「姉妹のように」
by クロエ・コルマン



きつかった

200ページほどの本なので

すぐに読めるかと思っていたら

中々読み進めず

苦労した


書いてある文章は普通の

淡々とした文章だが

これは

ナチス占領下に

フランス国内で起きた

ユダヤ人児童の検挙と収容所

の生活を主題としている


ほとんど

ノンフィクションではないか

と思う


2つの家族

コルマン家の三姉妹と

カミンスキ家の三姉妹が

ある時期

収容所で本当の姉妹のように

暮らしていた


収容所の彼女たちは

段々と成長していくが

もし、両親と会えば

両親が自分を

見分けられないのではないか

と恐れて

食事を抜いたり

拒食症になる子がいた

という


戦局がどんどん悪化するにつれて

ナチスは焦って

子供達をもアウシュヴィッツへ

送る


まだ幼いいたいけな少女達が

貨車に乗せられて

アウシュヴィッツへ

粛々と送られていくのだ


子供達の中には

脱走に成功する子らもいて

それを陰で支えた大人達もいることに

頭が下がる


今ガザで行われている

イスラエルの暴挙も

この本を読んでいると

頭をよぎるが


作者コルマンは

ユダヤ人のアイデンティティは

決してイスラエルという

国家に集約されるものではなく、

むしろ

ディアスポラの歴史を通じて

好むと好まざるとにかかわらず

培ってきた文化の

複数性を尊重する、という

立場を明確にしている


とあとがきに書いてある



2024. 3初版発行

日本の学生が選ぶゴンクール賞受賞