カテーテルアブレーションの重大合併症として、心タンポナーデ、脳梗塞、食道関連合併症が挙げられます。特に心タンポナーデは1% 台の発生率で、注意が必要です。心タンポナーデは、心嚢内の液体などの貯留により心膜腔内圧の著明な上昇をきたし、心臓が圧迫され、拡張期の静脈還流障害が生ずるために心拍出量が減少した状態です。循環障害が生じていることが、単なる心嚢液貯留とは明確に異なる点です。

 身体所見として頻拍はほぼ必発で、Beck の三徴のほか、奇脈、Kussmaul 徴候(吸気時に右房圧の上昇が著明となり、吸気時に頸静脈の怒張が顕著となる)などを認めることがあります。

*奇脈とは吸気時に最大血圧が10 mmHg 以上低下し、小脈となる現象。その機序として、吸気時に右室への血液還流量が増加し、拡張した右室が左室の拡張を制限することと、吸気時に肺血管床が拡大し、肺から左房への還流量が減少すること、の2 点が重要。

*低血圧、心音微弱、頸静脈の怒張の三者は、いわゆるBeck の三徴として有名。

にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 高岡情報へ
にほんブログ村  クリックをお願いします。