ドイツ語で glauben (グラウベン)とは信じると云う意味の
動詞になります。
glaubens となると宗教/信仰/信条・信念という意味もあるようです。

現代日本人には、少し面映い単語でしょうか?
私の昨日のブログに反応して、直ぐにお返事をメールで
送ってくださった方がありました。

『Kさん、ご心配をおかけしています。』ニコニコ

私の、拙い沖縄でのコンサート・シリーズ案にご賛同を頂いて
実行委員会などの労を執って、実際に現地で動かれている方の1人です。
遠くドイツから、偉そうにあれこれ指図する事のない様に
気を付けては、居るのですが時差や地域の事情を把握できていない
私のごとき若造は、兎角“勇み足”ドンッになりがちです。
人生修養の足りなさを、露呈してしまっている訳ですが
皆さんの温かいご理解に甘えてしまい、まるで”爆走する妄想列車”のような
私の取り止めのない(殆どキチガイじみた)要求にも、皆さん最善の策を
準備して頂いて、本当に頭が下がります。

少なくない赤字の金額をさらりと
教えてくださったのは、
きっと私を信頼されての事、しかし『本当にこれで良いのか?』の
一言を、敢えて言わせて頂きたいのです。
文化事業のあるべき姿として、日本(沖縄)は何故か

『どうせ儲からないモノだから』

という固定観念があるのは何故か・・・

実は、ドイツもそういう状況であり、日本でも有名なオーケストラの
殆どが、州都や市立の金銭的援助を得て”何とか経営を続けて居る様な”
状態なのです。そして次々に合併、或は閉鎖の憂き目を見ているのです。

音楽界を見回しても、数少ない実力派のオーケストラ、例えば
ベルリンフィルなどは、殆ど独立採算制だそうです。何故か・・・
音楽家が、音楽だけを只演奏しておれば良かった時代は、確実に終焉を
迎えつつある
”からではないでしょうか?

ーここ数年来の、世界経済の悪化を鑑みて敢えてそうしたそうです。
実際は、ドイツ連邦共和国から多大な援助を得ているドイツ銀行が
大口のスポンサーとして、大々的に支援するなどしている様ですが・・・
また、個人の支援者も本気で獲得に懸命の様子です。
あの、ベルリンフィルでさえそうなのだから・・・

一介のトランペット吹きである私ごときは、何を況んやです。

自分の音楽に対する熱い思い入れだけではなく、音楽を通して学べる事
人との繋がりなど、それらに付随してくる実生活のしがらみ
それをも全て併せ飲んだ、生きているナマの人間の営みを
感じる事の出来る様な演奏会というのは、アツすぎるのでしょうか?
ウザイのでしょうか?

いつの日かクラシック音楽でもお金を稼げる(稼ぐのは悪ではない)
という証明を、してみたいのです。

我が日本の誇る自動車産業や、電子機器産業ですが、1つの製品を開発し
売り出す為にどれほどのエネルギーや、熱い思いが込められているのか・・・

またそれらの産業に携わる、多くのトップの方達や、
社会的には、成功を収めている方々が、どれほど
”音楽を必要として、愛してやまないのか・・・”

私はそこに一筋の光を見る思いがするのです。
ガチンコ勝負の音楽もあっても、良いのかも知れません。

トランペット奏者
具志 優