朝ごはんのお店 まあだまだの

ヨウコと申します。


2025.5.5 朝ごはんのお店まあだまだで

生きていけるようにするべく、

日々、歩む私のブログです。


自家製の麹調味料を使った

体にも心にもやさしいごはんを作るのがモットー

現在は広島市内を中心にレンタルスペースなどを

お借りして、不定期でごはんを作ったり、お料理のワークショップをしています。



中学生になった頃から

父が使っていたラジカセを借りて

音楽を聴くようになった

今までテレビでしか聴けなかった歌謡曲


ベストテンだと出てこない歌手の歌も

ラジオではちゃんとかけてくれる

それがとてもうれしくて。

空のカセットテープを入れて、

エアチェックした


イントロの前にちゃんと黙ってくれるDJが

好きだった

いつまでも喋られるとその人の声まで

録音に入ってしまうから


最初は聖子ちゃんや早見優や中森明菜の曲


そして、聖子ちゃんのLPを持っている友達に

カセットにダビングしてもらって聴いたり、

好きな歌の歌詞を一生懸命書き写したりした


そのあとはオフコースとかユーミンへ

真面目だったわたしは

勉強の時にクラシックの曲を聴くと

頭に入るという話を信じて

勉強中はずっとNHK FMに合わせて

クラシックを聴いていた


高校に入学した4月の終わり

いろんな中学から集まった高校で

ずっと大人びた友達ができた


ある日、佐野元春のコンサートに授業の後

行くという

1枚急にいけなくなった人のチケットが

あるから、一緒に行こうと誘われた


佐野元春の歌はほとんど知らなかった

でも同じグループの他の子達は

よく知っていて、

ちょっと憧れていた


親には何にも言ってないし…と思ったけど、

行ってみたかった

高校へは私服通学していたのだけど、

本当に普段着で学校に来ただけだったし、

お金だって

たぶん100円くらいしか持ってなかった


だけど、

事務室の前の公衆電話から家に電話をかけて

名古屋にコンサートに行くから

遅くなるよと一言だけ言って、ガチャっと

電話を切った


授業が終わったら、

特急に乗って名古屋へ

お金は友達が貸してくれた

ドキドキした


初めてのコンサート

友達とだけ行く名古屋


青い光で満たされた空間で

知らなかった元春さんの曲を聴きながら

周りのみんなのように体を揺らしたり、

腕を振り上げたりする

暗いし、誰も見てない

好きなように、音に体を委ねることで

頭の中が空っぽになった


コンサートを終えて、ものすごい人の中で

もみくちゃになりながら、

家路につく


だんだん親の顔が頭に浮かぶ

アンコールを終えたのは21:00頃

そこから移動して、

家に帰った時には日付が変わっていた


父もたぶん怒っていたけど、

母の怒り方を見て、一緒に怒ったらダメだと

思ったのか、

ご飯食べて、はよう寝えやと。


母は、

あんな電話一本で日付が変わるまで

帰ってこんなんて、

どういうことなん!

いきなり、コンサートに行くなんて、

名古屋まで行くなんて。

どれだけ心配したと思っとるんよ


それでも夕飯の筍の煮物と白いごはんを

出してくれた


ただ、ごめんなさいと

いうしかなかった

なんでこんなことしたんだろうと

自分でも思っていた


行きたかった、

みんなとおんなじにしてみたかった

それもあったのは確か


あの衝動は若さ?

いい子であることしか知らなかった私が

これをしたらダメだと思いながら

それでもいいと思ったあの日


今、悪くても怒られてもいいんだ

そうしないといけない気がしていた

わたしは私のする事を選んでいい

わたしの人生はわたしが選ぶ

いいお姉ちゃんやいい子でなるために

生きているわけじゃない


自我の目覚め?

遅い反抗期?


同じことを自分の娘や息子がしたら、

わたしも母と同じように怒っただろう

心配しただろう


子供たちは

ぷんと部屋に閉じこもっただろう


通らないと行けない

チェックポイント

だったんだな

きっと


親も子も


今のBGMは同じ頃によく聴いていた

大江千里さんの曲

聴いてたら思い出した

あの日のこと