言わずと知られた、1970年代に結成され、世の金管アンサンブル・マニアを
トリコにした、史上最高の金管五重奏団です。2000年代に入ってからは
長年コンビを組んでいたトランペットのメンバーが次々と抜け、アンサンブル
のカラーも少しずつですが、変わって行きました。
何と言っても私の好きなメンバーは、ロムさんとフレッドさんと云う
“看板”のお二人なのでした。
ーある日、当時高校の同級生が買って来たLPを音楽室で聴いて以来、
そのサウンドにシビレ、まるで熱に浮かされた様に夢中で小遣いを
出し合って彼らの楽譜や、新しいLPを買い求め、コピーバンドを自称し
飽きる事無く随分と練習したものでした。
1985年の夏、遂に沖縄から5人の高校生が船で東京の音楽大学で行われた
彼らの特別講習会へ参加してしまう快挙(愚挙?!)を経験したのも
彼らに一目会いたいが為でした。
幸い、学外からは唯一の参加。という事もあり、すぐに仲良くしてくださり、
こちらも並み居る音大生に負けじと、練習や演奏に加わってしまったりと、
当時の好奇心旺盛で怖いモノ知らずの私達は、すっかり影響を受けまくり
沖縄に帰って来てから、金管五重奏で自主公演の演奏会を開催したり、
一般の部でしたが、アンサンブルコンテストの全国大会まで
勝ち進んでみたり、本当に頼もしい高校生でした。
不思議な事に今思い返しても、私の人生の節目ふしめには、
彼らと何度も出会っているのです・・・
そんな彼らも今年、何年か振りに新しい2人のトランペットのメンバーを
引き連れて、ベルリンへやってきました。
開演前の少し早めの時間に楽屋を覗くと、すっかりリラックスした彼らは
軽い食事を採っており、私の顔を見つけると変わらない笑顔で
挨拶を交わしてくれます。
「随分久し振りだなぁ」「本当に、相変わらず元気そうで」・・・
先日、不慮の自動車事故で亡くなってしまったメンバーの話も
一頻りして、「また本番の後で・・・」と、余りお邪魔をしない様に
気を付けて自分の購入した席へ・・・
フィルハーモニーの室内楽専用ホールの中に入りつつも、
『今日はまた、ビックリするくらいお客が少ないなぁ』150人位/800人収容
と少し心配しながら、購入した席よりも良い席へ(高い)移りました。
そこでも周りを見渡してみても、見知った顔がありません。
どうして、こうも宣伝が行き届いていないんだろう・・・
演奏が素晴らしいだけに、残念でなりません。
ハンブルクからのヤ○ハの関係者とも「何故だ、何かがおかしい・・・」と
話をしても、今からはどうにもなりません。
ドイツに限らず、観客動員の為の自助努力を最近は怠っているのではと
はたと閃きましたが、詳しくはお話しできずにお別れしてしまいました。
「日本にも、ここ10年は行っていないんだよ」と言う彼らに
「もっと、観客動員の為の努力をしたら・・・」と素直に言ってあげられない
自分にも少し驚きを隠せませんが、同じ土俵に立つプロなのだから
自分達が何をすれば良いかも、解って欲しいと思う自分もいます。
少しおこがましいのかも知れませんが、今度は私自身があの頃の彼らの様な
存在でいられたら・・・と切に願う様になったのかも知れません。
トランペット奏者
具志 優
トリコにした、史上最高の金管五重奏団です。2000年代に入ってからは
長年コンビを組んでいたトランペットのメンバーが次々と抜け、アンサンブル
のカラーも少しずつですが、変わって行きました。
何と言っても私の好きなメンバーは、ロムさんとフレッドさんと云う
“看板”のお二人なのでした。
ーある日、当時高校の同級生が買って来たLPを音楽室で聴いて以来、
そのサウンドにシビレ、まるで熱に浮かされた様に夢中で小遣いを
出し合って彼らの楽譜や、新しいLPを買い求め、コピーバンドを自称し
飽きる事無く随分と練習したものでした。
1985年の夏、遂に沖縄から5人の高校生が船で東京の音楽大学で行われた
彼らの特別講習会へ参加してしまう快挙(愚挙?!)を経験したのも
彼らに一目会いたいが為でした。
幸い、学外からは唯一の参加。という事もあり、すぐに仲良くしてくださり、
こちらも並み居る音大生に負けじと、練習や演奏に加わってしまったりと、
当時の好奇心旺盛で怖いモノ知らずの私達は、すっかり影響を受けまくり
沖縄に帰って来てから、金管五重奏で自主公演の演奏会を開催したり、
一般の部でしたが、アンサンブルコンテストの全国大会まで
勝ち進んでみたり、本当に頼もしい高校生でした。
不思議な事に今思い返しても、私の人生の節目ふしめには、
彼らと何度も出会っているのです・・・
そんな彼らも今年、何年か振りに新しい2人のトランペットのメンバーを
引き連れて、ベルリンへやってきました。
開演前の少し早めの時間に楽屋を覗くと、すっかりリラックスした彼らは
軽い食事を採っており、私の顔を見つけると変わらない笑顔で
挨拶を交わしてくれます。
「随分久し振りだなぁ」「本当に、相変わらず元気そうで」・・・
先日、不慮の自動車事故で亡くなってしまったメンバーの話も
一頻りして、「また本番の後で・・・」と、余りお邪魔をしない様に
気を付けて自分の購入した席へ・・・
フィルハーモニーの室内楽専用ホールの中に入りつつも、
『今日はまた、ビックリするくらいお客が少ないなぁ』150人位/800人収容
と少し心配しながら、購入した席よりも良い席へ(高い)移りました。
そこでも周りを見渡してみても、見知った顔がありません。
どうして、こうも宣伝が行き届いていないんだろう・・・
演奏が素晴らしいだけに、残念でなりません。
ハンブルクからのヤ○ハの関係者とも「何故だ、何かがおかしい・・・」と
話をしても、今からはどうにもなりません。
ドイツに限らず、観客動員の為の自助努力を最近は怠っているのではと
はたと閃きましたが、詳しくはお話しできずにお別れしてしまいました。
「日本にも、ここ10年は行っていないんだよ」と言う彼らに
「もっと、観客動員の為の努力をしたら・・・」と素直に言ってあげられない
自分にも少し驚きを隠せませんが、同じ土俵に立つプロなのだから
自分達が何をすれば良いかも、解って欲しいと思う自分もいます。
少しおこがましいのかも知れませんが、今度は私自身があの頃の彼らの様な
存在でいられたら・・・と切に願う様になったのかも知れません。
トランペット奏者
具志 優