気を使いながら、教会の有る地域や
その子供達と、コミュニケーションを上手に取っているか
信頼は、ナカナカなものですよ」

どうやら、トランペットの練習に教会に通って
その合間の休憩に、地域の喫茶店や、居酒屋を巡って
お気に入りのお店を、見つけてそこの常連になったり
色んな、方々とオシャベリしているのもお見通しの様です。

私「先ずどの様な方に、相談に行けばよろしいでしょうか・・・・」
オバさま1・2 \(^o^)/\(^o^)/
「ヘル・グシ、実は貴方に折り入ってご相談が在ります」
オバさまの、何時にない切羽詰った雰囲気に
私も思わず、背を正し座るように促された椅子に座ります。
・・・イタズラを咎められた、小学生の頃の校長室の感じ・・・・

オバ「予定されている演奏会ですが、実現がかなり困難です」
私「何か、教会の大切な行事でも有るのですか」

オバ「イイエ、ご承知の通り教会の改修工事で
建物・機能とも素晴らしく成りました。
但し、今迄設置されていたアップライト・ピアノを
移動した為に、教会の中で貴方のコンサートで
トランペット演奏を伴奏する為の楽器が、無くなって
しまっている事実に、誰も対処していないのです」

私「あの・・・コンサートは後三週間後の日曜日に
予定していて、伴奏の方にも楽譜も渡してあって
延期は、出来るだけ避けたいのですけれども・・・」

オバ「ナイン(いいえ)、そう言う事では無く、実は
他の利用者の方々からも、相談があって
なんとかピアノを、出来ればフリューゲル
(グランド・ピアノ)を、と願っていますが
私はここでは、ただの事務長の権限しか在りませんし
何とか、音楽関係の利用者からの熱意と、強い要望が
必要なのです‼」

私「日頃から、お世話になっていますが、私は
青少年金管バンドで、お世話になっている身で
時々催させて頂いているコンサートでも
まだ未だ、観客動員もままならずに恥ずかしいくらいです。
教会付きの、カントール(音楽楽師・オルガン奏者)か
もっと、発言力の有る適当・最適な方は
いらっしゃらないのですか?」

オバ「私達は、貴方がその最適任者だと思うのですが・・・」

私「(-_-;)・・・・・・」
つづく