「すべての見えない光」

 ”All the Light We Cannot See”

       by アンソニー・ドーア

       訳 藤井 光



来た!

今年一番の本が クラッカー


後にも先にも

これほどの本には

(今年は)もう

出会うまいよ


これ読んだら

もう何も読まなくていいよ


それほど

素晴らしい

完璧



主人公は目の見えない

少女、マリー=ロール

孤児の少年ヴェルナー


二人の話が

かわりばんこに

語られる


二人はいつか

出会うのだろうけど

それが

どういう形で出会うのか


舞台は

フランスとドイツ

第二次世界大戦下


ナチスドイツの台頭


二人の主人公に加えて

怪しいダイヤモンドの存在


ダイヤモンドを追う

ターミネーターのような男 


構成が素晴らしいが

それよりも

目を見張るのは

物語全体に漂う透明感


マリー・ロールが

見えない世界を手探りで

生きているが

私達読者も

マリー・ロールの世界を

疑似体験する


読むことによって

見えない世界を描くのだ


巻貝の話

鳥の話

電波の話

三角法の話


知というのは

私達を透明で崇高な世界へ

導いてくれるものだ



今も私の心の中に

残っている

二人が出会うシーン


この世で最も美しい



ぜひ多くの方に読んでもらえたら

と願う

多少本が分厚いのに

たじろがないでほしい


あまりの面白さに

読むスピードは倍速になるはずだから


さあ、図書館へGO!! 走る人



ピュリツァー賞受賞

カーネギー・メダル・フォー・エクセレンス受賞

オーストラリア図書書籍賞受賞

全米図書賞最終候補作


ハイジ特別賞受賞


2016.8 初版発行