先週、抗がん剤打ち切りを主治医から告げられた時、主治医は紙に分かりやすく3つの選択肢を書いてくれました。


①在宅訪問医療に切り替えて最期まで在宅看護していく。

②通えるなら今のがんセンターに通院。今の消化器内科から緩和ケア科に転科。しかし、緩和ケア医が一人しかいない為、緩和ケア医との面談予約に時間がかかり、希望している緩和ケア病棟の予約がいっぱいで入れない可能性が高い。

③以前、がんセンターにいた緩和ケア医が勤務する総合病院の在宅訪問医療に依頼。緊急時はそちらで入院。但し、この病院は普通の入院設備で緩和ケア病棟はない。


まず、①はあり得ません。

私は近くに身内が誰もいません。

朝早くて夜遅い職人の夫とハードな部活をやっている高1次男と3人で暮らしています。

それに身内の介護・特にオムツなどは双方にとって難しい。

ひとりっ子の私でさえ、最愛の実母の介護が全うできずに特養ホームに入居させましたから。

②が私の一番の希望です。

知人やケアマネさんに聞いてもがんセンターの緩和ケア病棟は個室で快適、レクリエーションも楽しい、と。

しかし、緩和ケア病棟に入れるタイミングが合うかどうか。

それまでは一般病棟で入院しているそうです。

一番の問題は私がいつまでがんセンターに通えるか、ということ。

金曜日の夜中から明け方にかけて、私はみぞおち痛がひどくてレスキューのナルラピド以外に夕方1回のナルサスを飲んで、フェントステープを2枚貼って。

昼過ぎに吐いてしまいました。

腹膜播種ですから、腹水が溜まる度にがんセンターに通うことは不可能だろう。

そうすると、③の在宅訪問医療だろうか?

でも、少し遠いのが気になるし、緩和ケア病棟を諦めなくてはならない。


私は近所のかかりつけ医から聞いていたがんに詳しいという近くの在宅医療クリニックに電話で問い合わせてみました。

担当看護師が留守だった為、電話がかかってきたのが月曜日。

ハキハキした60代の看護師・Nさんに、

「私は腹膜播種でこれから腹水が溜まったら抜いてもらえるのか、家族の協力が得られないが在宅が可能なのか」

を聞いてみました。

看護師・Nさんは

「ウチの患者さんは一人暮らしでも入院したくない、と在宅してケアしている人が何名かいる。今の姫香さんの状態であれば週3日は看護師が訪問できる。がんセンターのS先生ならウチは知り合いだから連絡しておきます」

と言い、電話を切りました。

連絡とは?

何か疑問に思いましたが、別に契約をお願いした訳ではないし、疑問に答えてもらっただけのつもりでいました。

しかし、午後にがんセンターから電話がありました。

この日の私はとても忙しくて、午前中に司法書士さんが来たり、合い間にケアマネさんと打ち合わせしたり、午後から知り合いの職人さんにトイレや寝室の手すりの見積もりをお願いしたりしていて、がんセンターからの電話に出られませんでした。

こちらからがんセンターに電話をかけ直した所、看護師さんから

「〇〇在宅医療クリニックのNさんから電話で主治医のS先生に診療情報提供書を急いで送ってくれ、との依頼があったのだけど。姫香さん、来週にまたがんセンターに来て、緩和ケア科と面談するかどうかS先生との診察予約が入ってるよね?そんなに具合悪いなら、予約外でも診るとS先生がとても心配しているよ。」

と言われました。

主治医の先生は愛想の良い方ではないですが、患者さんやその家族、またがんセンター職員にもとても評判が良い。

なぜなら

「最期まで責任を取って診る」

から。

私も腹水の問題さえ無けれは、できるだけ通い慣れたがんセンターで緩和ケア病棟に入りたいです。

それにしてもまだ会ったこともない、契約も結んでいない、たった一度、電話問い合わせしただけの患者の診療情報提供書をがんセンターに勝手に依頼するなんておかしい、失礼だと思いました。

がんセンターの看護師さんも驚いていました。

また、私が担当ケアマネの名前を話してしまったので、そちらにもNさんから

「がんセンターからウチに変わりますから!」

と電話があったそうです。

ケアマネさんも

「失礼な看護師さんだった。あの〇〇在宅医療クリニックは辞めたほうが良いですよ。今、あまりにも訪問医療クリニックが増え過ぎて患者の取り合いになってるから、こういうことが起きるんだと思います。」

と言われました。

いわゆる高齢者向けホームやデイサービスの箱が増え過ぎてしまい、働き手がいなくて経営が回らない話は聞いたことがあるけれど。

訪問医療クリニックが増え過ぎて患者の奪い合いになっているとは知りませんでした。

このまま、誤解させておくのも失礼だと思い、その〇〇在宅医療クリニックのNさん宛にお断りの電話をしました。

「私、まだがんセンターに通っていて、家族(姑)と共に今後の方針を決めますので、申し訳ありませんが、すぐにお宅様と契約はしません。」

と。

すると、Nさんは怖ろしい声で

「アナタが具合悪そうだったから、早くしたほうが良いと思って、がんセンターに電話しただけですから💢」

とピシャリ!!

普通、

「早合点して申し訳ありません」

とか謝るべきだろ、と思いましたが、私のほうが

「すみません」

と謝るとピッと切られました。

すごい怖ろしい在宅訪問医療クリニックでした。

コレ、契約してたら絶対に嫌な思いをしていました。

在宅訪問医療をお考えの方、よく調べてくださいね。

ちなみに昨日は一昨日の疲れで寝たきりで死ぬ思いの怠さでした。


先日のママ友ランチで食べたモンブラン