今週は嵐の前の静けさと言うか、来週からの怒濤のクリスマス週間の
前もあってか割と平穏な週でした。

それでも、通常週に3日程充てている生徒さんのレッスンはありますし
(今週はトロンボーンの初心者!!)無事お試し期間を始めて
くださりそうです。
ーおかあさんも同席して、新品のトロンボーンをケースから取り出す瞬間の
生き生きとした表情、慣れない事への期待。
そのワクワク・ドキドキをいつまでも、大切に持ち続けて欲しいものです。
(私も、自分がトランペットと出会った頃を思い出して思わず
嬉しくなります)

それから、普段余り練習時間の取れないバロック・トランペットの練習・・
ピストン無し、殆どを唇と息のバランスのみで音程を調整しながら
演奏します。
あるのは音程補正の為のアナが3つだけ。これが先ず最初の関所のような
所です。
オマケに、通常の音程からは約半音程下がるA=415Hzのバロック・ピッチ・・
それでも、練習するのは楽しいし、バロック音楽を演奏する上で
とても参考になります。(興味と、時間のある方は是非どうぞ!)
何事も慣れナレです。本当に・・・自己暗示・ジコアンジ・・・

昨日(20日)は週末のコンサート・ハウスで予定されているブラームス/
ドイツレクイエムの練習を、合唱団の皆さんとご一緒に。
ー会場のコンサート・ハウスは数年前迄、シャウシュピール・ハウスと
呼ばれていたのですが、インテンダント(総支配人)が変わり経営の健全化を
目指して付随するオーケストラと、ホールの名前を改めました。

私は個人的には、コンサート・ハウス/オーケストラよりも
BSO(ベルリン交響楽団)の方が好きです。
指揮者/インバル氏のいた頃が、BSOの知名度もダントツですし、
今やベルリン・フィルの顔、ソロトランペット奏者/ガボァ・タルケビィ氏も
このオーケストラ出身です。

私達が今回出演するオケは、いつもお世話になっているBKO
(ベルリン室内合奏団)ですが、今回は編成がコントラ・ファゴットを含めて
オーケストラだけでも、総勢70名にはなります。

合唱団・ソリストを入れると、大所帯の150名位にはなって
しまうでしょうか。
昨晩は一回目の練習でしたが、狭くなってしまった教会の内部でも、
合わせ練習は和気あいあいと進められ、私は今住んでいる直ぐご近所での
練習でもあったので、トランペットの出番が終わったら、一応皆さんに
ご挨拶して家へ。
ードイツ語では軽く「チュス!」tschüß/じゃね、またと云った感じで
昼夜問わずお別れできるので楽です。

帰り道も、練習で隣り合わせたコミシェ・オペラ/ソロトロンボーン氏の
「家の末娘ルイーゼは、今イギリスで馬の世話をして暮らしているんだよ」
の言葉に、時間の経つのがいかに早いかを実感します。

当時、彼と私は現代曲のアンサンブルでよく一緒に演奏させて頂く機会が
ありました。
何回目かのコンサートにカワイらしい娘さんを、連れて来られた事があって
(ドイツではお父さんもコブ付きで、演奏会の練習に来る事もあります)
偶々空き時間があり、彼女の相手をしていた私は、よくコンサートハウス/
地階の喫茶室で、彼女にホットチョコレートやバナナなどをねだられ、
お喋りしながら(当時の私の語学力には、ピッタリの御相手でしたので)
空き時間を、愉しく過ごした事を想い出しました。

『皆キチンとそれぞれ、自分の道を見つけて行くのだなぁ』

さぁ、明日22日の本番に向けての、今日の練習に気合いを入れて
行かなくちゃ!

トランペット奏者
具志 優