アルコール依存症は、飲酒によって身体や心、そして生活に問題が生じているにもかかわらず、どうしてもお酒をやめられない状態のことをいいます。 背景には、遺伝的な要素や、家庭・職場などの環境要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

 断酒をすると、体がアルコールのない状態に慣れようとして「離脱症状」が出ることがあります。 軽い場合は不眠や手の震え、発汗などがみられ、重くなるとせん妄や痙攣、幻覚などが出ることもあります。 これは、アルコールが持つ中枢神経の抑制作用が急に切れたことで起こる反跳現象のようなものです。

治療では、まず ベンゾジアゼピン系薬剤 が中心になります。 ジアゼパムやロラゼパムなどを使い、症状に合わせて量を調整していきます。 また、ビタミンB1が不足するとウェルニッケ脳症を起こす危険があるため、ビタミンB1の補充 は欠かせません。

 長い目で見た治療では、やはり 断酒の継続 が大切です。 再飲酒を防ぐために、抗酒薬(ジスルフィラム)や抗酒剤(アカンプロサート)が使われることがあります。

 アルコール依存症は、身体的・精神的・社会的な側面に影響を及ぼす大きな疾患です。 早い段階で気づき、適切に介入することで、合併症を防ぎながら社会復帰を目指すことができます。 離脱症状のコントロールと、長期的な断酒の支援。 そして精神科・内科・社会福祉士など、多職種が連携して支えることがとても重要です。

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