甲状腺は、のどぼとけの下にある蝶ような形をした臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンは、カラダ全体の新陳代謝を促進する働きがあります。通常、甲状腺ホルモンは、多すぎたり少なすぎたりしないようバランスが保たれていますが、甲状腺の働きに異常があらわれると、そのバランスが崩れてしまいます。
通常、甲状腺ホルモンは、多すぎたり少なすぎたりしないようバランスが保たれています。甲状腺の働きに異常があると様々な症状が起こります。
甲状腺ホルモンが多すぎる場合
甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、新陳代謝が過剰になる病気を甲状腺機能亢進症といいます。代表的な病気として、甲状腺を刺激する自己抗体(自分のカラダに対する抗体)ができることで甲状腺ホルモンが過剰につくられる「バセドウ病」があります。
甲状腺ホルモンが不足する場合
甲状腺ホルモンの分泌量が減り、新陳代謝が低下する病気を甲状腺機能低下症といいます。代表的な病気として、甲状腺を障害する自己抗体ができることで甲状腺ホルモンの分泌が減る「橋本病」があります。
甲状腺の病気は、男性よりも女性に多くあらわれるという特徴があり、自己免疫疾患としてバセドウ病や橋本病があります。自己免疫疾患とは、免疫系が自分の細胞を異物だと認識して攻撃してしまうことで症状が引き起こされる病気です。
また、このような甲状腺の病気は、月経周期の異常や不妊・流産の原因になることもあります。