「ミケランジェロの焔(ほのお)」
by コスタンティーノ・ドラッツィオ



史実に基づく迫真の

伝記的小説とある


語りがミケランジェロ本人で

甥に語り聞かせているので

伝記というより

読者に語りかけてくるようで

とても迫力があった


以前ミケランジェロが出てくる

本を読んだことがあって

こちら

この時一発で

ミケランジェロのことが

好きになったのだが


今回でますます

好きに拍車がかかった ラブ


焔(ほのお)とタイトルにあるように

ミケランジェロは

彼の芸術に対する焔で

常時燃えたぎっている


熱すぎて息もできないほどだ

大理石を手にすれば

一心不乱に彫る彫る彫る

どこまでも彫る

寝ないで彫る

食べるのも忘れて彫る

手が勝手に動くのだ


彫って人物を形作るのではない

大理石の中の人物を

出たがっている人物を

彫って引き上げるのだ


ミケランジェロの才能を

周りが放っておくはずもなく

無理難題をふっかけてくる

特に教皇ともなると逆らえない


無茶苦茶言ってくる

ミケランジェロはそこで

自分の我を通すべく

教皇と言えども

やり合う


そりぁ、へとへとにもなるわな

ただ彫っていたいだけなのに

ああしろ、こうしろ、

納期はいつ、

とか言われるんだから


それでもノミを振り上げひたすら彫る


ミケランジェロの語りによって

ピエタ、ダヴィデ像、など出てくると

スマホで検索して

おお!これかこれか!

と感動を新たにする


システィーナ礼拝堂の

天井のフレスコ画や「最後の審判」も

NHKの日曜美術館で

見たなぁ、

と思い出しながら検索


いずれも

今までに何度も目にしている

傑作だ


ミケランジェロは

寝るところと食べるところが

あるくらいの質素な家に住み

父や弟達から

ひっきりなしに無心され

それでも

実直に彫り、描き、創った


彼の名声や彼が受ける報酬が

上がっていくたびに

私は大喜びし

ミケランジェロを応援する


同じ時代に

レオナルド・ダ・ヴィンチ、

ラファエッロがいた

この本の中にも

2人が登場するのは面白い



この本、とても

面白かったです

おすすめです おねがい

年末のハイジ本屋大賞に

残るかも!

くらい好きです

(200ページなのでとっつきやすい

と思います)


(ミケランジェロ本人

以前美術館行った時買った絵葉書)


ミケランジェロの焔に

ハートを焼かれてください 飛び出すハート


2023.11初版発行