6.イジメ | 素人バカでも小説は書けるのか?

素人バカでも小説は書けるのか?

学力ないおっさんでも、想像力だけで小説が書けるのか?少しずつだけど小説アップしていくので気長に見てください。誹謗中傷はなしで・・・すぐヘコむんで

皆の酔いがまわってきて、近況報告、昔話から恋話に移っていった。
「まさき、お前まだみんなの『アイドルほのかちゃん』と付き合ってるのか?」と貴幸が口火をひらいた。3人はじ~っと真輝の顔を見て返答を待っていた。
真輝はビールをグビッと飲み、ジョッキを置きながら「ああ、まだ付き合ってるよ、っていうか、みんなのアイドルってお前らもイジメの中に入ってたじゃね~か。お前たちはシカト組だったよな」まさきは少し怒り口調で返した。
「それはもう昔の話だろ、あのときまさきがみんなに喝をいれたときに過ちだって気付いたんだから」秀男はたどたどしく答えた。

「しかしあの状況でほのかちゃんにあんなことするとは予想外でビックリしたよな」

優はまさきの肩をポンポンと叩き乗せた。皆がうなずいているのを見て真輝は少しウンザリしながらジョッキに残ったビールを飲み干した。真輝はあの時の行動は結果的にはよかったがひとつ間違えれば自分もイジメの対象になることが分かっていた。しかし気持ちよりも体が先に動いてしまっていた。


ほのかの父が亡くなったのは中学2年生の3学期、あまりのショックで学校を休みがちになっていた、3年生にあがってもクラス替えがなかったので、2年生の時と同じメンバーで1年間すごそうというなかでほのかだけは様子が違ていた、普段は笑顔が絶えず怒ることがなかったのに、顔は悲愴感、笑うこともなくなり直ぐに切れるなど荒れに荒れていた。イジメのキッカケとなったのはクラスメイトの今井香織とのいざこざであった。

「あんたの父親運転下手くそだから事故って死んだんじゃね?」

この一言にほのかはプチんと切れてしまい強烈な往復ビンタを香織にお見舞いしたのだった。取っ組み合いのケンカになったがちょうど近くを通りかかった先生が間に入りその場はおさまった。しかし腹を立てた香織がありもしない噂を仲間に言いふらしほのかを孤立させてしまったのである。イジメグループは10人、あとのクラスメイトは関わりたくないとシカトをはじめ、ほのかは苛立ちを隠しきれず誰かれかまわずあたり散らしたことにより完璧にクラスで浮いた存在になってしまっていた。真輝と竜也はなんとかしたいという思いがあったがなかなか間に入るタイミングがなくヤキモキしていた。
この状況が1ヶ月続いたある日、2時間目の授業が先生の急用で自習時間になり賑やかな教室になっている時である。
そんななか火種を蒔いたのは石川桃子であった。桃子はほのかの2つ後ろに座っていて、後ろからあらゆる物をほのかの頭に投げつけていた。消しゴムのカス、紙くず、軟式テニスボール、チョーク、ほのかは微動たりせず前を見つめていた。イジメグループはその光景を見てクスクスと笑っていた。ほのかの反応がないのをいいことに次に黒板消しを投げつけると、見事に当たり、頭から湯気がたちこめたようにチョークの粉が舞い上がった。いじめグループ一同が大爆笑したその時の、ほのかがゆっくり立ち上がってくるりと後ろを振り向いた。

「なにが楽しいんだ?楽しくねーよ」

怒りまかせに怒鳴りつけた大きな声に賑やかだった教室が一変静寂となり皆ほのかに目線が集中した。ほのかは周りを気にすることなく桃子の前まで行き胸ぐらを掴み平手を打とうと構えた。その時、ガシッ、誰かが今から平手打ちにいこうと上げた手を掴んだ者がいた。真輝であった。真輝は冷静さを保ちながらも鋭い目つきでほのかを見つめていた。

「離してよ」そう言って必死につかまれた手を振り払い平手をしようと試みるが全く動かない。ほのかは真輝を睨みつけた瞬間

パッチーン

乾いた竹を割ったような音が教室に響いた。その音は真輝がほのかに強烈な平手打ちをお見舞いしたものであった。この時、教室にいた誰もが「なぜほのかに手をあげるの?」と思った。当然悪いのは物を投げつけていた桃子である。平手を受けたほのかも「なぜ私?」という表情とあまりに大きな音が響いたからなのかキョトンとしていた。
真輝は静かに口を開いた、「ほのか、なにやってんだよ、豹変しすぎだよ、オヤジさん亡くしたからってつっぱり過ぎだろ?みんなに弱み見せたくないからって強がるのはいいけど強がり方間違ってるぞ、今の姿オヤジさん見たら悲しむんじゃないか?」。
ほのかは下を向いたまま微動たりしなかった。次の瞬間、真輝の顔つきが一変して怒りの表情となり窓側の席にいる香織を睨みつけ大声で怒鳴りつけた。
「おい、香織、おまえいい加減にしろこらぁ!コトの発端作ったのはお前が言った言葉からと違うのか!そのクセ殴られたからってなんだよこの仕打ちは?あのときのほのかの環境分かって言う言葉じゃないぞ、ほのかに今すぐ謝れよ!」次にほのかへ顔を向けて「ほのかもだ、手をあげたことはしっかり謝れ!」そして周りを見渡しながら「香織と一緒にイジメてたやつら、おまえら腐ってるぞ!こんなことして楽しんで恥ずかしくないのか?あとシカトしてるやつら、お前らもイジメに関わってないけど同罪だぞ、みんないい加減に目ぇ覚ませよ、こんなクラスで1年間すごしたくないし、一緒に卒業もしたくない、そう思わないか?どうなんだよ?おいっ!」真輝の一喝にクラス全員が下を向いたまま何も言うこともできず静寂しきっていた。「どうなんだよって言ってるんだよ!

バーン

その静寂に真輝は腹を立て右足で近くにあった机を蹴り押した。それを見て廊下側の席に座っていた竜也が引きつった表情で真輝を制止し、そのまま腕を引っ張り教室から出ていった。