トリック。 続編 | グリーフという愛のかたち

グリーフという愛のかたち

2018年秋 20歳の娘が天に還っていきました 

あの日
かなり拗れたのです

『俺からは解雇とは言わないから』
という言葉を何度も繰り返す長に
「私が 自己都合で辞めます」
と申し上げると

『辞められたら困る』
『新人がひとり立ちするまでは
 責任持ってよ』
と仰る

 口調は脅しであり
 手法は精神的に追い詰める
 ダブルバインドでありました


暫く 相手の言い分を聞いたあと
エスカレートしていくその言葉の
隙を縫って
伝えてみたのです

「私は今 なぜ恫喝されているのか
 解りません」


一瞬。
間が空いたんです

 私の言葉を聞いた長の頭に
 パワハラというワードが
 よぎったのを感じました

 今月は偶然にも
 社内のパワハラ防止月間
 であります
 

そこから口調は一気に
馴れ馴れしく変化しました

ですが
仰っている内容は
仕組まれた嘘を全面的に信じている
前提でありましたし
時折 駄々っ子のようなことを
吹っかけていらっしゃる

 心は決まっておりましたが
 そのとき
 こちらの意向を伝えることは
 しませんでした


週明けの出勤日。

連絡を入れるタイミングを
考えました

現場の段取りを組む猶予があり
長の退勤後かつ退社する前の
タイミング
そして
息子に無用な心配をさせたくない
ので
息子が不在になる時間であり
私自身が対応可能な時間


固定電話のない職場なので
長のスマホにメッセージを
送りました

「先日のやり取りで
 精神的に追い詰められ
 出勤することができません」


着信は間も無くでありました

『メッセージ読んでびっくり
 したよー』
『え?俺 追い詰めちゃった?
 ごめんねぇ』
『今日はお休みして
 また明日からだね』
『待ってるからさ』


 私の目的は
 辞めること
 でありますので。

「もう出勤は難しいと思っています」

そう伝えると
いくつかの条件を提示なさって
『今月いっぱいは来て欲しい』
のところで譲歩いたしました

 くどいようですが
 今月いっぱいは
 パワハラ防止月間。
 でありますし

 法的にも
 申し出から2週間後の退職
 となります

 表面上は円満退社
 でありましょう
 あちらも願うところなハズ

 こちらとしても
 お別れは笑顔で
 をモットーとしておりますので。


社名は明かせませんが
誰もが知っている大手であります

 その長たるお方の
 なんとも情けないこと


 ヤバイと感じながら
 解っていながら
 相手を選んで吹っかけて

 仕舞いには
 前提にあった仕組まれた嘘の
 創造主のせいだと
 言い始める始末


今後とも

一層のご健勝とご多幸を
心よりお祈り申し上げる
所存であります